★★2019.03.23~24 BCXC/志賀~野沢温泉①

BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。

ツアー速報でお伝えしていた2回目の志賀~野沢ツアー、本編です。

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2019年3月23日 焼額山~カヤの平牧場

天候:くもり
装備:(板)クナイスル・ツアーライト59(靴)Xadv8
<コースタイム>
23日
10:50 焼額山
12:35 ダマシの平
13:53~14:20 高標山肩
15:25 カヤの平牧場(泊)


今シーズンは事情によりなかなかツアーに行けなかったが、ここに来て1泊のツアーのチャンスが来た。
記録的とも言われる雪不足(3月初めに温泉旅行に行った奥日光は本当に雪がなかった)の中、どこに行こうかと思いを巡らせていたのだが、しばらく続いていた春の陽気から一転して、この週末は寒波が襲来して天気が崩れる予報。
一度は次週に先送りを考えた。

ところが、金曜朝の詳細な予報を見ると、雪は土曜の朝には止み、夜にまた降り出して、日曜の日中にはまた弱まってやがて止むという予報になっている。
これなら日中の行動中に荒天になることはなく、むしろ浅いパウダーをさらさらと滑れちゃったりするんじゃないかと期待が膨らんで、一転決行することにする。

行き先は一度行って勝手が分かっており、危険箇所もない、志賀~野沢ルート。
前回の記録で、次はテント泊で行きたい、と書いたのを、実行するのだ。

前回は1日で野沢まで踏破するため、長野に前泊し長野電鉄の始発でスタートして最速で焼額のスキー場に上がったが、今回は1泊なのでそこまで早発ちする必要はない。
始発の北陸新幹線に乗り、長野で路線バスに乗り継ぐ。
さらに志賀高原山の駅のバス停でスキーシャトルバスに乗り換えて、焼額に向かう。
ゴンドラに乗るには焼額山プリンスホテル南館で降りるべきなのに、ひとつ手前の西館で降車してしまうというチョンボをしたが、それでも10時30分ころにはゴンドラ乗り場に到着する。

ゴンドラでスキー場トップに上がる。
スキーを履いて針葉樹の森に分け入り山頂へ。
山頂部は雪に埋まった鳥居があり、雪原となっている。

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前回は、山頂から始まる竜王越えルートの入り口に気づかず、初め狭くて急な樹林の中を降りてしまった。
今回あらためて見てみると、竹竿とロープでルート入り口が示されている。

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たしかにこの竹竿とロープは前回も見た記憶がある。
しかし、よもや山スキールートにそんな親切な誘導があるとは思わず、てっきりスキー場境界を示す立ち入り禁止のロープと勘違いして、むしろそちらに寄るのを避けてしまったのだった。
今回はロープに沿ってコースに入る。

しかし、コースといっても、多少は切り開かれているのかもしれないが、樹林帯の急斜面であることには変わりない。
雪は、期待していたような降雪はなかったらしく、ザラメが凍った堅いバーンの上にうっすら新雪が乗った程度で、新雪による滑りへの影響は全くない。
つまり、ザラメのアイスバーンの下りになる。

そしてこのコース、結構人が入っているようで、シュプールで斜面が荒れた状態で凍っている。
エッジは効くのだが、荒れた狭く急な斜面をBCクロカンで滑るのは楽ではない。

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コルまで下ったら、竜王山方面へ緩やかに登る。
前日の雪は積もるほどではなかったが、霧氷となって白樺を化粧している。

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竜王スキー場目前の平坦地から、GPSを確認しつつ北に進路を変える。
すぐに志賀高原~野沢温泉の道標を発見。

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さらに、今回は、新しいピンクテープが打ってある。
前回の記録には、「道標や赤布・赤(オレンジ?)テープの目印は一応あるが、間隔はまばらで、あてにならない」と書いたが、今回は、よく目立つ蛍光ピンクのテープがかなり密に打ってあるので、ずっとそれを頼りに進むことができる。
ルートファインディングはかなり楽になった。

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しかし、雪は相変わらず堅い。
この雪ではBCクロカンでの滑りは苦戦必至。
しかも今日は寒波で1日中気温は低いままだから、この後雪が緩むことも期待できない。
もともと、天気も含め行ってみて条件が悪いようなら引き返そうと思っていたので、この雪ではもっと条件がよい時に出直した方がよいかとも考えたが、天候は思ったよりよいので、敗退するのも悔しく先に進む。

ほぼ平坦といってよいような緩やかな下りを、ピンクテープとGPSを確認しつつ進んでいくと、本日最初のまとまった滑りとなる、ダマシの平への斜面の上に出る。

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さあこの雪はどんなものかと滑り出してみると。
雪は、降雪がなく暖かい日がしばらく続いた後、今回の寒気が入ったため、厚みのあるザラメがそのまま凍ったような感じ。
それがしっかり凍っていてくれれば、堅いバーンの上をカラカラと滑ればいいだけなのだが、これが微妙に柔らかく、ターンで圧がかかるとエッジが食い込む。
しかしザラメの層は内部まで凍っているため、食い込んだエッジがずれてくれず、引っかかる。

表面だけ凍って中が柔らかいモナカ雪とも違う、初めて経験する雪質。
私の技術ではBCクロカンでのテレマークターンなど到底できないし、エッジが突然引っかかるためプルークで下るにも相当神経を使う必要がある。

こんな雪質の中を、この細板で、テント泊の重荷を背負って滑るなどというのは、苦行でしかない。
よほどのマニアか求道者にしか勧められないコンディションだが、私はマニアなので、悪戦苦闘しながら滑り降りていく。

ようやくダマシの平に降りついて、一息つく。
ブナとカンバの林が広がる台地だ。

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さらに北に進んでいくと、高標山への登りにかかる。
前回はウロコで難なく登った記憶だが、今回はやや登りづらい。
うっすら積もった新雪をウロコがグリップするが、その新雪と旧雪の結合が弱いため、斜度が強いところでは新雪ごと滑ってしまう感じ。
ウロコに新雪が目詰まりすると言ってもいいかもしれない。

それでもシールは使わずに高標山の肩まで登り切る。
この高標山の斜面は、適度な斜度の疎林で、滑るにも実に良さそうな斜面だ。
今日の雪質ではやはり厳しいかもしれないが、空身で滑れば多少はなんとかなるかも、と思い、ザックを置いて滑ってみる。

すると、雪質は変わらないはずなのだが、身軽になったためか、先ほどのようにエッジが食い込んでしまうことがなく、普通に滑れる。
なんだ、そういうことだったのか。

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気持ちよく滑って登り返し、再びザックを背負って先に進む。
平坦地を少し進んだら、カヤの平牧場への本日最後の滑り。
ここの斜面も素晴らしい疎林なのだが、ザックを背負ってしまうとやはり厳しい滑りとなる。
少しでも滑りやすい方向へと進んでいるうちにピンクテープを見失うが、この斜面は最後は林道に出るのでそこから歩いて行けばいいだけだ、と気にせず、必死に高度を下げる。

しかし、なかなか林道らしきものに出合わない。
牧場の平地も見えてこず、先にも下りがずっと続いている。
おかしいと思って地図とGPSを確認すると、牧場よりかなり西側に降りており、林道を通り過ぎてさらに下ってしまっていることが分かる。
方向転換して牧場方面へ向かって登り返すが、厳しい滑りの後の登りは体力的にも精神的にも結構辛かった。

最後に情けないミスをしたものの、本日の目的地であるカヤの平牧場に無事到着。
牧場端の樹林の中にテントを設営した後、時間が早いので牧場周辺を少し滑って回り、行動を終了した。

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