★2014.05.18 BCXC/笹ヶ峰~火打山

BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
というより、ご無沙汰しております、というべきですね。
5月から仕事が忙しくなり、更新が滞っていたところにサッカーワールドカップが始まってさらに時間がなくなり…。
ワールドカップはとっくに終わりましたが、そのままだらだらと長期間の空白を作ってしまいました。
しかしこのままこのブログを終わらせるわけにはいかないので、気合いを入れ直して再開したいと思います。

まずは、あまりにも遅れすぎて恥ずかしい限りですが、GW後のツアー記録をアップします。

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2014年5月18日 笹ヶ峰~火打山

天候:晴れ
装備:Seki(板)カルフ・サルスティス(靴)サロモン・Xadv7
    Seki Jr.(板)マズシャス・エポック(靴)ガルモント・エクスカーション
<コースタイム>
7:35 笹ヶ峰
8:46~8:54 黒沢の橋
10:37 富士見平
11:10~12:03 高谷池ヒュッテ
13:23~13:36 火打山
14:12~14:18 高谷池ヒュッテ
14:51 富士見平
15:39 黒沢の橋
16:38 笹ヶ峰

今回は息子と日帰りツアー。
第1候補は月山、次いで燧ヶ岳を予定していたが、あいにく東北は前線直撃。
天気が回復に向かっている妙高・火打山に変更。

私の初めてのツアーはTAJの火打山ツアーだった。
自力で行った初めてのツアーも、三田原山と火打山。
その後も、火打山と三田原山には何度も通った。
勝手が分かっていて安心感があったこともあって、ツアー経験の少なかった頃は妙高ばっかり行っているような感じだった。

ところが、もっといろいろなところを滑ってみようと、意識して他の山域に足を向けるようになると、逆に何度も滑っている妙高には全く行かなくなってしまった。
妙高杉ノ原スキー場の営業期間が短くなって、春の三田原山ツアーがしづらくなったことも影響している。

すばらしい斜面があることは分かっているし、BCクロカンを始めてからは、是非あらためてBCクロカンで滑ってみたいとも思っていた。
今回、天候の事情からの消去法的な選択ではあったが、念願がかなって20何年ぶりかの火打山ツアーが実現した。

前夜夕食を終えたら東京を出発し、途中のPAで仮眠。
明け方に妙高高原ICを降りると、車のガソリンの残量警告が点灯する。
睡魔と闘うのに必死で、ガソリンの残量まで全く気が回っていなかった。

6時前の妙高高原IC周辺は、とてもガソリンスタンドが営業しているような雰囲気ではない。
国道沿いのスタンドならもしかすると24時間営業かも、と思って行ってみるが、やはり閉まっている。
営業開始まで待つのはロスが大きすぎるし、笹ヶ峰までの往復なら何とかもつのではないかと考えていったんは山道を登り始めるが、万が一こんな所でガス欠になったら、と考えるとやはり不安になり引き返す。

カーナビで近くのガソリンスタンドを検索し、国道沿いで一番近い野尻湖畔のスタンドに電話すると、営業しているとのこと。
良かった。
行ってみると、24時間営業というわけではなく、単にオーナーのおじさんが早起きだったんで営業しているみたいな感じだった。

思ったよりは大きなロスにならずに済み、7:35に笹ヶ峰を出発。
登山口は木道が露出しており、スキーはザックに着ける。
まだ起ききっていないブナ等の枝がスキーに度々引っかかり、煩わしい。

出発早々から、息子のペースが非常に遅い。
意識してゆっくり歩いてやっても、まだ遅れてくる。
後続の人にどんどん抜かれる。
考えてみると、残雪の道をテレマークのプラブーツでこれだけ長く歩くのは初めてのことなので、それが影響しているのか。
途中で聞いて見ると、足の裏が痛いとのこと。
そりゃバックル締めすぎだよと、緩めさせる。

黒沢の橋を思っていたよりかなり遅れて通過。

黒沢の橋
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十二曲がりの急斜面を登り、雪の少ない尾根上のやや急な道をしばらく登る。
尾根が広がって斜度が緩み、雪の量も増えてきたところで、スキーを履く。
シールは着けずにステップで進む。
息子の足の裏の痛みは消えたようで、ペースも上がってきた。

黒沢の源頭部は足慣らしに好適と思われるコンディションで、一滑りしようかと心惹かれるが、予定が遅れ気味であることから我慢して進む。
ほどなく富士見平。
右手の三田原山の上部斜面の木々は霧氷で化粧していた。
雪もまだ十分あり滑ったら楽しそうだった。

黒沢岳をトラバースしたら、ほどなく高谷池ヒュッテに到着。
お約束のラーメンを作って昼食。

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息子のペースが遅かったおかげでもう12時になってしまった。
あんな調子だと火打山往復は時間的にも厳しいかも、と思い、息子にヒュッテの周辺の斜面で遊ぶか、火打山を往復するかどちらにするかと尋ねると、火打山がいいと言う。
こういう時、こいつは必ず楽じゃない方を選択する。
今までみたいなペースではダメ、タイムリミットを過ぎたら途中で下るぞ、と告げてヒュッテを出発する。

天狗ノ庭を横断し、本格的な登りにかかる。
ここは尾根通しに歩いた方が歩きやすいと思うのだが、トレースはいつも尾根の側面をショートカットして進むルートに付いている。
今日はあまり登りの上手くない息子が一緒なので、できれば急斜面をトラバースしながら登るのは避けたかったのだが、時間もあまりないのでショートカットルートのトレースをたどる。
すると、息子は思ったより遅れずについてくる。

尾根上に出ると、反対側のカール状斜面の状態がすばらしいが、残念ながら時間を気にせずここを滑るほどの余裕はなくなっている。
そのまま火打山へ向かう。
急斜面を電光型に登り、山頂に到着。
眺望は上々。
日本海も見える。
なのに、デジカメの液晶が壊れて映らない。
勘で構図を決めて撮影。
思ったより上手く撮れていた。

妙高山・三田原山
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日本海
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焼山
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さあ、シールを外して滑降である。
いつも感じるが、この無立木の大斜面は、本当に高度感がある。
はじめの頃は、この高度感で体が遅れがちになっていた。
なので、最初の数ターンはフォームをチェックしながら丁寧に滑る。

感覚がつかめたら、そこからは思いっきり滑る。
といっても、私は3/4エッジのサルスティスだし、テレマークでの本格的な山岳滑降は初めてと言ってよい息子が一緒なので、斜度のきつくないところを選びながら、飛ばしすぎないように滑る。
今日は雪質も良く、すばらしい斜面であるとあらためて思う。

私が初めてのツアーでこの斜面を滑ったときは転倒しまくったので、息子もさぞかし、と思って振り返ると、なんか普通にテレマークで滑っている。
今シーズンからテレマークターンの練習を始めて、5日間のゲレンデテレマークと、麦草峠をちょろっと滑っただけなのに。
最後のゲレンデテレマークだった正月には、ゲレンデだってまだ満足には滑れていなかったのに。
なぜ?
プラ靴と太板(といってもEPOCHだが、私が始めたときの細板よりははるかに太い)というのはそんなに威力があるのだろうか。
私が初ツアーで転びまくった頃には、少なくともゲレンデでは息子よりずっと上手く滑っていたのだが。

息子が転ばないおかげで、思ったよりスムーズに大斜面を滑り降りることができた。
往路を戻るのもつまらないので、天狗ノ庭から左手(東)の小尾根に登り、高谷池ヒュッテの北側の斜面を滑り降りて、ヒュッテに戻った。

ヒュッテからの下山では、周辺の斜面をうろうろして観察しながら進んだが、楽しそうな斜面が本当にそこらじゅうにある。
黒沢岳トラバースの斜面だって、滑ったらかなり面白そうであり、トラバースのトレースだけしか付いていないのが不思議なくらいだ(トラバースルートの上から不用意に滑るべきではないだろうが)。

たっぷり時間をかけてこのあたりで遊びまくったら、相当楽しいだろうと思う。
ゴールデンウイークを過ぎたこの時期に、まだこれだけのコンディションを保っているとは。
ここはやはり極上のスキーエリアであると再認識。
BCクロカンの視点で見るようになったことで、「見え方」が違ってきたということもあるのかもしれない。

黒沢岳トラバースを終え、富士見平に出る。
ここから往路を戻るとなると、またスキーを担いで雪の消えた道を下りなければならない。
憂鬱である。

来る前にチェックしていた築田博さんのウェブサイトに載っていた先週の記録では、富士見平までの往復に十二曲がりを使わず、その奥(西)の沢が使われていた。
地形図には表示がないが、芭蕉谷と呼ばれているらしい。
上で高谷池ヒュッテのスタッフの方とお話ししたときも、その芭蕉谷が登れるという話が出ていた。
スキーを外さずに下りられるなら、それに越したことはないが、築田さんの記録から1週間経った今日でも果たして雪がつながっているだろうか。

地形図とGPSを確認しながら、芭蕉谷の上部に出る。
少し下で、灌木が沢を遮るように頭を出している。
斜度もかなり急だ。
おそるおそる少しずつ下ってみると、どうやら雪はつながっているようである。
上で待たせておいた息子を呼び、ここを下ることにする。

急斜面をステップターンでこなしていると、途中転倒し私はまたしても滑落しかかる。
前回は足が下だったのに対し、今回は一時頭が下になって落ち始めたので緊張したが、灌木の枝を掴んで止まり、事なきを得る。
前回滑落時に学んだ、「BCクロカンで急斜面を無理に滑ってはいけない」という教訓を思い出し、そこからは横滑りを中心に下る。

それにしても、お話しをしたヒュッテのスタッフの方は、この芭蕉谷をステップ板でシールを貼らずに登ったとおっしゃっていた。
それもなかなかすごい話である(上の方の急斜面ではキックターンの時に滑落しそうになるということだったが)。

何とか芭蕉谷を下りきったら、うっすら残ったトレースをたどって夏道の方向へ進む。
雪はかなり少ない。
雪が残っていて藪が薄いところを選んで進んでいるうちに、気がついたら黒沢の橋が見えるところに着いていた。
もっと時間がかかり苦労するんじゃないかと思っていたので、拍子抜け。
少し登って、黒沢の橋への降り口で夏道に合流する。

黒沢の橋の先も、往路ではスキーを担いでいたところを、少ない雪を拾いながら強引にスキーで進む。
さすがにもう限界、というところでスキーを脱いだが、かなり下までスキーで下りられたことでだいぶ体力的には楽ができた。
スキーとしては全然楽ではなかったが。

久しぶりの妙高は、実に良かった。
今度は是非、たっぷり時間をかけてBCクロカンで滑りまくってみたい。
ただし、BCクロカンで行く場合は、雪質次第で大変難しくなったり危険になる可能性があるのでコンディションを読む力が必要なのと、高谷池ヒュッテまでの登下降に相応の技術が求められるため、上級者向けということになると思うので、ご注意を。

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この記事へのコメント

CIMA
2014年08月28日 19:56
おや、ニアミスでしたね。
私は17日に入山して、高谷池で一泊、18日に下山しました。
私もBCクロカンでしたよ。
Sekiさんラッキーですね、天気は18日の11時頃まで、ずっと曇りで私は火打を諦めました。帰りの黒沢岳の滑りは、まずまずでしたけどね。
いや本当、火打周辺はいいですね。また行きたいです。
Seki
2014年08月29日 08:46
CIMAさん
あんなにほったらかしにしていたのに早速ご覧頂き、ありがとうございます。

本当にお会いしていてもおかしくないタイミングでしたね。
山麓は朝から晴れていたので、山頂の天気が良くなかったとは知りませんでした。

黒沢岳の方もいいですよね。ステップ板向き。
私もまた泊まりで行きたいなー。

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