2010.05.01 細革/GW立山①・山崎カール

すっかりBCクロカンがメインとなった09-10シーズン。
迎えたシーズン最大のイベント、GW立山ツアーもBCクロカンで行こうかと悩みましたが、BCクロカンで立山となれば、雪質次第では大幅に行動が制約される可能性があることと、下山の際、大混雑するロープウェーとケーブルカーを避けるために御山谷を滑って黒部湖に下りたかったのですが、BCクロカンではさすがに重荷を背負っての滑りは難しいことから、例年通りステップソールの細板+革靴でのツアーとなりました。

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2010年5月1日 GW立山・1日目 山崎カール

天候:曇り
装備:(板)BDポーラスター、(靴)スカルパ・ビンソン

<プロローグ~室堂へ>
もうかなり前から、ゴールデンウイークはテント泊でのツアーと決めている。
2008年からは続けて立山に行っており、この2010年で3年連続。
東京からアルペンルートへのアプローチは、車で扇沢から、という人が多いと思うが、私は下山して疲れた状態での運転が怖いのと、下山後に酒が飲めないのが耐え難いことから、鉄道を使っている。

鉄道利用の場合、最も効率が良く、早い時間に入山できるのは、夜行列車を利用しての富山側からのアプローチ。
これまでは寝台特急「北陸」を利用していたが、廃止(残念!)になってしまったので、臨時列車としてかろうじて生き残った急行「能登」を利用する。
少しでも眠れるようにと、グリーン車利用。リクライニングがかなり効く分、普通車よりは良いが、快適とは言い難く、やはりあまり眠れない。特に、夜中も明るいのがよろしくない。

「能登」の富山着が5:42、富山地鉄の立山行き始発が5:44発。
大学時代の山岳サークルの夏合宿では、「能登」から立山行き始発に乗り継ぐために富山駅を走った記憶があるが、現在ではJR富山駅のホームの位置が変わって移動距離が長くなり、地鉄の始発に乗り継ぐのはほとんど不可能となった。
「能登」を利用する登山者は少なくないのに、地鉄はなぜ始発の時間を「能登」からの乗り継ぎが可能な時間にしてくれないのか。

仕方なく2本目の立山行きに乗るが、余裕を持って座れる程度の乗客数。
これならスムーズに室堂に上がれるかと思ったら、立山駅周辺には人があふれ、ケーブルカーの切符売り場に長蛇の列。
早朝まで降雪があり、高原バスの運行開始が1時間遅れた影響もあったらしいが、このときの様子からすると、ダイヤ通りでも相当の待ち時間は避けられなかっただろう。
これまでは一番混雑する日に入山したことがなく、ケーブルと高原バスの始発を乗り継いで入山できていたので、日によっては早朝からこれほど混雑するものだということを知らなかった。

結局、切符売り場の順番待ちと乗車待ちで、臨時運行の室堂行き直通バスに乗るまでに合計1時間半あまりもロスする。


<入山>
10:46 室堂
11:12 雷鳥沢B.C.

立山駅前でバスを待つ間に身支度を調えておいたので、室堂ターミナルでは、トイレを済ませ、酒を買い込めばもう準備完了。
ターミナル前から、早速スキーを履く。

3年連続のGW立山だが、いつも核心は初日の室堂から雷鳥沢テン場までの下りである。
単独での幕営装備を詰め込んだ重いザックを背負っての細革テレマークは、非常に厳しい。しかも初日は食料も最大量が入っているので、なおさらである。
一昨年は雷鳥荘までのアップダウンのある道と雷鳥荘前の斜面で大苦戦。ひとたび転ぶと、立つのも大変なのである。
昨年は雷鳥荘前の斜面を避けるために室堂山荘経由で回っていったが、山荘左側の急斜面を下ってしまったので全く楽にならなかった。

この2年間の教訓から、今回は室堂山荘脇のブル道でテン場に向かう。初級者向け迂回ルートを通るようで情けないが、致し方ない。
それでも、斜度はほかのルートより緩いものの、重荷を背負って細いブル道をボーゲンで下るのはやはり楽ではなかった。
気温が低くブル道の雪が緩んでいなかったため、余計に緊張する。
途中からブル道の脇を滑ったりもしながら、テン場着。


<山崎カールへ>
12:51 雷鳥沢B.C.
14:32~14:43 ローソク岩
15:06 雷鳥沢B.C.

テントの設営を済ませた後、滑りに行く。
計画では初日は大走りを滑る予定だったが、室堂着が大幅に遅れたため時間がない。
とりあえずは行き先を決めずに、ステップソールで散歩に出るような気分で、シールを貼らずに一の越方面へ。

しかし、歩いているうちにスイッチが入り、途中からブル道を外れて山崎カール方面に向かう。
台地に上がったところでシール装着。カールに向かってどんどん高度を上げていく。
カールに入るあたりからガスがかかる。カールの中には、最近の吹雪のときに飛ばされてきたのか、小鳥の死骸が随所に落ちていた。
カールの中は、登るほどに斜度がきつくなっていく。
まだ行ける、もうちょっと行こうか、と距離を伸ばしていき、結局ローソク岩まで登る。

ローソク岩からの下りはそこそこの急斜面。
一本目がこの斜度からというのはちょっと緊張するが、滑り出してみれば問題はなく、すぐに落ち着く。
上部はなんちゃってパウダー。やや重いがそこそこ楽しめる。
ガスの晴れ間に方向を確認しながら下る。
一瞬、ガスが切れて雷鳥沢のテン場も見えた。

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カールの下部からは湿雪。
厳しい雪質だが、足繁く通ったBCクロカンツアーでかなり悪雪を滑ったことで鍛えられたのか、そこそこの滑りができた。
思えば、一昨年の立山では、やはり初日に足慣らしで来た山崎カールの悪雪で悪戦苦闘し、転びまくっていた。
こんなに長くやってきてもまだ上達の悦びを味わえるのが、テレマークの魅力である。

カールを出てからは、往路は戻らず、面白そうなラインを探しながら、テン場に下った。


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