★★2015.05.01~04 細革/GW白馬③(蓮華温泉~雪倉岳~蓮華温泉/蓮華温泉~天狗原~栂池

BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
Sekiです。生きてます。

事情の変化でしばらくブログを更新できず、さらにブログ自体の継続も危ういような状況になってしまい。

また、15~16シーズンは、時間は取れない雪はない、たまに行っても天気が悪いで、まともなツアーがほとんどできず、GWツアーすら断念してしまって、報告すべきものがありませんでした。

しかし、16~17シーズンは多少はツアーに行き、特にGWの乳頭温泉~秋田八幡平ツアーはできれば報告(自慢)したいなと。
それに15年のGWツアー報告が途中のままなのは何とも情けないので、ここで一念発起いたしました。

もう3シーズンも前の記録であり、今さらですが、15年GW白馬ツアー3日目・4日目です。

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2015年5月3日 蓮華温泉~雪倉岳~蓮華温泉

天候:晴
装備:(板)BDポーラスター(靴)スカルパ・ビンソン
<コースタイム>
5:48 蓮華温泉
6:15 兵馬ノ平
7:08~7:18 瀬戸川徒渉点
11:38~12:15 雪倉岳
12:55~13:11 瀬戸川徒渉点
13:44 兵馬ノ平
14:25 蓮華温泉

ゴールデンウイーク白馬ツアー3日目は、昨年も滑った雪倉岳。
計画では鉢ヶ岳側から登って山を越えるはずだったが、雪不足で蓮華温泉からの往復になった。
昨年は東面を滑っているので、今度はできれば北面を滑りたいと考え、早めに出発する。

早朝の堅い雪でステップソールのグリップはあまり良くないが、シールは着けずに歩き始める。
赤布の目印を追ってどんどん進むが、周りの景色にすぐに違和感を感じ始める。
去年こんなとこあったかな…。
それでも赤布は続いているのでGPSを確認する手間を惜しんで進むと、進むべき東方向が尾根側面の斜面に遮られる。
ここで、これは明らかにおかしいと確信し、地図とGPSを確認すると、野天風呂めぐりのルートに入ってしまっていたことが分かる。
こんな所でルートミスとはなんというまぬけか。
すぐに転進し、正しいルートに戻る。

一つ尾根を回り込むと、見覚えのある緩やかな疎林に出る。
昨年は、雪倉岳を下ってトラバースルートでここまで来て、蓮華温泉と反対方向に赤布を追って兵馬ノ平に下ってしまったのだった。
ということで、瀬戸川への下降点に出るには、ここから高度を落とさずに行くトラバースルートと、いったん兵馬ノ平に降りて登り返すルートの2つがある。
昨年、疲れた体で延々歩いたトラバースルートの印象が悪かったので、今回は兵馬ノ平経由で行ってみることにする。

兵馬ノ平への下りは、緩やかなブナ林で細革にはおあつらえ向き。
兵馬ノ平に降りて赤布を追っていくと、懐かしい昨年のテントサイトに出る。
ここから登り返しになる。

取り付き部分の数メートルはちょっと急なのだが、地図を見ると、その先の傾斜は緩く、ステップでも登れそうである。
シールは着けずに、階段登高なども交えて取り付きの急な部分を越えると、やはり緩やかな斜面が広がっている。
が、斜面を見上げるとだんだん斜度がきつくなっていて、上部は明らかにシール向きの斜度に見える。
ちょっと迷うが、まあいいや行けるところまで、とステップのまま登り始める。

案の定、次第にステップで登るのは辛くなってくる。
しかし、下降点まではもうそれほど距離は残っておらず、ここでシールを着けてすぐにまた剥がして、というのも面倒なので、そのまま斜登高で登り切った。
まあ、ここは素直に兵馬ノ平でシールを着けて、直登でガンガン登った方が早かったかもしれない。

瀬戸川が見下ろせる尾根に着くと、雪さえつながっていれば下降点になりそうな所があちらこちらにあって、実際赤布もあったりするのだが、雪がつながっていない。
下降できそうなところを探しながら尾根伝いに登っていくと、登り切ったところでようやく雪がつながる。
そこはトラバースルートとの合流点で、去年瀬戸川から登り上げたのもここだった。

ここで、トラバースルート経由で来たパーティーいくつかと出会い、周りに少し人が増える。
瀬戸川まではひと滑り。
稜線周辺はあんなに雪が少なかったのに、瀬戸川徒渉点は昨年同様完全に雪に埋まっており、全く問題ない。

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瀬戸川に降りたら、シールを装着し、いよいよ本格的な登りとなる。
ここで、一組のテレマークのカップルが先行し、そのトレースを追わせてもらうが、これがなかなか良いペースで引っ張ってくれる。
急斜面に入っても、結構な急角度の斜登高でぐいぐい登っていく。
見れば、トップを歩いているのは女性の方だ。
女性でこういう登り方をする人はあまり見たことがなく、感心する。

瀬戸川徒渉点正面の急斜面を登り切ると、いったん板を外して一つ尾根を乗り越し、雪倉ノ滝の上の斜面に移る。
ここで板を外したとき、昨日の天狗原でのように、シールのテールが剥がれかかっているのを発見する。
とりあえず、剥がれが広がってしまうことなく登れているので良いが、もし雪倉の北面を滑るとなると、滑り降りた後にまた結構きつい登りがある。
そこでシールトラブルが悪化したりすると、かなり厄介なことになる。
この時点で、北面は回避し、ちょっと残念だが東面往復とすることに決める。

さて、ピークまでの登りはまだまだ続く。
淡々と沢状の斜面を登っていく。
ペースはなかなか快調で、初日の大雪渓の辛さが嘘のようだ。
あれはやはり体力の問題というより、寝不足が響いていたのだろうか。

やがて、1850mあたりで、一段と傾斜が強まり、沢が狭まるノドのような部分になる。
ここはアイゼンに履き替える。
アイゼン登高でも快調に急斜面を登り切ると、再びスキーを履く、

ここから調子はさらに上がり、直登でガンガン登っていく。
だんだん斜度が上がってきて、直登の限界に近づいてくるが、ペースを崩してしまうのが惜しいので、そのまま機械のように登っていく。

私以外の人は斜登高を交えながら左方向に回り込み、東面の滑降ラインを登るルートをとっているが、私は正面のハイマツ帯まで登り切り、そこから東面の滑降ラインよりもやや斜度が緩く直登で登れそうな北面寄りの斜面に回り込んで登っていった。
ハイマツ帯の脇を登っていると、2羽の雷鳥と遭遇する。

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最後は北面側から緩やかな斜面を登っていくと、雪倉岳に到着。
ピークはなかなかの賑わい。

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周囲の稜線の雪の少なさは一目瞭然。
2日目に山越えの計画を断念した旭岳も、やはり北西の尾根の雪は消えていた。

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旭岳
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そんな中でも、この雪倉岳は積雪十分。
待望の大滑降は、フィルムクラストもあった昨年とは比ぶべくもないが、今回の山行の中では、比較的縦溝もひどくなく、一番の快適度。
山を越えて北面を滑ってやろうという当初の計画からすると、昨年と同じ東面で、しかも往復ルートで、という残念な部分もあったのだが、いざ滑り出せばそんなことは関係なく、やっぱり非常に楽しい好ルートであることに変わりはないのである。

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しかも、昨年は上部のフィルムクラストの絶好コンディションから一変して、中盤以降は激重のど腐れ雪となってまともにターンもできないような状況になり、半ば苦行のような下りになってしまったのだが、今回は縦溝こそあるものの、雪質自体は割と滑りやすいザラメで、去年あれだけ苦しんだ斜面も楽しく滑ることができる。
結局、瀬戸川徒渉点まで、難しいと感じるようなコンディションに出会うことはなかった。
ルート全体を楽しめたという点では、昨年より今年の方が優る結果となった(それでもどちらをとるかと言われれば、あのフィルムクラストの大斜面を滑る快感の方を選ぶかと思うが)。

去年ヘロヘロだった瀬戸川手前の最後の急斜面。ここも今年は楽しめた
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瀬戸川徒渉点からも、行きと同じルートを戻る。
兵馬ノ平に降りる直前に、行きには気づかなかった水芭蕉の群落を見つける。

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テントに帰り着き、今日も雪倉岳を眺めながらの乾杯となった。

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2015年5月4日 蓮華温泉~天狗原~栂池高原スキー場

天候:曇り
装備:(板)BDポーラスター(靴)スカルパ・ビンソン
<コースタイム>
5:43 蓮華温泉
8:37 天狗原
9:40 栂池高原スキー場ゴンドラ山頂駅

GWツアー最終日。

昨日の下山後も入浴は内湯だったので、帰る前に露天風呂にも入っておこうかと行きかけたが、雨がポツポツ降り始めたので取りやめる。
しかしその後本降りにはならず、食事をしてテントを撤収するときには止んでいた。

今日は天狗原に登ってスキー場まで下るだけ。

出発時は雨の降り出しそうなどんよりした曇り空だったが、振子沢を登るうちに明るくなり、一時は青空も覗いた。

振子沢の上部は急斜面で、登るのは結構難儀。
左手の尾根に登り上げ、尾根をたどって行くと、やがて天狗原のヘリポートに着いた。

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天狗原まで登ってしまえば今日はもう終わったも同然と思っていたが、天狗原からの下りはガスの中となる。
雪質も思いの外厳しく、転倒を繰り返す。
あーみっともない、ガスってて良かった。

ロープウェー山頂駅付近まで下ってくると、ガスは晴れてきた。
林道を下る頃には、先ほどまでが嘘のような晴れとなる。
春の陽光の下、ゴンドラ山頂駅に滑り着き、ツアーを終えた。

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この記事へのコメント

hd
2017年12月09日 23:25
復活おめでとうございます。
丁度この日に雪倉山頂ですれ違いましたテレマークの者(白馬山荘泊)です。

私、この時は栂池のバスに乗るために11:45に滑り始めてしまいまして、同じ場所に滞在していたのは7分間だけだったようですね。その時は一言二言交わした記憶もありますが、覚えていらっしゃらないでしょうねえ その時はSeki様の装備を拝見し、自分ももっと軽い装備で来れば良かったな・・・と思った記憶があります。

確かにこの時は雪の少ない年でした。

こちら丁度6年前からBCクロカンも使っておりまして、埼玉在住ながら白馬中心に自己流で楽しんでおります。Seki様のブログも3年程前に見つけました。
BCクロカンの記事情報など楽しみにしております。これからも頑張って下さい

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