2021.01.23 BCXC/大戸沢岳東尾根

BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。

続いてシーズン2本目は大戸沢岳です。

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2021年1月23日 大戸沢岳東尾根

天候:くもり→小雪
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
8:04 下大戸沢スノーシェッド
10:02 1386m
10:30~10:41 1553m
12:10~12:32 大戸沢岳
13:10 1553m
13:32 1386m
14:50 下大戸沢スノーシェッド


先週の鹿俣山はライトなツアーだったので、今回はがっつり登り滑るところ、それも今まで行ったことのないルートを、ということで、大戸沢岳東尾根を目指す。

週前半にある程度雪が降ったが、その後1月としてかなり気温の高い日があった。
そして今日も気温は高め。
雪質が心配だが、さすがに豪雪地で標高もある大戸沢岳なら上部の雪質はそこそこ保たれているだろうと期待した。

大戸沢岳スノーシェッド近くに駐車して雪の壁を上がり、スタートするが、懸念のとおり、週前半の雪がその後の高温でグサッと重くなった、春先のような雪質。
うーん。

2021.01.23 大戸沢岳_08h35m55s.jpg

ますます不安だが、行くしかない。
出だしから急登なので、シールを装着。
今日はショートシールでどこまで行けるか試してみることにする。

気温は高めとは言っても、朝だし日差しもないので、雪は堅い。
シールが効きにくい雪質の上に、雪面、特にトレース上は凹凸が大きく、シールのあるグリップゾーンで雪面を捉えるようにしないと、滑ってしまう。
春のザラメならショートシールで登ったことがあるくらいの斜度なのだが、苦戦する。

南会津らしい、ブナ林の登り

2021.01.23 大戸沢岳_09h41m06s.jpg

それでもやせ我慢してかなり登ったが、いい加減面倒になって、ノーマルシールに貼り替える。
すると、格段に登りやすくなる。
ゴールデンウイーク頃なら、ショートシールでも普通のシールと変わらないんじゃない、と思うくらい登るのだが、条件によってはこれほど違うものか。
これで一気にペースアップする。

1600mあたりまで来ると、樹間が広くなってきて、桑場小沢側の斜面がいい感じになってくる。
下りはこのあたりから桑場小沢に降りるのもいいかな、などと考えながら登る。

2021.01.23 大戸沢岳_10h56m59s.jpg

登るにつれて、ブナにダケカンバが混じるようになり、やがて針葉樹林になる。
ここまで来ると、期待通り悪くない雪質になってくる。

2021.01.23 大戸沢岳_11h03m51s.jpg
2021.01.23 大戸沢岳_11h10m30s.jpg

さらに登るとオープンバーンになるが、ガスが濃くなって視界が悪い。

視界が悪い、ということしか分からない写真

2021.01.23 大戸沢岳_11h33m50s.jpg

三岩岳につながる稜線に出ると、風もかなり強い。
わずかな緩い登りで山頂に到達するが、早々に退散。
少し戻って風を避けられるところでシールを外す。

標識も、眺望も何もない山頂で記念写真

2021.01.23 大戸沢岳_12h12m15s.jpg

さあ滑降だ。
稜線直下のオープンバーンは、ここまで登った甲斐あって、やや重めだがスネくらいまでのパウダー!
なのだが、残念ながら完全なホワイトアウト。
どこがフォールラインなのか分からないので、スキー操作のタイミングがつかめない。
1~2ターンごとに止まっては方向を確認しながら滑る。

そのうちに、やや視界が改善、樹も見えてきて滑りやすくなり、新雪を楽しむ。
このあたりが今日のハイライト。

だが、このお楽しみ区間は短く、少し下ると今度はクラスト気味になってくる。
楽しいとは言えないが、まほろば倶楽部で学んだ効果か、以前よりはクラストを滑れるようになった感じ。

しかし、さらに少し下ると、完全なモナカ雪のクラストになる。
こうなると、もはやBCクロカンではターンは困難。
そしてもっと標高が下がると、今度は深く潜って全くスキーがずれない激重雪になる。

もう完全な修行。
横滑り、斜滑降キックターン、階段下降と、ターン以外のあらゆる手段を使って少しずつ標高を下げる。

3月頃のルート下部ではありがちな雪質だが、こんなに上の方から続くのは初めてだし、深さ、重さとも最悪の部類。
そして、1350mあたりからは、尾根は細く、樹間は狭く、斜度も急になって、さらに難しくなる。
しまいには、尻セードの方が速いんじゃないかと思い、スキーを脱いで試してみるが、この雪質の中を尻セードで滑り続けるにはちょっと斜度が足りない。
しばらく尻セードとツボ足のミックスで下るが、さすがにツボ足は深く潜りこれも楽ではないので、最後は再びスキーを履いて、また悪戦苦闘しながらなんとか葭ヶ平に滑り付いた。

頂上以降の写真が1枚も残っていないことに、苦労の跡が偲ばれる。

まあ、入山時点でこうなることはある程度予測できた(予測したよりはるかにひどかったのだが)。
いくら技術の向上に努めても、あるレベルを超えた悪雪になるとBCクロカンではどうにもならない。
せめてテレマークにすべきだった(本当はこういう日は山には入らない、というのがいいのだろうが、なかなかそこまでは思い切れないので)。

私にとってはBCクロカンが一番楽しい道具なので、ついBCクロカンを選択してしまうが、こんなコンディションではとても楽しめないし、安全にもかかわりかねない。
BCクロカンにはBCクロカンらしい楽しみ方を追求すべき、とあらためて思わされた1日だった。


2021.01.23 大戸沢岳東尾根.jpg


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