★2018.03.31~04.01 BCXC/上信国境越え①(土樽~清水峠)
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
土樽から入って新潟・群馬県境を越え宝川温泉に下るという、国境越えツアーに行ってきました。
BCクロカンでのツアーとしては、私にとってこれまででいちばんハードなルートです。
が結論として、このルートをBCクロカンで行くことはお勧めできません。
そのあたり詳しくは2日目の報告で書きますが、まずは1日目から。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2018年3月31日 土樽~清水峠
天候:晴
装備:(板)ロシニョール・BC70(靴)Xadv7
<コースタイム>
8:40 土樽駅
10:40 尾根取付
12:35~12:40 国境稜線
14:00~14:10 七ッ小屋山
14:25~14:35 清水峠下1380m点
14:50 清水峠(白崩避難小屋)
前回の紙すき山牧場ツアーから1か月。
ようやく次のツアーの機会がめぐってきた。
今シーズンはツアーの回数が少ない分、今回は土日2日間を確保。
私にとってこの時期には珍しい泊まりのツアーを計画する。
初めての踏破時に、次はぜひテント泊で、と感じた志賀~野沢ルート(① ②)などいくつかの候補の中から、以前より関心を持っていた朝日岳ナルミズ沢に照準を定める。
次に、どこから入山してどこに泊まるかを考える。
はじめは、白毛門に登ってウツボギ沢滑降~宝川出合テント泊、を考えたが、今期の異常な融雪スピードのため白毛門の登りが悪い心配がある。
しかし、宝川温泉から入山して宝川出合泊、というピストンルートはどうも面白味に欠ける。
色々調べて、清水峠避難小屋が泊まりに使えることが分かり、土樽~蓬峠~清水峠~朝日岳、という上信国境越えルートに決めた。
以前から蓬峠にも行ってみたいと思っていたので、ちょうど良いということもあった。
2日間とも天気が良く気温が高いことが予想されたので、雪面が堅くなくてナルミズ沢の斜度ならBCクロカンでもこなせるだろうと考え、BCクロカンで行くことにする。
板は、これまで重荷の泊まりツアーでは尺のあるクナイスル・ツアーライト59を選択してきたが、今回はロシニョールBC70を試してみる。
始発の新幹線で越後湯沢に到着後、コンビニで行動食を調達するなどして時間をつぶし、水上行きの上越線で土樽に向かう。
土樽駅には登山届用のポストがあった。
今シーズンの3月は記録的な暖かさで、ネットでは山の雪解けもかなり進んでいるという情報が伝えられている。
土樽から歩いて蓬沢に向かうが、やはり雪は少ないようで、車両通行止めのゲートの先も除雪が進んでいる。
除雪されていない林道に入ってからも、しばらくは雪は切れぎれスキーは使えない。
ようやく雪がつながるようになると、今度は杉の落葉が雪面を覆い尽くしている。
こんなところをスキーで歩いたらあっという間に滑らなくなってしまう。
なおもスキーはケースに入れたまま、杉林の中を歩いて行く。
時折足が潜ってうっとうしい。
やがて雪面がややきれいになってきたところでスキーを履く。
滑走面の汚れ防止と、割と斜度のある林道だったため、はじめからシールを貼る。
スキーを履いて歩き出してから少し進んだところで、単独の山スキーヤーが下りてくる。
こんな時間に上から下りてきたとは思えないので、嫌な予感がする。
挨拶し、どちらから、と尋ねると、蓬峠に行こうと思ったが、尾根に取り付くところで沢が割れていたので引き返してきた、と。
無理無理行けなくもなかったが、帰りがやばそうなのでやめた、とのこと。
やっぱり。
実は、この林道は雪解けが進むと通過できないことがある、というネット情報もあったので、ちょっと心配していた。
さてどうするか。
今なら引き返してかぐら辺りに転進するという手もあるし、あるいは宝川温泉に回って入山しテン場までなら、行けるかもしれない。
しかし、私は縦走で帰りの心配をする必要はないんだから、無理無理でも行けるのであれば行ってしまえばいい。
現地を見てこれはダメだとなれば諦めもつくが、行けるかもしれないのにやめてしまうのは気持ち悪い。
なので続行と決める。
ルートは蓬沢の右岸を進む。
1か所沢沿いの雪が崩れていて通過できないところが出てくるが、ここはスキーを履いたまま小さく高巻く。
土樽駅前出発から2時間ほどで件の尾根取付に到着。
沢が二俣に分かれており、その間が登りの尾根となっている(左俣は地形図上には水線がない)。
辺りの沢は割れている。
私のいる右岸から左俣に1か所だけ薄いスノーブリッジが残っているが、渡った先が雪壁に近い急斜面になっている。
周辺を歩き回って観察するが、ここを突破するしか方法はないようだ。
楽勝とは言えないが、それほど通過困難という感じでもない(たしかに、往復ルートで帰りにこのスノーブリッジが落ちていたらかなり厄介だろうが)。
スキーを脱ぎ、ツボ足でそろりそろりとブリッジを渡って、対面の雪壁を4つん這いで登る。
雪壁といっても短いので、無事通過し、尾根を回り込むと開けた河原に出る。
尾根は明るく緩やかな登り。
雪庇の出ている尾根を登っていくと、やがて広いブナ林となる。
そして、足拍子岳へとつながる稜線の直下は、よく写真で見るオープンバーン。
ここはBCクロカン遊びに適しているのではないかと以前から注目していた。
思っていたとおりの好斜面だ。
しかし、これもまた予想通り、アプローチが長かった。
厳冬期でラッセルがあったら、尾根に取り付くまでにかなりかかるだろう。
気軽に遊びに来られる感じではなさそうで残念。
そして今回、計画ではここで1本滑って登り返すつもりだったが、例の尾根取付の通過などで思ったより時間を食ってしまったし、初めてのルートでこの先も見通しがきかないので、滑らずに先に進むことにする。
稜線に上がるところには小さな雪庇(というほどでもないか)ができている。
国境稜線に合流するまでの稜線上は緩やかな登り。
蓬峠の北、1544mのジャンクションピークで国境稜線に出る。
国境稜線は雪が薄くなっており、随所に夏道が出ている。
記憶が曖昧だが、たしかジャンクションピークからシートラーゲンしたように思う。
稜線を進んでいる途中で振り返ると、谷川岳が目に入る。
手前にはシュプールのついた芝倉沢が見える。
様子がよくわかる。
さらに進んで七ッ小屋山が近づいてくると、右手遠くに清水峠の鉄塔が確認できた。
峠の手前には緩やかな真っ白い斜面が広がっている。
あそこを滑れるんじゃないだろうか。
七ッ小屋山に着くと眺望がすばらしい。
土樽から入って新潟・群馬県境を越え宝川温泉に下るという、国境越えツアーに行ってきました。
BCクロカンでのツアーとしては、私にとってこれまででいちばんハードなルートです。
が結論として、このルートをBCクロカンで行くことはお勧めできません。
そのあたり詳しくは2日目の報告で書きますが、まずは1日目から。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2018年3月31日 土樽~清水峠
天候:晴
装備:(板)ロシニョール・BC70(靴)Xadv7
<コースタイム>
8:40 土樽駅
10:40 尾根取付
12:35~12:40 国境稜線
14:00~14:10 七ッ小屋山
14:25~14:35 清水峠下1380m点
14:50 清水峠(白崩避難小屋)
前回の紙すき山牧場ツアーから1か月。
ようやく次のツアーの機会がめぐってきた。
今シーズンはツアーの回数が少ない分、今回は土日2日間を確保。
私にとってこの時期には珍しい泊まりのツアーを計画する。
初めての踏破時に、次はぜひテント泊で、と感じた志賀~野沢ルート(① ②)などいくつかの候補の中から、以前より関心を持っていた朝日岳ナルミズ沢に照準を定める。
次に、どこから入山してどこに泊まるかを考える。
はじめは、白毛門に登ってウツボギ沢滑降~宝川出合テント泊、を考えたが、今期の異常な融雪スピードのため白毛門の登りが悪い心配がある。
しかし、宝川温泉から入山して宝川出合泊、というピストンルートはどうも面白味に欠ける。
色々調べて、清水峠避難小屋が泊まりに使えることが分かり、土樽~蓬峠~清水峠~朝日岳、という上信国境越えルートに決めた。
以前から蓬峠にも行ってみたいと思っていたので、ちょうど良いということもあった。
2日間とも天気が良く気温が高いことが予想されたので、雪面が堅くなくてナルミズ沢の斜度ならBCクロカンでもこなせるだろうと考え、BCクロカンで行くことにする。
板は、これまで重荷の泊まりツアーでは尺のあるクナイスル・ツアーライト59を選択してきたが、今回はロシニョールBC70を試してみる。
始発の新幹線で越後湯沢に到着後、コンビニで行動食を調達するなどして時間をつぶし、水上行きの上越線で土樽に向かう。
土樽駅には登山届用のポストがあった。
今シーズンの3月は記録的な暖かさで、ネットでは山の雪解けもかなり進んでいるという情報が伝えられている。
土樽から歩いて蓬沢に向かうが、やはり雪は少ないようで、車両通行止めのゲートの先も除雪が進んでいる。
除雪されていない林道に入ってからも、しばらくは雪は切れぎれスキーは使えない。
ようやく雪がつながるようになると、今度は杉の落葉が雪面を覆い尽くしている。
こんなところをスキーで歩いたらあっという間に滑らなくなってしまう。
なおもスキーはケースに入れたまま、杉林の中を歩いて行く。
時折足が潜ってうっとうしい。
やがて雪面がややきれいになってきたところでスキーを履く。
滑走面の汚れ防止と、割と斜度のある林道だったため、はじめからシールを貼る。
スキーを履いて歩き出してから少し進んだところで、単独の山スキーヤーが下りてくる。
こんな時間に上から下りてきたとは思えないので、嫌な予感がする。
挨拶し、どちらから、と尋ねると、蓬峠に行こうと思ったが、尾根に取り付くところで沢が割れていたので引き返してきた、と。
無理無理行けなくもなかったが、帰りがやばそうなのでやめた、とのこと。
やっぱり。
実は、この林道は雪解けが進むと通過できないことがある、というネット情報もあったので、ちょっと心配していた。
さてどうするか。
今なら引き返してかぐら辺りに転進するという手もあるし、あるいは宝川温泉に回って入山しテン場までなら、行けるかもしれない。
しかし、私は縦走で帰りの心配をする必要はないんだから、無理無理でも行けるのであれば行ってしまえばいい。
現地を見てこれはダメだとなれば諦めもつくが、行けるかもしれないのにやめてしまうのは気持ち悪い。
なので続行と決める。
ルートは蓬沢の右岸を進む。
1か所沢沿いの雪が崩れていて通過できないところが出てくるが、ここはスキーを履いたまま小さく高巻く。
土樽駅前出発から2時間ほどで件の尾根取付に到着。
沢が二俣に分かれており、その間が登りの尾根となっている(左俣は地形図上には水線がない)。
辺りの沢は割れている。
私のいる右岸から左俣に1か所だけ薄いスノーブリッジが残っているが、渡った先が雪壁に近い急斜面になっている。
周辺を歩き回って観察するが、ここを突破するしか方法はないようだ。
楽勝とは言えないが、それほど通過困難という感じでもない(たしかに、往復ルートで帰りにこのスノーブリッジが落ちていたらかなり厄介だろうが)。
スキーを脱ぎ、ツボ足でそろりそろりとブリッジを渡って、対面の雪壁を4つん這いで登る。
雪壁といっても短いので、無事通過し、尾根を回り込むと開けた河原に出る。
尾根は明るく緩やかな登り。
雪庇の出ている尾根を登っていくと、やがて広いブナ林となる。
そして、足拍子岳へとつながる稜線の直下は、よく写真で見るオープンバーン。
ここはBCクロカン遊びに適しているのではないかと以前から注目していた。
思っていたとおりの好斜面だ。
しかし、これもまた予想通り、アプローチが長かった。
厳冬期でラッセルがあったら、尾根に取り付くまでにかなりかかるだろう。
気軽に遊びに来られる感じではなさそうで残念。
そして今回、計画ではここで1本滑って登り返すつもりだったが、例の尾根取付の通過などで思ったより時間を食ってしまったし、初めてのルートでこの先も見通しがきかないので、滑らずに先に進むことにする。
稜線に上がるところには小さな雪庇(というほどでもないか)ができている。
国境稜線に合流するまでの稜線上は緩やかな登り。
蓬峠の北、1544mのジャンクションピークで国境稜線に出る。
国境稜線は雪が薄くなっており、随所に夏道が出ている。
記憶が曖昧だが、たしかジャンクションピークからシートラーゲンしたように思う。
稜線を進んでいる途中で振り返ると、谷川岳が目に入る。
手前にはシュプールのついた芝倉沢が見える。
様子がよくわかる。
さらに進んで七ッ小屋山が近づいてくると、右手遠くに清水峠の鉄塔が確認できた。
峠の手前には緩やかな真っ白い斜面が広がっている。
あそこを滑れるんじゃないだろうか。
七ッ小屋山に着くと眺望がすばらしい。
谷川岳
そして、七ッ小屋山からあらためて清水峠方面を観察する。
問題はあの緩やかなオープンバーンに向かうドロップポイントの斜度だと思っていたが、七ッ小屋山の少し先からドロップすればそれほどの斜度はなく、BCクロカンでも行けそうだ。
鉄塔手前の谷の深さがよくわからないのが気になるが、通過不能ということはないだろう。
台地状のメローバーンを滑り、谷をトラバースして鉄塔下の尾根の疎林に滑り込んで、清水峠に登り返せば良い。
七ッ小屋山先のドロップポイントから、稜線通しに行く場合のルートを見てみると、尾根は細く、滑れそうにない。
やっぱり下を行った方がいい。
シールを外して、今日初めての滑り。
長時間シール歩行を続けたあとは、急に滑るようになったスキーについて行けず体が遅れてしまいがち。
しかも今回は荷物も重い。
そこそこ斜度もあり、緊張しながら慎重に滑り出すが、最初の2~3ターンが決まればもう大丈夫。
いい感じのザラメで、気持ちが良い。
その先は無立木のメローバーン。
ここをシューっと飛ばしていくのも実に爽快。
心配していた谷も問題なく、目指した鉄塔下の疎林に滑り込んだ。
狙い通りの会心の滑り。
実は、今回参考にした菊池哲男編「スキーツアー」(ROCK & SNOW BOOKS、山と渓谷、2001年。この本のルートガイドはとても良い)では、七ッ小屋山から七ッ小屋沢または七ッ小屋前沢(地形図に表記なし)を滑り降り、湯桧曽川の沢通しに清水峠の下まで進んで峠に登り返す、というルートが紹介されていて、それも頭にあった。
しかし、湯桧曽川の谷は深く、融雪の進んだあの谷に入るのは不安だ。
また七ッ小屋山からまっすぐ湯桧曽川に向かう斜面は斜度があってBCクロカン向きではなさそうな上に、あちこちに灌木が出てきていて雪がしっかりつながっているのかどうかも確認できない。
それで、これは稜線通しに行くしかないかなと思っていたのだが、思わぬ好ルートを滑ることができて良かった。
あとは鉄塔に向けて登り返し、途中からトラバースして清水峠に出た。
おお立派な避難小屋だなあと思ったら、
避難小屋はこっちだった。そりゃそうだよね。
小屋には3人パーティーと4人パーティーが先着しており、さらに後から3人パーティーと2人パーティーが到着して、大盛況となった。
一人で使えるくらいじゃないかと思っていたので、びっくりした。
他のパーティーは全て白毛門からの縦走で、スキーは私一人だった。
到着後、まだ時間があったので、峠のすぐ下の斜面に滑りに行く。
そこそこの斜度があるが、ウロコで登り返すことができる。
BCクロカン遊びにはうってつけの斜面。
ここで3本滑って締めくくる。
今日は登りの時間が長かったが、最後には結構滑りも楽しめて、なかなか楽しい1日だった。
※
ところで、地形図を眺めながらルートの検討をしていると、清水峠に国道が通っているのに気づいた。
この国道291号、まるで林道のような、およそ国道とは思えないライン取りで、しかも新潟側の変なところで途切れている。
何なんだろう。
でも、しっかりした道があるなら七ッ小屋山から湯桧曽川まで下らなくてもこの国道をたどって清水峠まで歩けるのではないかと、「清水峠 国道」で検索してみると。
ここはマニアの間では有名な廃国道で、新潟側の廃道区間を除けば現在でも国道とはされているものの、その部分も現状は登山道になっているらしい。
明治時代に馬車の通れる国道として華々しく開通したが、翌月の大雨で道が崩れてしまって、復旧されなかったんだとか。
それにしても、廃道マニアというジャンルが存在するのを初めて知った。
まあ、廃墟マニアは以前から知られているし、私も廃スキー場めぐりのホームページをときとき閲覧したりしているので、廃道マニアがいても全く不思議はないが。
数的にはBCクロカンマニアの方が少ないかもしれないし(笑)。
(追記)
なんか上から目線っぽく書いてしまったが、上の清水国道の由来のところでリンクしたサイトの清水国道探索記がとても面白かったのでさらに調べてみたら、廃道関連でいくつも本やDVDが出ていた。
BCクロカンは、せいぜい小さな雑誌記事が載った程度…。
BCクロカン、完敗です。
廃道マニアのみなさん、失礼致しました。
ツアー記録一覧へ
問題はあの緩やかなオープンバーンに向かうドロップポイントの斜度だと思っていたが、七ッ小屋山の少し先からドロップすればそれほどの斜度はなく、BCクロカンでも行けそうだ。
鉄塔手前の谷の深さがよくわからないのが気になるが、通過不能ということはないだろう。
台地状のメローバーンを滑り、谷をトラバースして鉄塔下の尾根の疎林に滑り込んで、清水峠に登り返せば良い。
七ッ小屋山先のドロップポイントから、稜線通しに行く場合のルートを見てみると、尾根は細く、滑れそうにない。
やっぱり下を行った方がいい。
シールを外して、今日初めての滑り。
長時間シール歩行を続けたあとは、急に滑るようになったスキーについて行けず体が遅れてしまいがち。
しかも今回は荷物も重い。
そこそこ斜度もあり、緊張しながら慎重に滑り出すが、最初の2~3ターンが決まればもう大丈夫。
いい感じのザラメで、気持ちが良い。
その先は無立木のメローバーン。
ここをシューっと飛ばしていくのも実に爽快。
心配していた谷も問題なく、目指した鉄塔下の疎林に滑り込んだ。
狙い通りの会心の滑り。
実は、今回参考にした菊池哲男編「スキーツアー」(ROCK & SNOW BOOKS、山と渓谷、2001年。この本のルートガイドはとても良い)では、七ッ小屋山から七ッ小屋沢または七ッ小屋前沢(地形図に表記なし)を滑り降り、湯桧曽川の沢通しに清水峠の下まで進んで峠に登り返す、というルートが紹介されていて、それも頭にあった。
しかし、湯桧曽川の谷は深く、融雪の進んだあの谷に入るのは不安だ。
また七ッ小屋山からまっすぐ湯桧曽川に向かう斜面は斜度があってBCクロカン向きではなさそうな上に、あちこちに灌木が出てきていて雪がしっかりつながっているのかどうかも確認できない。
それで、これは稜線通しに行くしかないかなと思っていたのだが、思わぬ好ルートを滑ることができて良かった。
あとは鉄塔に向けて登り返し、途中からトラバースして清水峠に出た。
おお立派な避難小屋だなあと思ったら、
避難小屋はこっちだった。そりゃそうだよね。
小屋には3人パーティーと4人パーティーが先着しており、さらに後から3人パーティーと2人パーティーが到着して、大盛況となった。
一人で使えるくらいじゃないかと思っていたので、びっくりした。
他のパーティーは全て白毛門からの縦走で、スキーは私一人だった。
到着後、まだ時間があったので、峠のすぐ下の斜面に滑りに行く。
そこそこの斜度があるが、ウロコで登り返すことができる。
BCクロカン遊びにはうってつけの斜面。
ここで3本滑って締めくくる。
今日は登りの時間が長かったが、最後には結構滑りも楽しめて、なかなか楽しい1日だった。
※
ところで、地形図を眺めながらルートの検討をしていると、清水峠に国道が通っているのに気づいた。
この国道291号、まるで林道のような、およそ国道とは思えないライン取りで、しかも新潟側の変なところで途切れている。
何なんだろう。
でも、しっかりした道があるなら七ッ小屋山から湯桧曽川まで下らなくてもこの国道をたどって清水峠まで歩けるのではないかと、「清水峠 国道」で検索してみると。
ここはマニアの間では有名な廃国道で、新潟側の廃道区間を除けば現在でも国道とはされているものの、その部分も現状は登山道になっているらしい。
明治時代に馬車の通れる国道として華々しく開通したが、翌月の大雨で道が崩れてしまって、復旧されなかったんだとか。
それにしても、廃道マニアというジャンルが存在するのを初めて知った。
まあ、廃墟マニアは以前から知られているし、私も廃スキー場めぐりのホームページをときとき閲覧したりしているので、廃道マニアがいても全く不思議はないが。
数的にはBCクロカンマニアの方が少ないかもしれないし(笑)。
(追記)
なんか上から目線っぽく書いてしまったが、上の清水国道の由来のところでリンクしたサイトの清水国道探索記がとても面白かったのでさらに調べてみたら、廃道関連でいくつも本やDVDが出ていた。
BCクロカンは、せいぜい小さな雑誌記事が載った程度…。
BCクロカン、完敗です。
廃道マニアのみなさん、失礼致しました。
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