BC70・フラットソール ほか

このブログをご覧いただいているようなマニア(?)の方々は既にお気付きかと思いますが、タマキスポーツのサイトに、BCクロカンスキーヤー・細革テレマーカー注目の製品入荷情報がアップされています。

ROSSIGNOL BC 70 (Flat Sole) と G3 Expedition Climbing Skins 60mm です。


ROSSIGNOL BC 70 (Flat Sole)

これは、BCクロカン板の定番の一つである、BC70のフラットソール、つまりステップ(ウロコ)なしバージョンですね。
ステップがないので、そのままでは歩いたり登ったりすることができません。
したがって、一般的なBCクロカン用としてはお勧めできません。

最もノーマル(?)な用途は、細革テレマークでしょうか。
近年ではトップ70mmクラスのフラットソールの細板はほとんど作られていないので、貴重といえます。
しかし、タマキスポーツに限っていえば、他にもフラットソールの細板は在庫がありますからねえ(もちろん新製品ではありませんが)。

とすると、これは、「ワックスタイプのBCクロカン板が欲しい」という超マニアの要望で入荷したか、あるいはそのあたりを狙ったものではないかと。
つまり、スキーのキックゾーン(ステップ板ならステップのある部分)にグリップワックス(スキーの滑りを止めるワックス)を塗ることで、歩きや登りに対応するのです。
クロスカントリースキーの本来の姿ですが、バックカントリースキーでグリップワックスを使用している人はほとんどいません。

雪質に合ったワックスの選択が肝で、ぴったり決まったときは良く登ってすごく気持ちいいそうですが、合わないと苦労することになります。
そのワックス選択の妙を楽しむあたりがまた、マニア心をくすぐるのでしょう。
かくいう私もこういうのに大変弱い性癖の持ち主なので、アレなんですが、当面はステップソールの世界に踏みとどまろうと思っております。今のところ。


G3 Expedition Climbing Skins 60mm

こちらは、今では大変入手困難になっている幅60mmのシール。
BCクロカンやテレ細板でシールを使用する場合の工夫については、「BCクロカン概説(6)~シールの加工」に書いていますが、60mmならそのまま切らずに使える板も結構あるでしょう。

私が最後に買った細シール、G3の55mmは、シールは細いのにトップループ金具が大きすぎて細板の先端に固定できないという不良品でしたが、今回のタマキ入荷品は、アップされたパッケージ写真を見る限り、シール幅より幅の狭い金具が付いているので、そういうことはなさそう…。
いや、パッケージ写真はもっと太い板のものかもしれないので(私のときもそうだった気がします)、購入時には確認した方が良いかもしれませんね。
それと、クラッシックな長尺テレ細板に使用される方は、長さが足りるかも要確認です。

この記事へのコメント

れつ丸
2012年03月07日 03:47
BC70のフラットソールってそそられますよねぇ。
実はつい先日、てれまくりの帰りに白馬のラッピーで現物をみてきました。
思わず買いそうになりましたが理性でおさえました。
グリップワックスについては以前タマキの奥さんに、かるくレクチャーを受けましたが、いずれ入っていきたい分野ですねぇ。

しかし、てれまくりは凄いです。
BCクロカンの道具もふつうにそろってますから。
マズシャスのエポックは取り回しといいグリップといい、とても良かったです。
次はこれですねっ!
Seki
2012年03月07日 10:14
れつ丸さん、毎度ありがとうございます。
BC70フラットソール、私も理性で抑えています。

エポックそんなに良いですか。
実は私、深雪用にもう少し太いBCクロカン板があったらどうだろうと思いつつ、アウタバウンズクラウンの堅雪でのエッジの効きからすると、これ以上太いのは無理かな、と考えていたんですが、ウエストは同じ68mmなんですね。
うーん、こっちの方がやばいなあ(笑)。
na
2012年03月08日 09:07
BC70フラットソール、友人がガルモント・ベンチャーとの組み合わせでゲレンデ・クロカン?を楽しんでいますが、マッチングは良いようで、新雪エリアも、かなりかたい雪も、結構うまく滑っています。ただ、本人は「もうちょっとキャンバーが弱ければいうことないんだけれども」と言っております。

マズシャス・エポックとおなじウエスト68mm(トップは88ミリ)の初代クロスアドベンチャーは、同じく初代クロスアドベンチャーブーツとの組み合わせでは、かたい雪になると、ほとんどエッジが効いてくれなくて、ほぼ確実に全コース軟雪が想定される日か、スノーシューも持ってということでないと使えないという問題がありました。

キャンバー特性とトップの反り具合から、新雪や重雪でのジャンプ系ターンが抜群にやりやすいという板なので、3本あるうちの2本は3ピンをつけてT4またはエクスカーションで使っております。
Seki
2012年03月09日 09:01
naさん、情報ありがとうございます。
そうですね、エポック買うとしても、BCクロカン仕様だったら深雪専用になると思います。
私も、少しでも堅雪のリスクがあるときは、ウエスト68mmのアウタバウンズクラウンは避けるようにしています。
ザラメも滑れますが、そうなるとサルスティスの出番になるので、アウタバウンズクラウンはほぼ深雪専用になってますね。
でも、サルスティスを持っていなかった頃、グサグサの腐れ雪のゲレンデをアウタバウンズクラウンで滑ったときは結構面白かったなあ。
雪くじら
2012年03月09日 20:38
いつも話題に遅れてのお邪魔です。
エポックというのは旧カルフの10th mountenですよね。

ほぼ同じディメンション(98-69-88)のS-bound98がお勧めです。例のノルディック・ロッカーの板です。私は「うろこ・ろっかー」と命名していますが。
キャンバーはさほど強くなく、ザラメの回転は好調です。先日岐阜の大日ヶ岳で重たい深雪を滑りましたが、この板より広いシングルキャンバーの板に負けていませんでした。
ロッカーの効果なのでしょうか?

そして、ここが重要!硬い雪でも結構耐えてくれます。ダブルキャンバー特有のセンターエッジがかからないという欠点はさほど感じませんでした。
板がばたつくこともあまりなくウロコ付の板にしては安定しています。
長さは169センチですが滑っている感覚は10センチ短い。板の中央部分でしっかりと雪面をつかんでいる感じです。
私はアウタバウンズも持っていますが、硬い雪では新しいS-boundがかなり勝っています。

10th mountenを持っている友人の話では、硬い雪ではかなりバタついて不安定だそうです。それで彼はバウンドレスクラウンを愛用しています。
私もGUIDE、カタマウントなどいくつかのカルフの板に乗ってきましたが、カルフの板の印象は素朴・無骨というものです。S-bound98はテクノロジーというものを感じさせてくれます。

このS-bound98はスリーピン+ビンソンで使用していますが、私の感触では159センチならBCクロカンのビンディングとブーツでもいけそうな気がします。
板が短い分コントロールが容易になりBCのブーツでも耐えられそうに思うからです。
来シーズン金銭の余裕があれば試してみたいと思っています。
Seki
2012年03月09日 21:10
雪くじらさん、ありがとうございます。
なるほど、ここまで選択肢を広げてくると、S-bound98っていうのも視野に入ってくるわけですね。
カルフは素朴・無骨、S-boundはテクノロジーを感じさせる、っていいですねえ~。
なんかよく分かる、素晴らしい表現(笑)。

しかし、エッジングに関してはブーツの影響が大きいと思うので、BCクロカンブーツでどうなるかというのはやっぱり微妙ですね。
雪くじらさんが試されてからにしようかな(笑)。
雪くじら
2012年03月09日 22:46
ついでに、もうひとつ。

BCクロカンでのフラットソール、私もそそられます。

それは、sekiさんが以前書いておられたように、シーズン初め人口雪スキー場の緩斜面での足慣らし用としてです。

確かにグリップワックスという組み合わせもあるでしょう。

そしてそれは「クロスカントリースキーの本来の姿です」と言えるかもしれません。

でも、「クロスカントリースキーの本来の姿です」というのはノルディックの本家本元のノルウェーのようなところでの話のような気がします。

わたしはノルウェーに行ったことはありませんが、聞くところによるとノルウェーのバックカントリーは起伏の緩やかな地形だそうです。高低差が少ないということは雪温の変化も少ないということでしょう。そのよう場ではグリップワックスは有効だと思います。

翻って日本のバックカントリーといえば知ってのとおり高低差がかなりあります。従って雪温の変化も大きいということになります。そういう場ではグリップワックスは有効でなく、ウロコの出番となるのではないでしょうか。

もうひとつ聞いた話では、北欧の積雪はそのままでも結構硬いそうです。そういう場ではクロカンの細板でもバックカントリーで動き回れるそうです。日本の場合は知ってのとおり柔らかい雪です。そのためクロカンの細板でバックカントリー・スキーをやろうとすれば悲惨なことになります。スノースクーターなどでコース(ピステ)を作らないと走れません。

ですから、BCクロカンの幅広板は日本のバックカントリーに好適と言えるのではないでしょうか。(続く)
雪くじら
2012年03月09日 22:49
(続き)
ずっと前、まだ幅広のステップソールの板が普及する前の話ですが、女性用のアルペン板の安売り品を二・三千円で手に入れて、彫刻等でソールに刻みを入れて藪漕ぎスキー用に使っていました。その頃ですからトップ80mm、ウェスト65㎜程度です(長さは165センチ位)。BCクロカンにお誂えのディメンションです。
最近BCクロカン用のフラットソールとして同じような板を探していますが、カービング板ばかりでお目当てのものは中々入手しづらくなっています。
Seki
2012年03月10日 09:00
私もウロコのBCクロカンとテレマークを満喫している一人でありますので、ステップソールが日本のバックカントリーに有効な道具であるということに異存はありません。
グリップワックスは日本のバックカントリーには有効ではない、という点については、グリップワックスを使ったことがありませんし、知識もないので…これには「ちょっと待った!」という方もいらっしゃるでしょうし、きっと(笑)。

「ウロコがないことによるアドバンテージをバックカントリーで生かせれば、また違った体験ができるのではないか」なんて考えるのもまた楽しいわけで、こういう夢(?)は持ち続けておきたいと思います。今のところ。
na
2012年03月10日 21:16
ここでほとんど役に立たないグリップワックス・ネタをひとつ。
でも、私のスキー歴の中ではかなりエキサイティングな体験でありました。

今を去ること◯年前、メルヘン広場から麦草峠までの国道をグリップワックスをベッタリ塗った44ミリ純正クロカン板(もちろんフラットソール)で登りました。峠で、持参したリムーバーとタオルでワックスを完全にはがし、さらに滑走ワックスでピカピカにソールを仕上げてメルヘン広場に向かってクラウチングフォームで滑走開始。
かなり先にスタートしていたステップソールの女房をぶち抜き、あっという間にメルヘン広場に到着。その頃はまだGPSを持っていなかったので何キロ出ていたかわかりませんが、かなりのスピート感があり、終点のゲートが目前に迫ってきた時にはビビリました。
このコース、 雪質によってはステップソールだと全然滑ってくれないこともあって、峠のヒュッテでは、登山者に下り専用フラットソール板のレンタルもしているようです。

このネタ、◯ろさんの掲示板にも以前書いたことがあるので「またか」という方にはゴメンナサイ。
Seki
2012年03月10日 21:49
naさん
それは本当にエキサイティングですね(笑)。
純クロカンのスピード感ってありますよね。
すぐには止まれない、という意識がまたスピード感を増幅させるのでしょうか。
私は目と鼻と毛穴が全開、っていう感じになります。
ゲレンデでの話ですが。

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