★★2013.04.06 BCXC/孫六温泉~乳頭山

爆弾低気圧襲来直前の好天を利用して、初めての乳頭山に行ってきました!

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2013年4月6日 孫六温泉~乳頭山

天候:晴れ→くもり
装備:(板)クナイスル・ツアーライト59(靴)Xadv7
<コースタイム>
8:10 孫六温泉
9:33~9:52 田代平山荘
10:22~10:38 乳頭山
11:43~11:58 田代平山荘
12:44 孫六温泉

息子が小学校のサッカーチームを卒業し、コーチの任務から解放された。
自分のシニアサッカーは続けるが、それでも週末の予定にかなり余裕ができるようになる。
早速4月6・7日の週末は、久しぶりに仕事もサッカーの予定もなく、さらに奥様から泊まりでスキーに行ってもよいとの許可も出た。

よっしゃー、テント泊で気合いの入ったロングコースに行くか、それともまほろば倶楽部「ステップソウルフル」に参加して楽しく過ごすか、はたまた念願の蓮華温泉に行っちゃおうか等々、夢がふくらんだ。
ところが、7日に長女の高校入学式があることが判明(日曜なのに…)。
やむなく6日の日帰りに方針変更。

しかも、低気圧接近の周期にあたってしまうようで、第一候補にしていた栂池の週間予報は雨。
より確実に低気圧の影響が避けられるところをと考えると、北東北が候補になる。
しかし、北東北まで車で日帰りはかなりしんどい。
かといって、北東北では越後湯沢近辺のように電車とバスで効率よくアクセスとは行かないだろう…と思ったら、調べてみると、前日に盛岡に入っておけば、田沢湖線の盛岡5:22発の一番電車に乗って田沢湖6:09着、6:55田沢湖駅発の羽後交通バスに乗れば7:42に乳頭温泉に到着することが判明。
盛岡での宿泊は、駅近くのビジネスホテルの格安プランで素泊まり3,500円に抑えられる。
この戦法で行くことにする。

週末が近づくにつれて、やってくる低気圧がいわゆる爆弾低気圧であることが分かってくるが、幸いスピードは遅く、たざわ湖スキー場での雨の降り出しは夜になるとの予報となる。
当日早朝に到着した田沢湖駅は晴れ。
風もほとんどなく、暖かい。

乳頭温泉行きのバスの中で、今日の行き先について考える。
事前にアドバイスを頂いた石木田さんからは笹森山を勧められ、地図を眺めながら旧乳頭スキー場~笹森山~八合目小屋~旧アッスルスキー場、という計画を立てていたが、笹森山ルートは事前情報がほとんどなかった上、地図を見ると地形がやや複雑そうで、天候のリスクがあることを考えると多少不安があった。
また、スキーツアーの拠点として有名な孫六温泉に一度行ってみたいという思いもあった。
そこで、孫六温泉~乳頭山の往復ルートに変更することに決定。
終点の乳頭温泉バス停で下り、歩いて10分ほどで孫六温泉に到着する。

孫六温泉に向かう道にはまだ雪の壁
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朝の孫六温泉
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地図で夏道のある尾根を確認。
見れば尾根に向かう雪の上に足跡も残っていた。

取り付きはかなりの急登だが、わずかな登りで尾根上に出る。
尾根上は明るいブナの林で気持ちがよい。

取り付き
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尾根上
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明瞭な尾根をたどって行くと、やがて小ピークを越えて少し下る。
この先で、そのまま夏道の尾根を登るのではなく、向かって右手、一本東側の尾根に乗り換えた方がよいとのアドバイスを石木田さんからもらっていた。
右手の沢の様子を見ながら登っていき、弱点を見つけて沢を越え、東側の尾根に乗り換える。
広く緩やかな尾根で、立派なブナの揃った良い林だ。
気がつけば温泉の硫黄の香りが漂っている。

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気持ちよく高度を上げていくと、やがて樹相がブナからオオシラビソに変わる。

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その先で尾根は少し細く急になり、そこを登り切ると田代平の一角に出る。
田代平にはありがたいことに竹竿が立てられており、これに導かれて進むと田代平山荘に到着した。

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乳頭山と田代平山荘
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田代平山荘はすでに1階から入れるようになっていた。
1階が雪に埋もれているときも、はしごで2階から出入りできるようになっている。
入ってみるときれいで、これなら快適に泊まれそうだ。
収容人数もかなりのものだろう。

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田代平山荘で小休止の後、乳頭山へ最後のひと登り。
右手には秀麗な秋田駒ヶ岳。
んー、いかにも滑ってみたいと思わせる姿をしている。

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山頂直下のオープンバーンは思った以上に雪消えが進んでいる。
山頂の少し手前にスキーをデポし、山荘から30分ほどで、岩山となっている乳頭山頂に到着。

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秋田駒ヶ岳はもちろん、八幡平、岩手山と360度のすばらしい眺望だが、先ほどまでは低い谷間を流れているだけだった雲が稜線を越え始めてきた。

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これは長居はできないと、すぐに滑降準備。
冬季の乳頭山頂直下はいつもシュカブラがひどく、またアイスバーンになりやすいということだったが、この気温と陽光で、今日は予想通りの全山ザラメ状態。
スキーデポ地点より少し下りたところから、山荘へ続く尾根の手前まで、ノートラックザラメの大斜面をノンストップでロングラン。
最高!

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ステップのままちゃちゃっと登り返して、ノートラックをもう一本。
これはたまらん、とまた登り返しているうちにガスが襲来、あっという間にこんな状況に。

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もし初めからこんな状態だったら、楽しさは半減どころではすまないだろう。
今度は、1本目のシュプールや登りのトレースを確認しながら慎重に滑り降りる。

大斜面の下、山荘からの登りに使った明瞭な尾根は、十分滑れる広さではあるものの、東側の沢の中を滑った方がはるかに楽しそう、というのが登りのときの観察結果。
ガスの切れ間に方向を確認し、沢の中の斜面をこれまた一気に滑り降りる。

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左方向にトラバースしていったん尾根上に戻り、山荘の位置を確認。
しかし、ここから下の沢の中も、BCクロカンで遊ぶのにおあつらえ向きの斜面になっている。
ガスはここまで下りてきておらず、明るくメロウな斜面が私を誘う。

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思わず滑り込み、ここでさらに3本楽しむ。
時間があれば、山荘側の尾根上から雪庇の弱点を狙って急斜面滑降など、ここはいろいろ遊べそうだ。

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山頂で休憩を取らずに滑り続けてきたので、腹ぺこだ。
山荘に戻って行動食をとる。
一息ついたら、孫六温泉への下り。
休んでいる間に山荘周辺もガスに覆われ、ゴーゴーと強風が吹き始めた。
こうなるとますます竹竿がありがたい。
この嵐で雪解けが進み、強風にもたたかれるであろうから、竹竿を深く差し直しながら往路を戻る。

登りのトレースとGPSを確認しながら、往路の尾根を慎重に下っていく。
ブナ林の広い尾根まで下れば、ガスは切れ、風も来ない。
ではここでまた何本か、と思ったのだが、午前中思いっきり緩んだザラメが天候急変でクラスト気味となり、なかなか難しい状態になっている。
これでは楽しくないので先に進む。

往路と同じ場所で沢を越え、夏道尾根に戻ったら、少し登り返して尾根上を滑ってみる。
ここはそこそこ滑れるが、快適というほどではない。
その先の小ピークの登り返しは回避し、右側をトラバース。
重くて潜る雪の急斜面に難儀しつつ、出発点に戻ってツアー終了。

ツアーの後は温泉。
孫六温泉「石の湯」は私一人の貸し切り状態。

右側が「石の湯」。左は「唐子の湯」
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「石の湯」の内湯と露天風呂
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ゆっくり汗を流し(といっても熱くて長湯はできなかったが)、霧雨の降り出した中を乳頭温泉バス停へと歩いて、14:30発のバスで田沢湖駅へ。
駅前で地ビールを飲み、新幹線の中で弁当を食べながらもう一本。
爆睡して19時過ぎにはもう東京着だ。
いやー、楽ちん。

天候が危ぶまれる中で計画したツアーだったが、紙一重で核心部を好天の下に楽しむことができ、下山後も含めて満足度の高い一日となった。
このパターンで日帰りツアーができるとなれば、北東北、今後も楽しめるゾ。
ふふふ。


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この記事へのコメント

Sakae
2013年04月13日 04:44
1980年頃、当時の歩くスキーを楽しんでいました。
昨年3月の退職を機に、歩くスキーを再開したところ、幅50mm長さ2mノーエッジダブルキャンバー(カザマ、ハイカントリー)を75mm3ピン革靴で歩いている人は皆無でした。厳冬期、重荷、痩せ尾根、ブッシュ帯、アイスバーン、急斜面、悪雪は手に負えませんが、3月4月の新潟長岡の日帰り守門大岳ならば最も快適に楽しめます。今はBCクロカンといわれていること初めて知りました。マズシャスVoss160-60-50-55を後継板に考えていますが、75mm3ピン革靴あるいは軽量柔軟プラブーツで強度が保てるか検討を楽しんでいます。長岡の用具店は金具が抜けると言っています。
Seki
2013年04月16日 08:11
Sakaeさん、コメントありがとうございます。
ノーエッジ板で守門に行っちゃうんですか!
すごいですね~。
金具の取付強度については分かりませんが、Voss、いいんじゃないでしょうか。
楽しみですね。

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