★★2011.02.05 BCXC/平標山ヤカイ沢

以前から行ってみたかった平標山のヤカイ沢ルート。
好ルートとして有名ですが、BCクロカンエリアとしても、予想以上にいいところでした。

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2011年2月5日 平標山ヤカイ沢 

天候:晴れ→小雪
装備:(板)ロシニョール・BC70(靴)Xadv7
<タイム>
8:48 登山口(別荘地末端)
10:59~11:19 登高終了点(1740m)
13:40 登山口(別荘地末端)

大学時代、山岳サークルに入って最初の合宿、ゴールデンウイークの谷川連峰縦走の最後のピークが平標山だった。
その時は単なる登山だったわけだが、仙ノ倉山から平標山にかけての稜線周辺に広がる残雪の斜面を見たとき、ここにスキーがあれば、と猛烈に思ったものだった。
それ以来、いつかあそこを滑りまくってみたい、と思っていたが、長らく私はほぼGW限定でツアーをしていたこともあり、下部の雪消えが早い平標山には来る機会がなかった。

BCクロカンを始めて、東京から近場でBCクロカンで遊べる場所を探しているうち、ヤカイ沢の地形を見て、ベースの緩斜面をハイキング気分で歩いていき、斜面が立ち上がっていく部分で繰り返し滑りを楽しむ、という遊び方ができるのではないかと注目するようになった。
ただ、豪雪地域ということと、稜線上はいかにも風が強そうな場所なので、いきなり厳冬期に行くのはどんなものかと思っていたのだが、山スキーメーリングリストで今週2月2日に登頂した報告がされていたのを見て、行けるかと思い、一応登頂を目指して行ってみることにした。

三国小学校脇から歩き始め、別荘地末端の除雪終了点でスキーを履く。
ポピュラールートで、ここ数日降雪もないため、当然のようにしっかりしたトレースがある。
林道を進むと、ヤカイ沢の入口でトレースが分岐している。ヤカイ沢に入るトレースをたどる。

トレースはヤカイ沢左岸の台地状のところを登っていく。明るい広葉樹林だが、樹間は狭く、あまり滑りを楽しめる感じではない。時折樹林がきれて視界が開けると、屏風のように平標山の稜線が正面に広がっていて壮観。

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進むにつれて斜度が強くなっていく。磨かれたトレースが冷気で堅くなっており、ウロコの効きが悪い。予想よりも早くシールの登場となる。
さらに登っていくと、だんだんと樹間が広くなっていく。
標高1400mあたりから上には楽しそうなオープンバーンもある。
トレースは右手の支尾根の側面を尾根上に向けて登っている。
この支尾根の側面は北面となっていて、それまで軽いクラスト状だった雪質が、ここではパウダー(重いが)になっている。
なかなかの急斜面、樹間も十分あり、下りの悦びは保証されたようなもの。興奮しながら登る。

トレースは、シール登高の限界に近い斜度でどんどん高度を上げている。長年の経験で培った技術で、スリップを防ぎながら登っていく。
夢中になって登っていたが、尾根上に近づくと、気がつけば雪が結構締まって堅くなってきている。
BCクロカンで来ているということを思い出し、俺はこれを下れるのか、と不安になる。
標高1750mで支尾根の稜線に出る。時間はまだ11:05、登頂するに十分な余裕がある。
しかし、これより上のコンディションはさらに厳しいことが予想される。
逡巡していると、先行して同じ場所で休憩していたロシア人(?)の2人組は、スキーからアイゼンに履き替えている。
それを見て、ここで登りを打ち切ることに決める。

                 登高終了点から苗場山を望む
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大休憩の後、シールを外して慎重に下り始める。大丈夫、曲がれる。
やがて雪質が柔らかくなってくると、そこから先は極楽。
急斜面を樹木を縫ってするすると滑り降りていく。
しかしこんなところをよくこんな風に滑れるようになったものだ、と我ながら感心する。
まだBCクロカンを始めていない2,3年前に、テレマークでこれほど滑れたかどうか、わからない。
このあたりが、BCクロカンにスキー上達効果を感じるゆえんである。
あるいは、まほろば倶楽部のツアーで、混んだ(少なくともそれまでの自分の感覚からはそう感じる)樹林帯の滑降の場数を踏んだことも大きいかも知れない。

                 支尾根側面樹林帯の樹間はこんな感じ
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支尾根側面の急斜面が終わったところで一服入れた後、ザックを置いて、今度は正面のオープンバーンをウロコで登る。
陽の当たるオープンバーンはクラスト気味だが、極端に困難ということはなく、粘り腰(?)の滑りでノートラックの滑走を楽しむ。

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同じトレースを使って、先ほどの樹林帯とオープンバーンをもう1本ずつ滑り、下山。

緩斜面をてれてれ戻るだけ、と思いきや、実はここからが本日の核心部だった。
ねばつくような重雪と狭い樹間に苦しめられ、おたおたと下り、林道に戻る
ヤカイ沢下部には多くのトレースがあり、自分では登りとほぼ同じルートで戻ったつもりだったのだが、行きとは違う場所で林道に出た。
多少そういうことがあっても林道に出るので大丈夫、という安心感があるともいえる。
入山口の別荘地に13:40着、行動終了。

標高1400mから上の斜面は、正面のオープンバーンも、右手の支尾根側面樹林帯も、とても良かった。
見回せば、他にもラインはいろいろ取れた。
樹林帯の急斜面は、BCクロカンとしては上級者向けになるとは思うが、技術に応じて斜面を選ぶことができる。
この周辺までであれば、雪崩の危険も高くないと思う。
BCクロカンフィールドとしてお勧めできる。

私としては、
・BCクロカンによる登頂+頂上周辺滑降、
・土樽への滑降、
・残雪期にBCクロカンを担ぎ上げれば、遅くまでスキーができそう、
などなど、やりたいことがいっぱいの平標山なのだった。


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