★2015.05.01~04 細革/GW白馬②(鑓温泉~猿倉/栂池~天狗原~蓮華温泉)
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
GW白馬ツアー2日目です。
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2015年5月2日 鑓温泉~猿倉/栂池~天狗原~蓮華温泉
天候:晴
装備:(板)BDポーラスター(靴)スカルパ・ビンソン
<コースタイム>
7:20 鑓温泉
8:35~8:45 小日向のコル
9:10 猿倉
(車移動)
11:02 栂池ロープウェイ山頂駅
12:44~12:47 天狗原
13:55 蓮華温泉
鑓温泉前の雪上にテントを張った初日の晩は、寒さで目が覚めることもなくよく眠れた。
単純に気温が高かったのか、それとも温泉のおかげで暖かいということもあるのだろうか。
起きたら、まず温泉に浮かべたボトルを取りに行く。
水を作るため昨晩雪を詰めて浮かべておいたものだ。
このために雪を詰めやすい広口のナルゲンボトルを準備してきた。
できた水をオプティパスに移してまた雪を詰め、再度温泉に浮かべておく。
ナルゲンボトルは熱伝導性が低いため融けるまで時間はかかるが、面倒で燃料を食う水づくりをしなくてよいのは助かる。
さて、本日の行動をどうするか。
計画では、まずは昨日来たルートを逆にたどり、清水谷右俣を滑って左俣を登り返し、そのまま旭岳まで登って北面を滑降、鉢ヶ岳のコルからトラバースで雪倉岳避難小屋まで、という予定だった。
しかし、稜線周辺の予想以上の寡雪のため、昨日来た道を戻るとすると、清水谷右俣の滑降点に出るまでに、スキーを付けた重いザックを背負って道のない不安定なザレをかなり下らなければならない。
もっと上からドロップするという手もあるが、傾斜は急と思われ、昨日大出原で大苦戦した記憶が鮮明なので、あまり気が進まない。
さらに沢の割れた部分の通過、旭岳や鉢ヶ岳のコル周辺の稜線付近の雪着きはどうかなども不安である。
まあ、全く不可能ということはないと思うが、よい条件ではないことは間違いない。
さらに、何かトラブルがあった場合にあまり人が多くなさそうなルートであるということも、単独の私には気になる。
気持ちは計画変更に傾く。
ではどう変更するか。
この快適な鑓温泉に定着するというのも惹かれるが、杓子沢や中央ルンゼは細革で今年の雪の状態では行く気が起きないので、もしここに定着するとすると、昨日の大出原と温泉周辺を滑るくらいしか思いつかない。
それも楽しいことは楽しいだろうが、せっかくのGWツアーとしては手応えに欠ける。
結局、いったん猿倉に下り、車で栂池に移動して、振子沢経由で蓮華温泉に行き、明日雪倉岳を滑ることにする。
計画を決めたら、動き出す。
空が明るみ出す中朝食を済ませ、しばらくすると、ご来光。
ご来光の瞬間は逃したが、この朝日を望みながらの朝風呂としゃれこもうと、入浴の準備をする。
急いで裸になったものの、今朝は昨夕よりお湯が熱くそのままでは入れないので、すっぽんぽんのままシャベルで風呂脇の雪をかき出して風呂に投入する。
自分の入る部分に雪を入れればとりあえず入れる。
絶景を眺めながらの温泉、これまた極楽気分である。
朝風呂を堪能したら、テントを撤収して下山する。
昨夕ぶかぶかだった雪は夜の間に締まっている。
鑓温泉直下は潜ってずれにくいやや難しい雪で、何度か転倒。
しかし、少し下るとずれにくさが解消し、滑りやすくなる。
調子に乗って湯の入沢を少し下りすぎてしまった。
湯の入沢からシールを貼って、小日向のコルに登り返す。
小日向のコルにはテントが数張。
この頃にはまた陽が燦々と照りつけるようになる。
小日向のコルからは、本格的な連休初日で続々と登ってくる人たちとすれ違いに滑り降りて行く。
縦溝があるため鼻歌交じりとはいかないが、ここまでの行程中では一番滑りやすいコンディション。
事前に調べた記録では、鑓温泉のツアーと言えば滑りのハイライトは大出原で、小日向のコルから下の滑りを詳しく書いているようなものはなかったので、行ってみるまでは下山のための通過点のようなイメージしか持っていなかったのだが、斜度も手頃で結構滑りが楽しめるルートだった。
猿倉の駐車場に戻ったら、休む間もなく栂池に向かう。
運転もテレマークブーツのまま。
こんなとき、ローカットの革ブーツは便利である。
下山してすぐに入山地に移動するなんてあまりないシチュエーションではあるが(笑)。
栂池は、GWでもスキーヤー・スノーボーダーでずいぶんと賑わっている。
ここは、登山届を提出しないとロープウェーのチケットを売ってくれないことを昨年学んでいる。
持参していた登山届の行程を書き換えて提出し、チケットを購入する。
ロープウェーの山頂駅から、天狗原へ登る。
強烈な日差しが堪えるが、登りの調子は昨日の大雪渓よりずっと良い感じ。
厳しさが違いすぎるので比較にならないか。
天狗原に着いてシールを外そうとすると、片方のシールのテールが剥がれかかり、そこに雪が詰まっていた。
このシールはコールテックスのCT40で、前回の平標山で、リキッドグルーを塗り直さずに昨シーズン使ったままの状態で使用し、途中で剥がれてしまったものだ。
今回は接着面を水とブラシで洗い、リキッドグルーを塗り直して来たのだが、1日でまた粘着力が落ちてしまったようだ。
CT40は吸盤のようなもので接着する構造で、原理上はグルー接着剤のような粘着力の低下はないとされているが、やはり経年劣化は避けられないのか。
購入から数年間は、剥がすときにびちーっとしっかり板にくっついており、貼り流しでもテールから剥がれてくる心配なんて全くなかったので、接着力の衰えは明白だ。
ツアーはまだ2日残っており、少し心配だ。
天狗原から、振子沢への下り口を探す。
地図を見ながらそれらしき方向へ進んでいくと、たくさんの赤布があった。
私がエントリーしたポイントは結構な急斜面で、昨日の大出原の嫌な記憶がよみがえり緊張するが、ここは雪が締まっており難なく滑り降りることができた。
やはり山の滑りは雪質次第でいかようにも変わるのである。
振子沢は急なのは上部だけで、そこを過ぎるとむしろ全般に緩やかな下りとなる。
大きなすっきりした沢をただ下る、というルートではなく、結構入り組んでいてわかりにくいところもあるが、ルート中にはたくさんのツアー標識や赤布が打たれているので、よほど視界が悪くない限りはそれをたどっていけるだろう。
ポピュラールートなので、標識や赤布だけでなく、先行者のシュプールもある。
途中から沢幅が狭くなってくるが、おそらくは慣れた人であろう先行者のシュプールは、沢底を通らず両岸の斜面を縫うようにうまく使って高度を落としていく。
最後は蓮華温泉に通じる林道に出て、そこからわずかで蓮華温泉に到着。
昨年下山途中に通った時にはテントは一つもなかったので、蓮華温泉でテント泊するような人は少ないのかと思っていたのだが、この日は既に多くのテントが張られていた。
私もその中に加わり、出入口から雪倉岳東面が望める場所にテントを張る。
テン場近くのトイレも使えるようになっており、快適なテン場だ。
昨年、道間違いで兵馬ノ平でテントを張ることになり、入ることができなかった蓮華温泉。
今年はリベンジを果たす。
内湯で汗を流した。いい湯だった。
湯上がりに雪倉岳を眺めながら飲んだビールも、また格別なのだった。
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GW白馬ツアー2日目です。
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2015年5月2日 鑓温泉~猿倉/栂池~天狗原~蓮華温泉
天候:晴
装備:(板)BDポーラスター(靴)スカルパ・ビンソン
<コースタイム>
7:20 鑓温泉
8:35~8:45 小日向のコル
9:10 猿倉
(車移動)
11:02 栂池ロープウェイ山頂駅
12:44~12:47 天狗原
13:55 蓮華温泉
鑓温泉前の雪上にテントを張った初日の晩は、寒さで目が覚めることもなくよく眠れた。
単純に気温が高かったのか、それとも温泉のおかげで暖かいということもあるのだろうか。
起きたら、まず温泉に浮かべたボトルを取りに行く。
水を作るため昨晩雪を詰めて浮かべておいたものだ。
このために雪を詰めやすい広口のナルゲンボトルを準備してきた。
できた水をオプティパスに移してまた雪を詰め、再度温泉に浮かべておく。
ナルゲンボトルは熱伝導性が低いため融けるまで時間はかかるが、面倒で燃料を食う水づくりをしなくてよいのは助かる。
さて、本日の行動をどうするか。
計画では、まずは昨日来たルートを逆にたどり、清水谷右俣を滑って左俣を登り返し、そのまま旭岳まで登って北面を滑降、鉢ヶ岳のコルからトラバースで雪倉岳避難小屋まで、という予定だった。
しかし、稜線周辺の予想以上の寡雪のため、昨日来た道を戻るとすると、清水谷右俣の滑降点に出るまでに、スキーを付けた重いザックを背負って道のない不安定なザレをかなり下らなければならない。
もっと上からドロップするという手もあるが、傾斜は急と思われ、昨日大出原で大苦戦した記憶が鮮明なので、あまり気が進まない。
さらに沢の割れた部分の通過、旭岳や鉢ヶ岳のコル周辺の稜線付近の雪着きはどうかなども不安である。
まあ、全く不可能ということはないと思うが、よい条件ではないことは間違いない。
さらに、何かトラブルがあった場合にあまり人が多くなさそうなルートであるということも、単独の私には気になる。
気持ちは計画変更に傾く。
ではどう変更するか。
この快適な鑓温泉に定着するというのも惹かれるが、杓子沢や中央ルンゼは細革で今年の雪の状態では行く気が起きないので、もしここに定着するとすると、昨日の大出原と温泉周辺を滑るくらいしか思いつかない。
それも楽しいことは楽しいだろうが、せっかくのGWツアーとしては手応えに欠ける。
結局、いったん猿倉に下り、車で栂池に移動して、振子沢経由で蓮華温泉に行き、明日雪倉岳を滑ることにする。
計画を決めたら、動き出す。
空が明るみ出す中朝食を済ませ、しばらくすると、ご来光。
ご来光の瞬間は逃したが、この朝日を望みながらの朝風呂としゃれこもうと、入浴の準備をする。
急いで裸になったものの、今朝は昨夕よりお湯が熱くそのままでは入れないので、すっぽんぽんのままシャベルで風呂脇の雪をかき出して風呂に投入する。
自分の入る部分に雪を入れればとりあえず入れる。
絶景を眺めながらの温泉、これまた極楽気分である。
朝風呂を堪能したら、テントを撤収して下山する。
昨夕ぶかぶかだった雪は夜の間に締まっている。
鑓温泉直下は潜ってずれにくいやや難しい雪で、何度か転倒。
しかし、少し下るとずれにくさが解消し、滑りやすくなる。
調子に乗って湯の入沢を少し下りすぎてしまった。
湯の入沢からシールを貼って、小日向のコルに登り返す。
小日向のコルにはテントが数張。
この頃にはまた陽が燦々と照りつけるようになる。
小日向のコルからは、本格的な連休初日で続々と登ってくる人たちとすれ違いに滑り降りて行く。
縦溝があるため鼻歌交じりとはいかないが、ここまでの行程中では一番滑りやすいコンディション。
事前に調べた記録では、鑓温泉のツアーと言えば滑りのハイライトは大出原で、小日向のコルから下の滑りを詳しく書いているようなものはなかったので、行ってみるまでは下山のための通過点のようなイメージしか持っていなかったのだが、斜度も手頃で結構滑りが楽しめるルートだった。
猿倉の駐車場に戻ったら、休む間もなく栂池に向かう。
運転もテレマークブーツのまま。
こんなとき、ローカットの革ブーツは便利である。
下山してすぐに入山地に移動するなんてあまりないシチュエーションではあるが(笑)。
栂池は、GWでもスキーヤー・スノーボーダーでずいぶんと賑わっている。
ここは、登山届を提出しないとロープウェーのチケットを売ってくれないことを昨年学んでいる。
持参していた登山届の行程を書き換えて提出し、チケットを購入する。
ロープウェーの山頂駅から、天狗原へ登る。
強烈な日差しが堪えるが、登りの調子は昨日の大雪渓よりずっと良い感じ。
厳しさが違いすぎるので比較にならないか。
天狗原に着いてシールを外そうとすると、片方のシールのテールが剥がれかかり、そこに雪が詰まっていた。
このシールはコールテックスのCT40で、前回の平標山で、リキッドグルーを塗り直さずに昨シーズン使ったままの状態で使用し、途中で剥がれてしまったものだ。
今回は接着面を水とブラシで洗い、リキッドグルーを塗り直して来たのだが、1日でまた粘着力が落ちてしまったようだ。
CT40は吸盤のようなもので接着する構造で、原理上はグルー接着剤のような粘着力の低下はないとされているが、やはり経年劣化は避けられないのか。
購入から数年間は、剥がすときにびちーっとしっかり板にくっついており、貼り流しでもテールから剥がれてくる心配なんて全くなかったので、接着力の衰えは明白だ。
ツアーはまだ2日残っており、少し心配だ。
天狗原から、振子沢への下り口を探す。
地図を見ながらそれらしき方向へ進んでいくと、たくさんの赤布があった。
私がエントリーしたポイントは結構な急斜面で、昨日の大出原の嫌な記憶がよみがえり緊張するが、ここは雪が締まっており難なく滑り降りることができた。
やはり山の滑りは雪質次第でいかようにも変わるのである。
振子沢は急なのは上部だけで、そこを過ぎるとむしろ全般に緩やかな下りとなる。
大きなすっきりした沢をただ下る、というルートではなく、結構入り組んでいてわかりにくいところもあるが、ルート中にはたくさんのツアー標識や赤布が打たれているので、よほど視界が悪くない限りはそれをたどっていけるだろう。
ポピュラールートなので、標識や赤布だけでなく、先行者のシュプールもある。
途中から沢幅が狭くなってくるが、おそらくは慣れた人であろう先行者のシュプールは、沢底を通らず両岸の斜面を縫うようにうまく使って高度を落としていく。
最後は蓮華温泉に通じる林道に出て、そこからわずかで蓮華温泉に到着。
昨年下山途中に通った時にはテントは一つもなかったので、蓮華温泉でテント泊するような人は少ないのかと思っていたのだが、この日は既に多くのテントが張られていた。
私もその中に加わり、出入口から雪倉岳東面が望める場所にテントを張る。
テン場近くのトイレも使えるようになっており、快適なテン場だ。
昨年、道間違いで兵馬ノ平でテントを張ることになり、入ることができなかった蓮華温泉。
今年はリベンジを果たす。
内湯で汗を流した。いい湯だった。
湯上がりに雪倉岳を眺めながら飲んだビールも、また格別なのだった。
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