★2012.02.26 BCXC/四阿山
結局、息子のBCクロカンデビューはお預け、私はBCクロカン、息子はテレマークで四阿山へ。またしても途中敗退でしたが、大収穫がありました。
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2012年2月26日 四阿高原ホテル ~ 四阿山(途中敗退)~四阿高原ホテル
天候:雪
装備:Seki (板)カルフ・サルスティス(靴)Xadv7
装備:Seki Jr.(板)ガルモント・モナシー(靴)ビンソン
<タイム>
8:55 四阿高原ホテル下駐車場
11:25~11:55 登高終了点
13:40 四阿高原ホテル下駐車場
前日、息子に Xadv7 を履かせてみてサイズが合っていることを確認した上で、「こういう歩きやすい靴で歩き回ったり滑ったりってするのと、いつもみたいにテレマークの靴を履いて『山スキー』って感じのところに行くのと、どっちがいい?」と尋ねてみたところ、「山スキーの方がいい」という返事。
これまでも、池ノ平湿原や八幡平などで、私が登っては滑りを繰り返していても息子はあまり反応せず、湯ノ丸山や根子岳に行ったときの方が明らかに楽しそうにしていた。
こういう風に正面から尋ねればこういう答えが返ってくるのは予測できた訳で、私の持って行き方に芸がなかった。
残念だが、無理強いしても仕方ないので、息子のBCクロカン引き込みは断念。
ということで、ピークハント系のルートを検討するが、あいにく天気はまたしても冬型。
しかも子連れということになると、上越や北信など、モロに1日雪が降る地域は避けたい。
となると、候補に挙がるのはまた東信の山になる。
当初は今シーズンまだ行っていない根子岳か湯ノ丸山と考えたが、がっつり登るルートの方がいいと思い直し、四阿山にする。
前回はあまりの大雪で下りラッセルになってしまったが、今回は23日の気温上昇で締まった雪面の上に適度な新雪が乗った状態が予想されるので、リベンジといきたい。
8:15頃、四阿高原ホテル下の駐車場に到着。
車は7~8台止まっており、そこそこの賑わい。
すぐに2,3人のスノーシューのパーティーが出発していき、その後、10人くらいの山スキー/テレマーク混成の大きなパーティーが出ていった。
子連れは出発準備に時間がかかり、9時前に出発。
周辺の積雪状態から、ルート上の雪もそれほど多くはないと判断。
板は、ラッセル対策よりも、下地の堅い雪が露出していた場合に備えて、堅雪に弱いアウタバウンズクラウンやBC70を避けて、サルスティスを選択する。
登山口から牧場までの道は、踏み固められて丸い樋状になっている。
よく「ボブスレーコース」と例えられるが、まさにそういう感じ。
前回の教訓から、今度はちゃんとゲートを2つ通り抜けて、有刺鉄線の牧柵のないところから牧場に出る。
まあ、雪も増えていて牧柵の通過も難しくはなかったと思うが。
例によって牧場は強風。
雪の量は十分だが、ウインドパックされており、踏むと表面が割れる感じ。
ラッセルにならないので登りやすいが、下りが思いやられる。
単独のときほどではないが、まあまあのペース。
牧場のオープンスペースから樹林帯に入っていくところで、休憩していた山スキー/テレマーク混成パーティーを追い抜く。
追い抜いた先にも、しっかりしたトレースがある。さらに先を行くパーティーがあるらしい。
やがて、前回同行者に教えて頂いた、夏道を離れて南側斜面に向かう分岐のあたりに来る。
今回もその南側斜面を登下降するつもりだったが、トレースは夏道通りについている。
深くないとはいえラッセルはしんどいので、トレースを追うことにする。
まあ、行き先は同じだし、下りで南側斜面に行けばよい。
この分岐を過ぎたあたりから、息子のペースが少し落ち始める。
そのため、後ろから来た男女2人パーティーに先を譲る。
男性が履いているのはスプリットボードだ。現物は初めて見た。
と、この直後から、息子のペースががくんと落ちる。
ただ疲れただけではなさそうで、どうしたのかと思ったら、おなかが痛いという。
「もうやめるか?」と聞くと、まだ登れるというので先に進むが、私が「牛歩」のごとくペースを落としても、まだ遅れるようになってきた。
もう限界と判断し、「ここから降りよう」と息子に告げる。
息子は無言で残念そうではあるが、反論はしてこない。
本当に具合が悪いらしい。
私が2組のスキーのシールを剥がしている間も、腹に手を当ててうずくまっている。
すぐに出発できないようなので、ツェルトをかぶってしばし回復を待つ。
しかし、待っていても、息子は腹に手を当てて丸くなったまま動かない。
顔をのぞき込むと、寝ている!
下りでの行動に支障が出たときのことを考えると、時間には余裕があった方がよい。
動けるのであれば早めに降りようと息子に話すと、納得。
下りにかかる。
雪質は思った通り、下地ができている上に乾いた新雪が乗った状態で、最高。
私は極楽なのだが、息子は苦戦していて、転びまくり。
これまでは、革ブーツ+モナシーの組み合わせで難なくアルペンターンをこなしていたのだが、ブーツが2バックルのハイカットタイプから紐締めローカットのビンソンに変わったのが響いたか。
また、板が滑りすぎると戸惑っている。
シールを貼った滑らない板から、剥がして急に滑るようになった板とのギャップに対応できていないのだ。
滑り出しがそこそこ急な斜面で、しかも広いとは言えない樹間のツリーランだったのも影響したかもしれない。
前回の記憶からすると、この夏道沿いルートよりも、南側斜面の方が斜度も樹間も滑りやすい感じがしたので、途中からトラバースで南側斜面にでる。
すると、こちらは軽いクラスト気味。
雪質はやや落ちるが、それでも息子にはこちらの方が滑りやすいか。
でも相変わらずよく転んでいる。
やがて夏道に合流。
前回行った沢沿いの急斜面の方に降りていきたい衝動に駆られるが、今日の息子の体調ではリスクがある。
おとなしく夏道を進む。
が、やがて左手に、メローな林間斜面が見えてくる。
たまらず、夏道のトレースを外れて林の中に滑り込む。
緩やかな林間を、浅いターンと直滑降でヒューっと駆けていく。
雪質は軽く、最高に気持ちがよい。
思わず登り返してもう一本。
すると、息子が、「ここでまた登って滑るの?」と聞いてきた。
嫌だと言うのかと思って、「ここ楽しくない? もう少し登ったり滑ったりしたいんだけど」と答えると、意外にも息子はうれしそうな顔で、「じゃあ自分の好きなところを滑っていい?」と。
キターッ!
こいつにもスイッチが入ったのだ!
私が「見える範囲ならいいよ」と言うと、息子は私とは違う方向に登り始める。
滑っては登り、また滑る。
今度はどこを滑ったら楽しそうか、とラインを探しながら夢中で登る姿。
完全にはまっている。いわゆる無限ループ状態。
もう腹痛はどこかに行ったらしい。
ここまで来れば、BCクロカンの世界はもう目の前。
まあ、息子の今の装備も、テレマークと言ってもかなりBCクロカンに近いし。
この先が楽しみだ。くくく。
名残惜しいが、この林間を後にして、また夏道を下る。
息子は相変わらず転びまくっているが、スイッチが入ったせいか、さっきより楽しそうだ。
牧場に戻ってきたところで、牧柵の西側の広い牧場斜面に出てみる。
緩やかでフラットな無立木の大斜面の上に立つと、思わず歓声が出るほど気持ちが良いが、滑ってみるとやはり強烈なウインドクラスト。
私の経験した最高難度とまではいかないものの、それに準ずる難しさで、私も転びまくる。
それでも練習と思ってしばらく頑張ってみるが、攻略のヒントもつかめないまま、逃げるように登路側に戻る。
こちらも、比較的マシとはいえ、やはりウインドクラストしている。
太板プラ靴なら何とかなるのかもしれないが、細いBCクロカンには厳しい。
苦労しながら、牧場下の林間入口まで戻る。
ここからは、時折脇の林間で遊びながらボブスレーコースを下り、登山口に戻って終了。
四阿山は鬼門なのか、3度目の今回も途中敗退となった。
しかし、一度は失敗したと思った息子のBCクロカンへの引き込みが、逆に大きく前進することとなる、意義あるツアーとなったのだった。
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2012年2月26日 四阿高原ホテル ~ 四阿山(途中敗退)~四阿高原ホテル
天候:雪
装備:Seki (板)カルフ・サルスティス(靴)Xadv7
装備:Seki Jr.(板)ガルモント・モナシー(靴)ビンソン
<タイム>
8:55 四阿高原ホテル下駐車場
11:25~11:55 登高終了点
13:40 四阿高原ホテル下駐車場
前日、息子に Xadv7 を履かせてみてサイズが合っていることを確認した上で、「こういう歩きやすい靴で歩き回ったり滑ったりってするのと、いつもみたいにテレマークの靴を履いて『山スキー』って感じのところに行くのと、どっちがいい?」と尋ねてみたところ、「山スキーの方がいい」という返事。
これまでも、池ノ平湿原や八幡平などで、私が登っては滑りを繰り返していても息子はあまり反応せず、湯ノ丸山や根子岳に行ったときの方が明らかに楽しそうにしていた。
こういう風に正面から尋ねればこういう答えが返ってくるのは予測できた訳で、私の持って行き方に芸がなかった。
残念だが、無理強いしても仕方ないので、息子のBCクロカン引き込みは断念。
ということで、ピークハント系のルートを検討するが、あいにく天気はまたしても冬型。
しかも子連れということになると、上越や北信など、モロに1日雪が降る地域は避けたい。
となると、候補に挙がるのはまた東信の山になる。
当初は今シーズンまだ行っていない根子岳か湯ノ丸山と考えたが、がっつり登るルートの方がいいと思い直し、四阿山にする。
前回はあまりの大雪で下りラッセルになってしまったが、今回は23日の気温上昇で締まった雪面の上に適度な新雪が乗った状態が予想されるので、リベンジといきたい。
8:15頃、四阿高原ホテル下の駐車場に到着。
車は7~8台止まっており、そこそこの賑わい。
すぐに2,3人のスノーシューのパーティーが出発していき、その後、10人くらいの山スキー/テレマーク混成の大きなパーティーが出ていった。
子連れは出発準備に時間がかかり、9時前に出発。
周辺の積雪状態から、ルート上の雪もそれほど多くはないと判断。
板は、ラッセル対策よりも、下地の堅い雪が露出していた場合に備えて、堅雪に弱いアウタバウンズクラウンやBC70を避けて、サルスティスを選択する。
登山口から牧場までの道は、踏み固められて丸い樋状になっている。
よく「ボブスレーコース」と例えられるが、まさにそういう感じ。
前回の教訓から、今度はちゃんとゲートを2つ通り抜けて、有刺鉄線の牧柵のないところから牧場に出る。
まあ、雪も増えていて牧柵の通過も難しくはなかったと思うが。
例によって牧場は強風。
雪の量は十分だが、ウインドパックされており、踏むと表面が割れる感じ。
ラッセルにならないので登りやすいが、下りが思いやられる。
単独のときほどではないが、まあまあのペース。
牧場のオープンスペースから樹林帯に入っていくところで、休憩していた山スキー/テレマーク混成パーティーを追い抜く。
追い抜いた先にも、しっかりしたトレースがある。さらに先を行くパーティーがあるらしい。
やがて、前回同行者に教えて頂いた、夏道を離れて南側斜面に向かう分岐のあたりに来る。
今回もその南側斜面を登下降するつもりだったが、トレースは夏道通りについている。
深くないとはいえラッセルはしんどいので、トレースを追うことにする。
まあ、行き先は同じだし、下りで南側斜面に行けばよい。
この分岐を過ぎたあたりから、息子のペースが少し落ち始める。
そのため、後ろから来た男女2人パーティーに先を譲る。
男性が履いているのはスプリットボードだ。現物は初めて見た。
と、この直後から、息子のペースががくんと落ちる。
ただ疲れただけではなさそうで、どうしたのかと思ったら、おなかが痛いという。
「もうやめるか?」と聞くと、まだ登れるというので先に進むが、私が「牛歩」のごとくペースを落としても、まだ遅れるようになってきた。
もう限界と判断し、「ここから降りよう」と息子に告げる。
息子は無言で残念そうではあるが、反論はしてこない。
本当に具合が悪いらしい。
私が2組のスキーのシールを剥がしている間も、腹に手を当ててうずくまっている。
すぐに出発できないようなので、ツェルトをかぶってしばし回復を待つ。
しかし、待っていても、息子は腹に手を当てて丸くなったまま動かない。
顔をのぞき込むと、寝ている!
下りでの行動に支障が出たときのことを考えると、時間には余裕があった方がよい。
動けるのであれば早めに降りようと息子に話すと、納得。
下りにかかる。
雪質は思った通り、下地ができている上に乾いた新雪が乗った状態で、最高。
私は極楽なのだが、息子は苦戦していて、転びまくり。
これまでは、革ブーツ+モナシーの組み合わせで難なくアルペンターンをこなしていたのだが、ブーツが2バックルのハイカットタイプから紐締めローカットのビンソンに変わったのが響いたか。
また、板が滑りすぎると戸惑っている。
シールを貼った滑らない板から、剥がして急に滑るようになった板とのギャップに対応できていないのだ。
滑り出しがそこそこ急な斜面で、しかも広いとは言えない樹間のツリーランだったのも影響したかもしれない。
前回の記憶からすると、この夏道沿いルートよりも、南側斜面の方が斜度も樹間も滑りやすい感じがしたので、途中からトラバースで南側斜面にでる。
すると、こちらは軽いクラスト気味。
雪質はやや落ちるが、それでも息子にはこちらの方が滑りやすいか。
でも相変わらずよく転んでいる。
やがて夏道に合流。
前回行った沢沿いの急斜面の方に降りていきたい衝動に駆られるが、今日の息子の体調ではリスクがある。
おとなしく夏道を進む。
が、やがて左手に、メローな林間斜面が見えてくる。
たまらず、夏道のトレースを外れて林の中に滑り込む。
緩やかな林間を、浅いターンと直滑降でヒューっと駆けていく。
雪質は軽く、最高に気持ちがよい。
思わず登り返してもう一本。
すると、息子が、「ここでまた登って滑るの?」と聞いてきた。
嫌だと言うのかと思って、「ここ楽しくない? もう少し登ったり滑ったりしたいんだけど」と答えると、意外にも息子はうれしそうな顔で、「じゃあ自分の好きなところを滑っていい?」と。
キターッ!
こいつにもスイッチが入ったのだ!
私が「見える範囲ならいいよ」と言うと、息子は私とは違う方向に登り始める。
滑っては登り、また滑る。
今度はどこを滑ったら楽しそうか、とラインを探しながら夢中で登る姿。
完全にはまっている。いわゆる無限ループ状態。
もう腹痛はどこかに行ったらしい。
ここまで来れば、BCクロカンの世界はもう目の前。
まあ、息子の今の装備も、テレマークと言ってもかなりBCクロカンに近いし。
この先が楽しみだ。くくく。
名残惜しいが、この林間を後にして、また夏道を下る。
息子は相変わらず転びまくっているが、スイッチが入ったせいか、さっきより楽しそうだ。
牧場に戻ってきたところで、牧柵の西側の広い牧場斜面に出てみる。
緩やかでフラットな無立木の大斜面の上に立つと、思わず歓声が出るほど気持ちが良いが、滑ってみるとやはり強烈なウインドクラスト。
私の経験した最高難度とまではいかないものの、それに準ずる難しさで、私も転びまくる。
それでも練習と思ってしばらく頑張ってみるが、攻略のヒントもつかめないまま、逃げるように登路側に戻る。
こちらも、比較的マシとはいえ、やはりウインドクラストしている。
太板プラ靴なら何とかなるのかもしれないが、細いBCクロカンには厳しい。
苦労しながら、牧場下の林間入口まで戻る。
ここからは、時折脇の林間で遊びながらボブスレーコースを下り、登山口に戻って終了。
四阿山は鬼門なのか、3度目の今回も途中敗退となった。
しかし、一度は失敗したと思った息子のBCクロカンへの引き込みが、逆に大きく前進することとなる、意義あるツアーとなったのだった。
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