★★2018.04.30~05.01 細革/GW鳥海山千蛇谷②
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
昨シーズンGWの千蛇谷2日目です。
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2018年5月1日 970m台地~新山~鳥越川取水口
天候:晴
装備:(板)ガルモント・モナシー(靴)スカルパ・ビンソン
<コースタイム>
5:30 970m台地
8:05 七五三掛下
9:15~9:45 新山
10:22~10:39 970m台地
12:10 獅子ヶ鼻湿原
12:28 鳥越川取水口
このツアーの2日間の天気は、雨の心配はまずないであろうという予報だった。
しかし、テント泊の夜、非常に強い風が吹いた。
烈風、あるいは爆風というような風が吹き、テントのフレームは大きくゆがんで、自分が中に入ったまま飛ばされるんじゃないかとちょっと心配になった。
樹林帯を出た吹きさらしの台地にテントを張ったのも悪かったのだろう。
一段下の林の中に張ればここまでではなかったのではないかと思う。
実際、昨日登ってきたときに林の中でテントを撤収しているパーティーがいた。
朝になると風は少し弱まった。
テントを出てみると、テントの真下だけが風を受けず、周りの雪が風で融けた結果、まるで雪のテーブルの上にテントが乗っているような状態になっていた。
一晩でこんなに融雪が進んだのは初めて見た。
今日はここから山頂ピストン。
テントは撤収する。
少し弱まったとはいってもかなりの強風で、かぶっていた帽子(キャップ)が飛ばされてしまう。
あっという間に数十メートル先まで行ってしまうが、幸い回収できた。
しかし、強風が運んできた土で雪面が真っ黒になっていたため、帽子がひどく汚れてしまった。
キャンプ装備その他不要なものはデポして、出発する。
昨日、かなり上までステップで登れたので、今日もシールは貼らずにスタートする。
晴れの予報だったが、谷には少しガスがかかっている。
しかし、しばらくするとガスは消えて快晴となる。
心配した風も、歩き出してすぐに治まった。
というか、やはりあの台地が強風地帯だったのかもしれない。
もう、登っているうちからよだれが出てくるような斜面がひたすら続く。
2時間半ほど登って、七五三掛の降り口付近まで来た。
なおもひたすら谷を詰める。
谷が狭まり、七高山からの降り口の合流点まで来れば、もう一息。
最後は新山のドームを登って、山頂着。
970mから登り始めているので、一番乗りだ。
大物忌神社は姿も形もない。
山頂から千蛇谷を一望する。
これから滑る斜面がこれほど先まで見通せるルートというのもなかなかないだろう。
さあ、いよいよ滑降だ。
はじめはやや入りくんだ急斜面を慎重に滑るが、少し下ると沢が広がる。
雪質は滑りやすいザラメで、広い沢底を気持ちよく滑る。
途中から沢底を離れて、右手の台地状の斜面に上がる。
眼下には広大な斜面が広がる。
すごいスケールだ。
滑り出せば適度な中斜面が延々と続き、雪質はますます具合の良いザラメで、もう最高としか言いようがない。
大満足でテントサイトに滑りつく。
3時間45分かけて登った斜面を40分ほどで滑り降りた。
デポしておいた装備を回収し、締めくくりの滑りにかかる。
テントサイトから下の樹林帯も雪質は良好。
このままスムーズに獅子ヶ鼻湿原に戻れれば申し分なかったのだが、最後に失策を犯す。
素直に登りのときのルートを戻れば良いものを、もっといいルートがあるのではと色気を出して、登りルートの沢の左手の台地に続いていた赤布・赤ペンキを追って行ったのだ。
地図で見ると鳥越川取水口から南に伸びている林道にたどり着けたりするのではないかと思ったのだが、思ったより谷は深く落ち込んでいて容易には降りられそうになく、降り口を示す赤布等も見つけられない。
なんとか下れるところをとしばらく周辺を徘徊して探し回るが、見つけられず、もう登り返すしかないかと思ったときに、ようやく下りルートらしき赤布を見つける。
そちらにはもう雪はなく、スキーを担いで、赤布に導かれながら、急斜面に付けられた細い踏み跡を下っていく。
降りついた先は、見覚えのある、入山時に通った遊歩道の出つぼ少し手前だった。
やれやれと一息ついていると、スキーを担いだ3人くらいの中高年のパーティーの方から、どこから登ればいいんでしょう、と質問される。
まるで昨日の自分と同じだな、と思いつつ、この先で山側に入っていくと雪が出てきますよ、と教えて差し上げる。
ただ、1日で融雪は相当進んで状況は変わっていると思われるが。
春らしい穏やかな陽気の中、遊歩道をのんびり歩いて車に戻り、ツアー終了。
千蛇谷は、思っていたとおりこれまでの私の経験の中でも随一のスケールの斜面で、雪質にも恵まれ、例年のGWより短い1泊2日ではあったが、満足度は非常に高いツアーとなった。
さて、今回はガルモント・モナシー150cmでツアーした。
上部急斜面を含めて、ショートスキーであることによる問題を感じる場面はなかった。
行く前は、スケールの大きい斜面なので、ショートサイズの板では物足りなく感じ、通常の尺の板でかっ飛ばしたくなるのではと気になっていたのだが、いくら条件に恵まれたと言っても山ではゲレンデのように限界スピードで滑るようなことはできないし、モナシーで十分楽しめた。
担いだ時の軽さや取り回しの良さ、登りの軽快さは言うまでもなく、今後はよほど厳しい滑降条件のルートに行く時以外は、テレマークのツアーはモナシーで行こうと思う。
ツアー記録一覧へ
昨シーズンGWの千蛇谷2日目です。
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2018年5月1日 970m台地~新山~鳥越川取水口
天候:晴
装備:(板)ガルモント・モナシー(靴)スカルパ・ビンソン
<コースタイム>
5:30 970m台地
8:05 七五三掛下
9:15~9:45 新山
10:22~10:39 970m台地
12:10 獅子ヶ鼻湿原
12:28 鳥越川取水口
このツアーの2日間の天気は、雨の心配はまずないであろうという予報だった。
しかし、テント泊の夜、非常に強い風が吹いた。
烈風、あるいは爆風というような風が吹き、テントのフレームは大きくゆがんで、自分が中に入ったまま飛ばされるんじゃないかとちょっと心配になった。
樹林帯を出た吹きさらしの台地にテントを張ったのも悪かったのだろう。
一段下の林の中に張ればここまでではなかったのではないかと思う。
実際、昨日登ってきたときに林の中でテントを撤収しているパーティーがいた。
朝になると風は少し弱まった。
テントを出てみると、テントの真下だけが風を受けず、周りの雪が風で融けた結果、まるで雪のテーブルの上にテントが乗っているような状態になっていた。
一晩でこんなに融雪が進んだのは初めて見た。
今日はここから山頂ピストン。
テントは撤収する。
少し弱まったとはいってもかなりの強風で、かぶっていた帽子(キャップ)が飛ばされてしまう。
あっという間に数十メートル先まで行ってしまうが、幸い回収できた。
しかし、強風が運んできた土で雪面が真っ黒になっていたため、帽子がひどく汚れてしまった。
キャンプ装備その他不要なものはデポして、出発する。
昨日、かなり上までステップで登れたので、今日もシールは貼らずにスタートする。
晴れの予報だったが、谷には少しガスがかかっている。
しかし、しばらくするとガスは消えて快晴となる。
心配した風も、歩き出してすぐに治まった。
というか、やはりあの台地が強風地帯だったのかもしれない。
もう、登っているうちからよだれが出てくるような斜面がひたすら続く。
2時間半ほど登って、七五三掛の降り口付近まで来た。
なおもひたすら谷を詰める。
谷が狭まり、七高山からの降り口の合流点まで来れば、もう一息。
最後は新山のドームを登って、山頂着。
970mから登り始めているので、一番乗りだ。
大物忌神社は姿も形もない。
山頂から千蛇谷を一望する。
これから滑る斜面がこれほど先まで見通せるルートというのもなかなかないだろう。
さあ、いよいよ滑降だ。
はじめはやや入りくんだ急斜面を慎重に滑るが、少し下ると沢が広がる。
雪質は滑りやすいザラメで、広い沢底を気持ちよく滑る。
途中から沢底を離れて、右手の台地状の斜面に上がる。
眼下には広大な斜面が広がる。
すごいスケールだ。
滑り出せば適度な中斜面が延々と続き、雪質はますます具合の良いザラメで、もう最高としか言いようがない。
大満足でテントサイトに滑りつく。
3時間45分かけて登った斜面を40分ほどで滑り降りた。
デポしておいた装備を回収し、締めくくりの滑りにかかる。
テントサイトから下の樹林帯も雪質は良好。
このままスムーズに獅子ヶ鼻湿原に戻れれば申し分なかったのだが、最後に失策を犯す。
素直に登りのときのルートを戻れば良いものを、もっといいルートがあるのではと色気を出して、登りルートの沢の左手の台地に続いていた赤布・赤ペンキを追って行ったのだ。
地図で見ると鳥越川取水口から南に伸びている林道にたどり着けたりするのではないかと思ったのだが、思ったより谷は深く落ち込んでいて容易には降りられそうになく、降り口を示す赤布等も見つけられない。
なんとか下れるところをとしばらく周辺を徘徊して探し回るが、見つけられず、もう登り返すしかないかと思ったときに、ようやく下りルートらしき赤布を見つける。
そちらにはもう雪はなく、スキーを担いで、赤布に導かれながら、急斜面に付けられた細い踏み跡を下っていく。
降りついた先は、見覚えのある、入山時に通った遊歩道の出つぼ少し手前だった。
やれやれと一息ついていると、スキーを担いだ3人くらいの中高年のパーティーの方から、どこから登ればいいんでしょう、と質問される。
まるで昨日の自分と同じだな、と思いつつ、この先で山側に入っていくと雪が出てきますよ、と教えて差し上げる。
ただ、1日で融雪は相当進んで状況は変わっていると思われるが。
春らしい穏やかな陽気の中、遊歩道をのんびり歩いて車に戻り、ツアー終了。
千蛇谷は、思っていたとおりこれまでの私の経験の中でも随一のスケールの斜面で、雪質にも恵まれ、例年のGWより短い1泊2日ではあったが、満足度は非常に高いツアーとなった。
さて、今回はガルモント・モナシー150cmでツアーした。
上部急斜面を含めて、ショートスキーであることによる問題を感じる場面はなかった。
行く前は、スケールの大きい斜面なので、ショートサイズの板では物足りなく感じ、通常の尺の板でかっ飛ばしたくなるのではと気になっていたのだが、いくら条件に恵まれたと言っても山ではゲレンデのように限界スピードで滑るようなことはできないし、モナシーで十分楽しめた。
担いだ時の軽さや取り回しの良さ、登りの軽快さは言うまでもなく、今後はよほど厳しい滑降条件のルートに行く時以外は、テレマークのツアーはモナシーで行こうと思う。
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この記事へのコメント
私もこんな雄大な景色の中をツアーしてみたいと思いますが、年齢、体力、技術を考えるとレポートを楽しませていただくことで我慢しておいた方が方が良さそうです。
今朝、久しぶりに近所のゲレンデをモナシー+ビンソンで滑っていたのですが、朝一の硬いバーンもそれほど問題なく滑れ、改めてモナシーの環境適応力?の広さを確認しました・・・雪質を問わずウロコもよく効きますし。
課題のビンソンとエクスカーションとの比較ですが、やはりエクスカーションのほうが横剛性が強く、硬いバーンや幅広の板にも強いようです。プラスチックと革を比較すること自体に無理がありますが、強いて言えばエクスカーションはT4とビンソンとの中間ぐらいに位置するのではないかという印象です。なお、後方への可動域が広い分、T4よりもエクスカーションのほうが歩きやすく感じました。
私も今後はモナシーでの適応力をどんどん高めて行きたいと思います。
といってもBCクロカン中心なのでそれほど履く機会はないのですが。
今年のGWをどうするか…。
エクスカーションは明らかにT4よりはソフトだと思いましたが、ビンソンとの中間ですか。なるほど。
エクスカーションのようなソフトなプラ靴も興味深いですが、私の場合、プラ靴をツアーに使うことはないので、プラ靴に求めるのは歩きやすさよりもゲレンデでの(私としては)ハードな滑りへの対応ということになります。
なので、もし今のT3が壊れたら、次に買うのはT4でしょうか。
いや、でももうプラ靴は買わないかも。
最近全然履くことがないので…。