★2014.01.25 BCXC/東谷山~貝掛温泉
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
昨年に引き続いて、厳冬の東谷山に行ってきました。
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2014年1月25日 東谷山~貝掛温泉
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv6
<コースタイム>
8:25 二居
9:13~9:20 鉄塔
10:30~11:23 東谷山
12:45 貝掛温泉バス停
例年ならとっくにBCクロカンツアーをスタートしている時期なのに今年はなかなか行くことができず(立山は特別なので、除く)、じりじりしていた。
この週末も、25日土曜の夜にサッカーチームの新年会が入ってしまった。
チームの飲み会は、遅くまで続くのが通例。
翌日ツアーに出るのは辛いものがある。
どうしようかと考えているとき、新幹線利用でツアーに行き、帰りに新年会に直行する、ということを思いつく。
新幹線利用のツアーといえば、上越。
昨年良かった東谷山に行くことにする。
6:08東京発の新幹線から越後湯沢7:35発のバスに乗り継ぎ、8時過ぎには二居田代スキー場前に到着する。
去年は道路脇から旧スキー場ゲレンデをラッセルして登り始めたが、今回は二居の集落の中を歩いて北陸中部自然歩道の入口まで登る。
今日は家を出るときからツアー用のウエアを着て、BCクロカンブーツも履いてきた。
さらに、新幹線の中で日焼け止めを塗ったりと臨戦態勢を整えてある。
スキー(これもシールを貼ってある)をケースから出せば、すぐにも出発できる。
自然歩道入口で先に準備をされていた山スキーヤー氏が先行して登り始める。
私も少し遅れて出発する。
自然歩道にはしっかりしたトレースがある。
ほどなくして、上着を脱ぐため休んでいた山スキーヤー氏と入れ替わって私が前に出ると、トレースは表面が凍っており昨日のものと分かる。
つまり、今日は我々が一番手らしい。
昨日は1日晴れで、今日は前線通過直前の暖気の流入のため全国的に3月並の気温になるという予報である。
そのため、いかに北面を滑降するルートとはいえ、雪質を心配していた。
ところが、南面になる自然歩道も日陰の雪は思ったほどには悪くない。
何度かここに来ているという山スキーヤー氏と話すと、今日のような日でも北面の雪質は期待できるとのこと。
それはうれしい。
トレースは、自然歩道をところどころショートカットして、やや強引に急斜面を登っている。
道通りに登ってくれた方が歩きやすいんだけどなー、などと勝手なことを考えながらも、ラッセルするよりは良いのでトレースをたどり、出発から30分ほどで二居峠を通過。
ここから右手の尾根を登っていく。
やがて尾根の南東側に大きく雪庇が張り出すようになる。
緩やかな尾根を登っていくと、鉄塔に到着。
休憩を入れる。
ここでGPSを見てみると、軌跡が表示されていない。
軌跡ログがオフになっていた。
鉄塔から先、尾根は細くなり、斜度が増して本格的な登りとなる。
しばらく進むと、尾根がやせて斜度も最大となる核心部を迎える。
シール登高に慣れていない初心者だと苦労するかもしれない。
核心部を突破するといったん緩やかになるが、さらにもう一段急斜面がある。
そこを登り切ると、広くて明るいブナとカンバの林に出る。
ここはとてもいい雰囲気。
気持ちよく登っていくと、やがて広い東谷山頂に到着する。
息子と一緒に登り、シールトラブルもあった昨年は5時間もかかった登りだが、単独の今回は2時間ちょっとで来てしまった。
思ったよりずっと早く着いたので、山頂でのんびり過ごす。
天気は薄曇りで、遠望はきかないが、周辺の山々はばっちり望める。
なんといっても、白い平標と仙ノ倉の姿が良い。
しばらくすると、途中でビール休憩を入れてきたという山スキーヤー氏も到着。
山スキーヤー氏は毎週山に入られているようで、先週平標山に行ったら雪が少なく藪がひどかった、この時期にかぐらの第5リフトを動かされると中尾根を滑ってもすぐにゲレンデに着いてしまってつまらない、などなど色々お話を聞く。
道路開通前の尾瀬にMTBでアプローチする話も伺った。
私は、以前から興味があったものの道路が凍結して危ないんじゃないかというのが気になっていたのだが、路面はドライで問題ないとのことだった。
さて、体も冷えてきたので滑降に移ることにする。
たっぷり休んだが、それでも予定の新幹線に乗るのに十分すぎるくらいの余裕がある。
途中で適当な斜面があったら登り返して遊べるな、などと考えながら、まずは山頂部の緩斜面で感触を確かめる。
そしていよいよ、急斜面にドロップ。
山スキーヤー氏のお話のとおり、雪は昨日今日の気象条件を考えれば、かなり良い。
去年は雨が降った翌週だったので、堅い面の上に新雪が乗っている状態だったのだが、今回は底なしのディープパウダー。
状態としては、去年よりずっといい。
しかし、細いBCクロカンにはそこがかえって仇となる。
雪質も、北面のため良いとはいえ、やはり上越だし気温も高いので、さらさらとはいかない「しっとりパウダー」である。
常にスキーのトップを浮かすよう意識していないとダメで、ちょっとでも失敗するとスキーがズブズブと埋まって止まってしまう。
両スキーがばらけてしまうとまずダメ。
リードスキーは浮いていても、フォロースキーが埋まってついてこなかったり。
タイト・スタンスで両スキーを一本の板のように、と意識するが、微妙な斜面の変わり目や起伏などで雪に捕まってしまう。
一度沈み始めるとリカバリーはほぼ不可能で、スキーは止まるまで潜っていく。
立ったまま止まればまだいいが、たまに転んでしまうと脱出に一苦労。
立山で会心の滑りをして自信をつけていたのだが、やはりあれは諸条件が揃ったことによる「魔法」だったようだ。
がっくり。
一方、極太ロッカー板(だったと思う)を履いていた山スキーヤー氏は、高速ターンであっという間に視界から消えていった。
さすが熟練の士、という感じ。
あの太さの板には、今日のコンディションは最高だったんじゃないだろうか。
私の方は数ターンごとに止まって(埋まって)しまって牛歩状態だが、時折「おっ、決まった!」という瞬間もある。
登り返してもう一丁いこうかと振り返るが、この急斜面にヒザ上の深い雪では、さすがに登り返すのはしんどすぎる。
沢が落ち込む前の、稜線周辺の比較的緩やかな部分でしばらく遊んでから下りるべきだった、と反省。
沢の上部は広くてどこでも滑れるので、前日のシュプールも気にならずノートラック部分を滑っていけたが、下るにつれて次第に滑りやすい部分は絞られてきて、シュプールと交差しながら進むようになる。
さらに下って斜度が緩くなってくると、この細板ではあまり進まなくなってくる。
こうなるとシュプールはかえってありがたい。
下部緩斜面では地図上の林道を目指して左方向を意識しながら進み、最後は左のやや濃い林の中に踏み込んでいくと、明らかな切り開きに出た。
この林道を辿っていくと、やがて橋を渡り、その先に国道をくぐるトンネルがある。
トンネルの出入口の埋まり具合から、去年よりかなり雪が少ないことが分かる。
時期が去年より2週間ほど早いせいもあるかもしれないが、山スキーヤー氏が泊まった宿の人は、雪が去年の半分くらいしかないと話していたということだった。
いったんスキーを外してトンネルをくぐり、その先でまたスキーを履く。
わずかな下りで国道脇に出る。
去年はここでスキーを外して国道を歩いたのだが、今年は国道脇にシュプールが続いていた。
これをそのまま辿っていくと、国道から貝掛温泉に下りる道路脇に到着。
ツアー終了。
終了点はバス停のすぐ下だった。
ちょうど良い時間の到着になり、スキーをケースに入れたところにバスがきた。
予定よりもかなり早い下山で、駅前の共同浴場でのんびり温泉に浸かり、へぎそば屋でビールと地酒をゆっくり楽しんでも、まだ余裕がある。
結局、新幹線の時間を早めていったん帰宅してからサッカーチームの新年会に向かい、そこで二次会まで、またしこたま酒を飲んだ。
長くて楽しい一日だった。
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昨年に引き続いて、厳冬の東谷山に行ってきました。
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2014年1月25日 東谷山~貝掛温泉
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv6
<コースタイム>
8:25 二居
9:13~9:20 鉄塔
10:30~11:23 東谷山
12:45 貝掛温泉バス停
例年ならとっくにBCクロカンツアーをスタートしている時期なのに今年はなかなか行くことができず(立山は特別なので、除く)、じりじりしていた。
この週末も、25日土曜の夜にサッカーチームの新年会が入ってしまった。
チームの飲み会は、遅くまで続くのが通例。
翌日ツアーに出るのは辛いものがある。
どうしようかと考えているとき、新幹線利用でツアーに行き、帰りに新年会に直行する、ということを思いつく。
新幹線利用のツアーといえば、上越。
昨年良かった東谷山に行くことにする。
6:08東京発の新幹線から越後湯沢7:35発のバスに乗り継ぎ、8時過ぎには二居田代スキー場前に到着する。
去年は道路脇から旧スキー場ゲレンデをラッセルして登り始めたが、今回は二居の集落の中を歩いて北陸中部自然歩道の入口まで登る。
今日は家を出るときからツアー用のウエアを着て、BCクロカンブーツも履いてきた。
さらに、新幹線の中で日焼け止めを塗ったりと臨戦態勢を整えてある。
スキー(これもシールを貼ってある)をケースから出せば、すぐにも出発できる。
自然歩道入口で先に準備をされていた山スキーヤー氏が先行して登り始める。
私も少し遅れて出発する。
自然歩道にはしっかりしたトレースがある。
ほどなくして、上着を脱ぐため休んでいた山スキーヤー氏と入れ替わって私が前に出ると、トレースは表面が凍っており昨日のものと分かる。
つまり、今日は我々が一番手らしい。
昨日は1日晴れで、今日は前線通過直前の暖気の流入のため全国的に3月並の気温になるという予報である。
そのため、いかに北面を滑降するルートとはいえ、雪質を心配していた。
ところが、南面になる自然歩道も日陰の雪は思ったほどには悪くない。
何度かここに来ているという山スキーヤー氏と話すと、今日のような日でも北面の雪質は期待できるとのこと。
それはうれしい。
トレースは、自然歩道をところどころショートカットして、やや強引に急斜面を登っている。
道通りに登ってくれた方が歩きやすいんだけどなー、などと勝手なことを考えながらも、ラッセルするよりは良いのでトレースをたどり、出発から30分ほどで二居峠を通過。
ここから右手の尾根を登っていく。
やがて尾根の南東側に大きく雪庇が張り出すようになる。
緩やかな尾根を登っていくと、鉄塔に到着。
休憩を入れる。
ここでGPSを見てみると、軌跡が表示されていない。
軌跡ログがオフになっていた。
鉄塔から先、尾根は細くなり、斜度が増して本格的な登りとなる。
しばらく進むと、尾根がやせて斜度も最大となる核心部を迎える。
シール登高に慣れていない初心者だと苦労するかもしれない。
核心部を突破するといったん緩やかになるが、さらにもう一段急斜面がある。
そこを登り切ると、広くて明るいブナとカンバの林に出る。
ここはとてもいい雰囲気。
気持ちよく登っていくと、やがて広い東谷山頂に到着する。
息子と一緒に登り、シールトラブルもあった昨年は5時間もかかった登りだが、単独の今回は2時間ちょっとで来てしまった。
思ったよりずっと早く着いたので、山頂でのんびり過ごす。
天気は薄曇りで、遠望はきかないが、周辺の山々はばっちり望める。
なんといっても、白い平標と仙ノ倉の姿が良い。
しばらくすると、途中でビール休憩を入れてきたという山スキーヤー氏も到着。
山スキーヤー氏は毎週山に入られているようで、先週平標山に行ったら雪が少なく藪がひどかった、この時期にかぐらの第5リフトを動かされると中尾根を滑ってもすぐにゲレンデに着いてしまってつまらない、などなど色々お話を聞く。
道路開通前の尾瀬にMTBでアプローチする話も伺った。
私は、以前から興味があったものの道路が凍結して危ないんじゃないかというのが気になっていたのだが、路面はドライで問題ないとのことだった。
さて、体も冷えてきたので滑降に移ることにする。
たっぷり休んだが、それでも予定の新幹線に乗るのに十分すぎるくらいの余裕がある。
途中で適当な斜面があったら登り返して遊べるな、などと考えながら、まずは山頂部の緩斜面で感触を確かめる。
そしていよいよ、急斜面にドロップ。
山スキーヤー氏のお話のとおり、雪は昨日今日の気象条件を考えれば、かなり良い。
去年は雨が降った翌週だったので、堅い面の上に新雪が乗っている状態だったのだが、今回は底なしのディープパウダー。
状態としては、去年よりずっといい。
しかし、細いBCクロカンにはそこがかえって仇となる。
雪質も、北面のため良いとはいえ、やはり上越だし気温も高いので、さらさらとはいかない「しっとりパウダー」である。
常にスキーのトップを浮かすよう意識していないとダメで、ちょっとでも失敗するとスキーがズブズブと埋まって止まってしまう。
両スキーがばらけてしまうとまずダメ。
リードスキーは浮いていても、フォロースキーが埋まってついてこなかったり。
タイト・スタンスで両スキーを一本の板のように、と意識するが、微妙な斜面の変わり目や起伏などで雪に捕まってしまう。
一度沈み始めるとリカバリーはほぼ不可能で、スキーは止まるまで潜っていく。
立ったまま止まればまだいいが、たまに転んでしまうと脱出に一苦労。
立山で会心の滑りをして自信をつけていたのだが、やはりあれは諸条件が揃ったことによる「魔法」だったようだ。
がっくり。
一方、極太ロッカー板(だったと思う)を履いていた山スキーヤー氏は、高速ターンであっという間に視界から消えていった。
さすが熟練の士、という感じ。
あの太さの板には、今日のコンディションは最高だったんじゃないだろうか。
私の方は数ターンごとに止まって(埋まって)しまって牛歩状態だが、時折「おっ、決まった!」という瞬間もある。
登り返してもう一丁いこうかと振り返るが、この急斜面にヒザ上の深い雪では、さすがに登り返すのはしんどすぎる。
沢が落ち込む前の、稜線周辺の比較的緩やかな部分でしばらく遊んでから下りるべきだった、と反省。
沢の上部は広くてどこでも滑れるので、前日のシュプールも気にならずノートラック部分を滑っていけたが、下るにつれて次第に滑りやすい部分は絞られてきて、シュプールと交差しながら進むようになる。
さらに下って斜度が緩くなってくると、この細板ではあまり進まなくなってくる。
こうなるとシュプールはかえってありがたい。
下部緩斜面では地図上の林道を目指して左方向を意識しながら進み、最後は左のやや濃い林の中に踏み込んでいくと、明らかな切り開きに出た。
この林道を辿っていくと、やがて橋を渡り、その先に国道をくぐるトンネルがある。
トンネルの出入口の埋まり具合から、去年よりかなり雪が少ないことが分かる。
時期が去年より2週間ほど早いせいもあるかもしれないが、山スキーヤー氏が泊まった宿の人は、雪が去年の半分くらいしかないと話していたということだった。
いったんスキーを外してトンネルをくぐり、その先でまたスキーを履く。
わずかな下りで国道脇に出る。
去年はここでスキーを外して国道を歩いたのだが、今年は国道脇にシュプールが続いていた。
これをそのまま辿っていくと、国道から貝掛温泉に下りる道路脇に到着。
ツアー終了。
終了点はバス停のすぐ下だった。
ちょうど良い時間の到着になり、スキーをケースに入れたところにバスがきた。
予定よりもかなり早い下山で、駅前の共同浴場でのんびり温泉に浸かり、へぎそば屋でビールと地酒をゆっくり楽しんでも、まだ余裕がある。
結局、新幹線の時間を早めていったん帰宅してからサッカーチームの新年会に向かい、そこで二次会まで、またしこたま酒を飲んだ。
長くて楽しい一日だった。
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