BCクロカン概説(6)~シールの加工

BCクロカンでは通常ステップソールの板を使用するので、シールなしでもある程度登れます。
しかし、ステップソールは雪質によっては効きが悪いですし、シールを使えばより行動範囲が広がります。
そこでシールの併用をお勧めしたいのですが、このシールの準備にはいろいろな問題をクリアする必要があります。

1 シールの幅
これはテレマーク細板にも共通することですが、太板が主流となった現在では、BCクロカンの細板に合う60mm以下のシールはほとんど売られていません。
数年前までは、ICIスポーツやさかいやスポーツなどの大型店に行くと、売れ残りのシールの中に60mmのものなどもあったのですが、今シーズン見かけたのは一番細くて65mmでした。

ではどうするかというと、太板用の太シールを買って、縦に半分に切るのです。
たとえば、110mmのシールを買ってきて、55mmを2組作るとか、60mmと50mmを1組ずつ作るとか。
1組の値段で2組作れてお得です♪

2 トップループ
シールの幅の問題をクリアすると、次に問題になるのが、スキーの先端にシールを引っかけるトップループをどうするかです。
5~6年前、G3の55mmのシールの売れ残りを見つけて、すかさず購入したのですが、付属していたトップループ金具が大きすぎて、スキーの先端に引っかけられなかったことがありました。
細いシールを使う細板には、トップループ金具も幅が狭いものが必要ということを考えていない、欠陥商品でした。
当時はブラックダイヤモンドがバラ売りしていたトップループ金具に幅の狭いものがあったので、それで対応できましたが、現在では、バラ売りのトップループ金具の幅の狭いものは廃番になってしまい、店頭の売れ残りもほとんどなく、入手はきわめて困難になっています。

私は、主に手持ちの古いシールに付属していた金具を流用していますが、これも限界があります。
BCクロカン板やテレ細板用のシールがいずれ必要になるかも、とお考えの貴男貴女は、もし登山用品店の店頭で売れ残りの60mm以下用トップループ金具を見つけたら、購入しておくことをお勧めします。
何といっても、専用の金具はいちばん取り付けが容易で信頼性も高いからです。

しかし、金具が入手できないからとあきらめることはなく、テープスリング等をループ状にしてシールの先端に縫い付ける、などの方法もあります(これはタマキスポーツで教わりました)。
他にも、私は試していませんが、工夫次第でいろいろ方法はあると思います。

以下、私のシールの例です。

これは、モンベルの通販で買い置きしておいたバラ売りの金具(廃番)を使用。
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なお、マニュアルでは、10~15センチの折り返しをとって、シールの粘着力で金具をシールに取り付けるとされるのが一般ですが、私は非粘着面が広くなりすぎるのが嫌なので、折り返しを極力少なくして、縫い付けて固定しています。
この固定には大型ホチキスを使うのが一番簡単、という説もあり、多分そうなんだと思いますが、私は試したことはありません。
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これはサルスティス用の極細シールで、手持ちの買い置きシールに付属していたラバーストレッチャーから、ゴムを切って金具を取り出して使用しています。
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そしてこれが、テープをループ状に縫い付けたもの。
縫い付けにはミシンを使いました(妻がやってくれましたが、針を1本曲げてしまったようです)。
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3 シールの長さ
これは短いBCクロカン板ではあまり問題になりませんが、2m前後も当たり前というオールドスタイルの長いテレマーク細板の場合には、シールの長さが問題になります。

現在の太板用に売られているシールは、板の長さに合わせてシールも短く作られています(長いもので180cm~200cm)。
その上、もともと付いている金具を切り取ったり、トップループ金具取り付けのための折り返しで使う長さが必要だったりするので、板に対してシールがかなり短くなってしまうことがあります。

それでも、エンドフリーで使用する場合には、シールの粘着力さえしっかりしていれば、あまり問題はないかもしれません。
エンドフリーの場合、スキーのテールからシールの末端までの隙間は5~10cmくらいが適当とされていますが、私がポーラスター用に作ったシール(コールテックスCT40)では15cmほどの隙間が出来てしまっています。
かなり短く見えますが、今のところ剥がれなどの問題が起きたことはありません。

一方、テールも固定するタイプが好みだという方は、あまりシールが短いと固定具が届かなくなってしまうので、注意が必要でしょう。

どうしても長いシールが欲しいという場合には、ロールから好きな長さを量り売りしてもらえるシールを購入する、という方法があります。

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