BCクロカン概説(7)~板の長さについて
BCクロカンの板の長さについてご質問を受けました。
画像や映像を見ると結構短いのを使っているように見える、という疑問からのご質問です。
板の長さには「正解」はないでしょうし、私もBCクロカンを始めて間がなく、あまり自信を持って言えないので、これまであえて書くのを控えてきました。
しかし、疑問を持たれるのはもっともだと思いますので、私が今感じ、あるいは考えている範囲のことを書いておこうと思います。
日本ではあまり行われてこなかったこのスキースタイルを「BCクロカン」と命名し、スクールで積極的に取り入れてきた「まほろば倶楽部」の石木田博さんは、短い板を使用することを推奨しています。
現在見ることができるBCクロカンの画像や映像で短い板が使用されているのは、いまのところ、BCクロカンをやっているのはまほろば倶楽部の参加者か、まほろば倶楽部経由で個人でも始めた人、のいずれかがほとんどを占めているためと思われます(笑)。
かくいう私もまほろば倶楽部経由でBCクロカンにはまった人間でありまして、石木田さんの薦めに従って短い板を使用しています。
参考までに私が持っている板の長さを紹介しておきます(かっこ内はディメンション)。
・フィッシャー アウタバウンズクラウン(88-68-78) 159cm
・ロシニョール BC70(70-60-65) 169cm
・カルフ サルスティス(65-55-60) 175cm
しかし、クロカンはもちろんテレマークでも、細い板の場合、長さは長くするのが普通です。
たとえば、アウタバウンズクラウンと同じディメンションの現行モデルであるS-BOUND88の場合、フィッシャー英語サイトの「LENGTH RECOMMENDATION」表に従えば、身長173cm/体重80kgの私には、189cmが適当ということになると思われます。
体重の割に身長が低い(笑)ことを考慮して短めを選択しても、179cmでしょう。
ですから、私が履いている159cmというのは、メーカー推奨サイズからすれば極端に短いことになります。
石木田さんがなぜ短い板を推奨するのか、その根拠を詰めて伺ったことはないので、正直、私にはよく分かりません。
しかし、実際に使ってみて、短い板にして良かったと思っています。
そのメリットは、一言で言えば「取り回しがよい」ということになりますが、もう少し細かく説明しておきます。
まず、当然ですが、板が回しやすいです。
一方で安定性は落ちることになるでしょうが、BCクロカンの場合、ゲレンデで高速ターンをするといった使い方はしませんし、林間を滑ることが多いので、回しやすいというメリットの方が大きいと感じます。
春先のバックカントリーでしばしば遭遇する悪雪も、短い板の方が滑りやすいように思います。
そして、板が短いと、移動も楽です。
BCクロカンの場合、歩き回っていい斜面を見つけ、そこを繰り返し滑る、という楽しみ方が一つの魅力となっています。
短い板のほうが、より軽快で、長さに煩わされることもなく、フットワークが軽くなります。
またこういった遊び方をする場合、残雪を求めて登山道を歩いたり、板を持ってツボ足で登り返したり、など板を持ち歩く場面がしばしば出てきますが、そういう場合にも板が短い方が扱いやすいです。
なお、私は、昨シーズン、東京から新幹線とバスでかぐら近辺に行く、というパターンを確立しましたが(笑)、このパターンが気に入ったことには、軽くて短いBCクロカン板だと電車やバスに乗るのも楽、ということも影響しています。
以上が私が感じている短い板のメリットですが、もちろん、標準的な長い板にもメリットはあります。
というか、本来はそっちの方が標準なわけで…(笑)。
先ほど書いた安定性のほか、滑走性も長い板の方が高いと思われます。
ステップ板の場合、ステップ(ウロコ)の摩擦が滑走の妨げになるわけですが、短い板だとステップ部分の接雪圧が高くなり、より板の滑りが悪くなることが考えられるためです。
純クロカンで長くてキャンバーの強い板を使うのには、それなりの理由があるわけです。
こういったことから、緩やかな地形のロングコースをスピーディーに踏破するといった、よりクロカン的な使い方をする場合や、重めの荷物を背負って山スキー/テレマークのツアールートをBCクロカンで踏破しようといった、より安定性が求められる使い方をする場合には、短い板は不向きと思います。
ということで、結局のところは、以上のようなことを参考に、ご自分の好みに応じて板の長さを決めて下さい、としか言えないわけですが、ショップで勧められるままに購入した場合は、当然標準的な長いサイズになると思いますので(私に159cmの板を勧めるようなことは普通しないでしょう)、そのことは頭に入れておいて下さい。
画像や映像を見ると結構短いのを使っているように見える、という疑問からのご質問です。
板の長さには「正解」はないでしょうし、私もBCクロカンを始めて間がなく、あまり自信を持って言えないので、これまであえて書くのを控えてきました。
しかし、疑問を持たれるのはもっともだと思いますので、私が今感じ、あるいは考えている範囲のことを書いておこうと思います。
日本ではあまり行われてこなかったこのスキースタイルを「BCクロカン」と命名し、スクールで積極的に取り入れてきた「まほろば倶楽部」の石木田博さんは、短い板を使用することを推奨しています。
現在見ることができるBCクロカンの画像や映像で短い板が使用されているのは、いまのところ、BCクロカンをやっているのはまほろば倶楽部の参加者か、まほろば倶楽部経由で個人でも始めた人、のいずれかがほとんどを占めているためと思われます(笑)。
かくいう私もまほろば倶楽部経由でBCクロカンにはまった人間でありまして、石木田さんの薦めに従って短い板を使用しています。
参考までに私が持っている板の長さを紹介しておきます(かっこ内はディメンション)。
・フィッシャー アウタバウンズクラウン(88-68-78) 159cm
・ロシニョール BC70(70-60-65) 169cm
・カルフ サルスティス(65-55-60) 175cm
しかし、クロカンはもちろんテレマークでも、細い板の場合、長さは長くするのが普通です。
たとえば、アウタバウンズクラウンと同じディメンションの現行モデルであるS-BOUND88の場合、フィッシャー英語サイトの「LENGTH RECOMMENDATION」表に従えば、身長173cm/体重80kgの私には、189cmが適当ということになると思われます。
体重の割に身長が低い(笑)ことを考慮して短めを選択しても、179cmでしょう。
ですから、私が履いている159cmというのは、メーカー推奨サイズからすれば極端に短いことになります。
石木田さんがなぜ短い板を推奨するのか、その根拠を詰めて伺ったことはないので、正直、私にはよく分かりません。
しかし、実際に使ってみて、短い板にして良かったと思っています。
そのメリットは、一言で言えば「取り回しがよい」ということになりますが、もう少し細かく説明しておきます。
まず、当然ですが、板が回しやすいです。
一方で安定性は落ちることになるでしょうが、BCクロカンの場合、ゲレンデで高速ターンをするといった使い方はしませんし、林間を滑ることが多いので、回しやすいというメリットの方が大きいと感じます。
春先のバックカントリーでしばしば遭遇する悪雪も、短い板の方が滑りやすいように思います。
そして、板が短いと、移動も楽です。
BCクロカンの場合、歩き回っていい斜面を見つけ、そこを繰り返し滑る、という楽しみ方が一つの魅力となっています。
短い板のほうが、より軽快で、長さに煩わされることもなく、フットワークが軽くなります。
またこういった遊び方をする場合、残雪を求めて登山道を歩いたり、板を持ってツボ足で登り返したり、など板を持ち歩く場面がしばしば出てきますが、そういう場合にも板が短い方が扱いやすいです。
なお、私は、昨シーズン、東京から新幹線とバスでかぐら近辺に行く、というパターンを確立しましたが(笑)、このパターンが気に入ったことには、軽くて短いBCクロカン板だと電車やバスに乗るのも楽、ということも影響しています。
以上が私が感じている短い板のメリットですが、もちろん、標準的な長い板にもメリットはあります。
というか、本来はそっちの方が標準なわけで…(笑)。
先ほど書いた安定性のほか、滑走性も長い板の方が高いと思われます。
ステップ板の場合、ステップ(ウロコ)の摩擦が滑走の妨げになるわけですが、短い板だとステップ部分の接雪圧が高くなり、より板の滑りが悪くなることが考えられるためです。
純クロカンで長くてキャンバーの強い板を使うのには、それなりの理由があるわけです。
こういったことから、緩やかな地形のロングコースをスピーディーに踏破するといった、よりクロカン的な使い方をする場合や、重めの荷物を背負って山スキー/テレマークのツアールートをBCクロカンで踏破しようといった、より安定性が求められる使い方をする場合には、短い板は不向きと思います。
ということで、結局のところは、以上のようなことを参考に、ご自分の好みに応じて板の長さを決めて下さい、としか言えないわけですが、ショップで勧められるままに購入した場合は、当然標準的な長いサイズになると思いますので(私に159cmの板を勧めるようなことは普通しないでしょう)、そのことは頭に入れておいて下さい。
この記事へのコメント
我が家に妻用のフィッシャー・リバウンドクラウン(159センチ)がありまして、アウタバウンズと比較してセンターが8ミリ狭く、トップとテールは同じサイズなんです。これなら自分用に転用できそうです。
ただ、付いている金具は3ピン。当面は手持ちの革靴(堅牢なアゾロ・エクストリームなんですが)でBCクロカンの真似事です。ハマリそうになったら、金具と靴を替えようと思います。
ありがとうございました。
ベテランの方なんですね!?
リバウンドクラウン、バッチリなんじゃないでしょうか。
ブーツはBCクロカンとしてのフィーリングに与える影響が大きいので、良さそうだったら是非入手を。
3ピンのままでも、BCクロカン系の柔らかいブーツがありますよ(タマキスポーツのサイトをご覧下さい)。
そしたら奥様と兼用も可能です。
ソウルスライド発売以降、アクセスが増えて、あまりでたらめは書けないな、と緊張しております(笑)。
同意のご意見を頂いて、ちょっと安心しました。
以前、ガルモントの合成皮革のブーツを持っていたのですが、手放してしまいました。あのタイプは捩れに弱くて、BCクロカン以上にターンが難しいと聞いたことがあります。
ちゃんとやるなら、揃えたほうがよさそうですね。
>ターンが難しいのはどちらも同じ
たしかに、十分考えられる感想ですね(笑)
ともあれ、板を購入されたのであれば是非オフピステへ!
まほろば倶楽部への参加もオススメです。
板もいろいろ試させてもらえますよ。多分。