★2014.03.22 BCXC/麦草峠

BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
まほろば倶楽部掲示板に、昨日志賀~野沢ルートに行ったことを書き込みましたが、3月3連休に初めての北八ヶ岳に行った記録をまだアップしていなかったので、そちらを先にアップします。

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2014年3月22日 小海町千代里林業センター~麦草峠

天候:晴れ
装備:Seki:(板)サルスティス(靴)Xadv6
   Seki Jr.:(板)EPOCH(靴)Excursion
<コースタイム>
8:50 小海町千代里林業センター(冬期通行止めゲート)
11:15 麦草峠
   (周辺滑降+昼食)
13:35 麦草峠
14:00~14:20 白駒池
15:00 国道
15:30 小海町千代里林業センター

3月の春分の日3連休は、家族で小海リエックスにやってきた。
1日目は家族4人でスキー場で滑っただけだったが、2日目は息子と2人で行動することが許可されたので、麦草峠に行ってみることにした。

北八ヶ岳は、私がテレマークを始めた80年代から、ヒールフリースキーの一大発信地だった。
私は、縁あって小海リエックスのある松原湖高原には時々来ていたので、かねてから一度スキーで北八ツに入ってみたいと思っていたのだが、今回ようやくそれが実現した。

北八ヶ岳はスキーに限らず冬山登山の入門コースとして大人気だが、ルートガイドや記録などはほとんどがピラタスロープウェーを利用した茅野側からのアプローチで、佐久側からのものはネットで探せば何とか見つかる、という程度しかない。
それでも、入山口になる国道299号線(「メルヘン街道」というすごい愛称がついている)の冬期通行止めゲート前には5台ほどの車が止まっていた。
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国道には、スノーモービル、スキー、スノーシューと、様々なトレースがあり、こちらからの入山者もそれなりにいるのだとわかる。
前日にはスキー場でも少し雪が降ったのだが、その新雪の上にも既にトレースがある。
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国道を歩き出すと、国道から下に広がるカラマツ林の樹間が広く、十分滑れそうである。
夏に来たときはスキーに向いていそうだという印象は持っていなかったのだが、雪で下草が隠れたせいだろうか、かなり良さそうな感じである。

国道はつづら折りに高度を上げていく。
トレースは正直に国道に沿って続いているが、私たちはショートカットしてカラマツ林の中を歩いて行く。
とてもよい雰囲気だが、本日の雪質はクラスト気味で、滑るにはやや厄介な感じである。
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やがて、ショートカットしていた斜面の植生がカラマツからシラビソに変わる。
シラビソの林は密で、一度は突破を試みるも断念。
カラマツ林に戻って車道に上がり、後は車道通りに登っていく。
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天気は快晴。
ここは無雪期にドライブしたことは何度もあり、やっぱり延々あの車道を歩かなければいけないのがこのルートの難だよな、と思っていたのだが、前日の雪で白く化粧した樹林が春の陽光で輝く中を歩くのは、なかなか気持ちがよく、楽しんで歩くことができる。
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白駒池入口の駐車場付近には、スノーモービルが何台か止まっていた。
その先にはモービルのトレースはない。
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少し進むと、メルヘン街道最高点に到達。
さらにそこからわずかで麦草ヒュッテの建つ麦草峠に出る。
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ヒュッテ前に広がる、「麦草苑地」と名付けられた広い笹原は、今は真っ白なオープンバーンとなっている。
ここは夏に夢想していた通りの光景。
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対面の茶臼山と縞枯山
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早速滑ることにする。
多少木がある上部は、締まった雪面の上にうっすら新雪が乗った滑りやすい雪だが、下部の完全なオープンバーンはややパック気味で、困難と言うほどではないが、上部から鼻歌交じりで気楽に滑ってくると、突然スキーが引っかかる。
このパターンで2度転倒。
注意するようになってからは大丈夫。

何本か滑ったら、休憩とする。
ヒュッテでビールとコーラを購入し、トイレを借りる。
ビールが飲めるのはgoodである。
ヒュッテでは食事も出しているが、私たちは持参のカップラーメンを食す。
快晴で、行動中は暑いといってウールのアンダーウエア1枚になっていたのだが、止まっていると風が相当冷たく、コンロなどの操作でグローブを外していると指がかじかむほどである。
さすが標高2000メートルであり、厳冬期の寒さがしのばれる。

それにしても、スキーヤーだけでなく、スノーシューのグループ、ボーイスカウトの小団体、さらには子連れのファミリーまで、ここは実に賑やか。
さすがは北八ヶ岳の中心地である。

食事を終えたら、再度オープンバーンをあちこち滑り回る。
夏に想像していたときは、一面真っ白な斜面は最高のロケーションだろうけれども、斜度は緩く距離もないので滑りはあまり楽しめないのではないか、と思っていたのだが、スキーはよく滑るし、長さもBCクロカンで上り下りして楽しむには悪くない。
横幅がかなりあるので移動しながらいろんなラインがとれるし、密な林間(雪質良好)に入って滑ってみたりと、意外と飽きずに楽しめる。
麦草峠で滑るだけじゃ物足りないだろうから、他にどこに足を伸ばそうか、と考えていたのだが、リサーチ不足でどこにいい斜面があるのかわからなかったこともあり、結局ずっと峠で滑っていた。

峠での滑りを十分に楽しんだら、白駒池に向かう。
白駒池への林の中の道は、ボブスレー状態。
迷う心配はない。
かなりスピードの出る部分もあったりして、結構楽しい。
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白駒池は、3月下旬でもまだ全面結氷。
完全フラットで締まった雪面はクロカンに最適。
私の「なんちゃってパスガング」でも結構走れて気持ちいい。
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さて、白駒池から車道への戻りは、またボブスレーコースを通って白駒池入口に下ればすぐなのだが、それでは何となく物足りない。
行きに車道を上っている最中に信濃路自然歩道経由で白駒池に登る入口を見ていたので、あそこへ下ってみようと思い立つ。

しかし、青苔荘のキャンプ地(ここも大変賑わっていた)から先は、トレースがない。
地図には登山道の表記があるが、切り開きらしきものも見つけられず、どこが道なのかわからず、濃い藪でなかなか踏み込めない。

そこで、湖面に戻って自然歩道の方向へ進み、GPSを頼りに湖畔の林の中に入っていくと、休憩所の東屋があった。
ここの前を自然歩道が通っているのはほぼ間違いないが、ここからの下り、どこが道なのかさっぱりわからない。
適当に方向を定めて下ってみたが、次第に藪が濃くなり、進退が窮まるほどになってくる。
私でもかなり厄介なくらいなので、息子はもっと苦労している。

無理矢理突っ込んだことを後悔し戻ろうかどうしようかと考えつつ、とりあえず最悪の状態を脱するため藪をかき分けて少しでも明るいところへと出ると、そこでひょっこり赤布を発見。
さらに先にも赤布は続いている。
どうやら道に出ることができたようで、一安心。

しかしこの先も、赤布があるからかろうじて道だとわかるものの、なければただの密林と思われるような中を進むことになる。
当然滑りを楽しむどころではなく、しかも結構急なところもあったりして、かなり苦労しながらの下りとなる。
仮に初めから道通しに来られたとしても、このルートは全くスキー向きではない。

なんとかかんとか滑り降り、ようやく車道に復帰。
ここから先は、車道をらくちん直滑降。
漕がないと進まないくらいの斜度かと思っていたが、この日の雪質ではかなりよく滑ってくれて本当に楽だった。

下部は、登りでショートカットに使ったカラマツ林の中を滑る。
やはり雪質がよくなく自在にターンを楽しめる状態ではなかったが、樹間は十分で、完全にザラメ化すれば、あるいは厳冬期の新雪だったなら、気持ちよく滑れるだろう。
通行止めゲートに戻ったら、ツアーは終了。

本日の収穫。
まず、既に十分知られていることだろうが、やはり北八ヶ岳はBCクロカンの好適地であると実感。
スノーハイク的な要素が中心となるが、ロケーションがすばらしい。

次に、佐久側アプローチも捨てたものではないことがわかったこと。
やはりロープウェー駅から近いところで、縞枯山荘を中心とした好スポットが集まる茅野側が有利なのかもしれないが、佐久側の車道アプローチもなかなかのものである。

そして、新たなBCクロカンスポット候補としての、国道沿いカラマツ林の発見。
厳冬期に、ゲートに車を駐めて、国道を歩きながら周辺のカラマツ林を滑りまくるというのは、かなりお手軽で楽しい遊びになりそうな気がする。
問題は、平年に今年ほど雪があるのかどうか。
聞いたところでは、2月の大雪では松原湖高原で一晩に人の胸まで没するほどの雪が積もったということであり、もしかすると、今年のカラマツ林がこれほどよい状態なのは異例なのかもしれない。
今度2月あたりに来る機会があったら、試してみたい。

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この記事へのコメント

na
2014年04月04日 13:42
昨日、池の平湿原に行った帰り、林道をはずして帰ろうとして、密生林(八ヶ岳ほどではありませんが)に苦戦したばかりということもあって、楽しく読ませていただきました。(笑)
実は、私も10年以上前にsekiさんとほとんど同じ白駒~国道間の密生林をノーエッジクロカンで悪戦苦闘したことがあります。以後、北八ヶ岳は短い板と決めています。白駒池から国道~八千穂方面へのルートとしては、もう少し東側の林道が池から林道へのアクセスも短く、楽しめます。今年は雪が多く、いつもは躊躇するところにも入れたので、新しい発見がありました。
なお、この雪の状態だと、国道が開通してから連休中ぐらいは、麦草峠から雨池へのスキーハイキングも楽しめるのではないかと期待しています。

下は10年ほど前、ひろさんたちを北八ヶ岳にご案内したときのもので、そのときのメンバーの方のページへのリンク(無断)です。
http://www.jotenki.com/ski04/yatsu.html
http://butchy.net/movies/kitayatsu_spring.htm
Seki
2014年04月04日 14:24
naさん、情報ありがとうございます。

林道に出れば十分な道幅があるのは分かっていたのですが、地図で見ると池から若干離れていたので、より近い自然歩道を目指したのが失敗でした。
途中で林道に転進できないかも考えましたが、密林に阻まれてとても不可能でした。

それと、池の平湿原からの下り、私も一度林道を通らずに降りてみたいと思ってたんです。
あそこも厳しいですか(笑)。
ma
2019年02月04日 22:05
はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいております。先日この記録を参考に小6息子のBCクロカンデビューを果たしてきました。ブッシュの上に新雪が20㎝ほど積もった程度でしたので、つづら折り区間のショートカット等は使えませんでしたが、白駒池、麦草峠峠と素敵な景色を堪能するとができました。

またこちらの記録UPを楽しみにしております。
Seki
2019年02月05日 08:36
maさん、コメントありがとうございます。
この記録を参考にBCクロカンデビューとは、うれしいです。
そういうお役に立てればというのがこのブログを始めた目的なので。
お次はもうちょっと雪も斜度もあるところということで、池ノ平湿原などはいかがでしょうか(今年は積雪量が心配ですが)。
もちろん密林ルートではなく林道ルートで(笑)。

私も新しい記録のアップをもう少し頑張ろうと思います。
私の息子はもう親父と遊びに行く歳ではなくなってしまったので、子連れツアーの記録は増やせませんけれども。

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