★★2021.04.03 BCXC/三岩岳~窓明山

BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。

立山の積雪状況が気になるきょうこの頃、に昨シーズンの記録をもう1件アップです。

浅草岳に続き初めてのルートの開拓。
三岩岳へ行きました。

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2021年4月3日 三岩岳~窓明山

天候:晴
装備:(板)クナイスル・ツアーライト59(靴)Jokulen
<コースタイム>
5:44 三岩岳登山口(国体コース)
6:07 電話中継所
8:56 三岩岳避難小屋
9:32~10:22 三岩岳
10:38~1046 稜線1730m
11:28~11:58 窓明山
12:39 家向山
13:10 巽沢山
14:00 窓明山登山口

先々週浅草岳に行ったときは「ここ一週間は4月並みの気温」だったが、今週はそれどころか5月並みの気温が続いている。
相当融雪が進んでいることが予想されるので、5月中旬まで適期と紹介されている三岩岳に行くことにした。

前夜9時半に出発。
途中少し仮眠をとり、2時頃檜枝岐に到着。
トイレのあるところで寝ようと道の駅アルザ尾瀬の里に行くと、駐車場には結構な数の車が止まっていた。

早朝、三岩岳国体コース登山口の駐車場(というより国道脇の駐車スペースといった感じ)に車を移動。
準備を整えて一番乗りで出発。

雪は消えかかっていてスキーは使えない。
地図によると、夏道は左に回り込んで上っていくようだが、雪が中途半端に残っているためどこが道なのかほとんど分からない。
ツボ足で尾根上に直登したと思われるトレースが残雪上にごく薄く残っていたので、私も直登する。

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しかし、一部雪がつながらない部分が出てくる。
結構な急斜面で、雪が融けて寝た笹が露出している部分はとても滑る。
この日は1、2歩で次の雪の上に乗れたのでなんとかなったが、これ以上融けたら直登は厳しいだろう。

20分ちょっとで尾根上の電波中継所に到着。
その先の夏道には雪はない。

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スキーを担いだまま夏道をてくてく歩く。
急斜面を1段上って次の急斜面に来ても、まだ雪はつながらない。

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2段目の急斜面の上の方、1050mあたりでようやく雪がつながるようになる。
急斜面を登り切った台地状1100m付近からスキーを履く。

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快調に登り、7:25頃に1308mピークを通過。
右手に窓明山、左手に三岩岳の三ツ岩が見える。

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窓明山

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三ツ岩

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尾根上は美しいブナの森。

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窓明山への稜線が近づいてくると、オオシラビソの林となる。

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8:56、避難小屋を通過。あともう一息。
避難小屋は屋根近くの窓から入れるよう。

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9:22、山頂到着~、と思ったらこれは三ツ岩で、山頂は先なのね。
なだらかな頂陵をひと歩きして、9:32に三岩岳山頂着。
後続の登山者の姿は見えない。
一方、少し手前から真新しいアイゼンのトレースがあり、先には大戸沢岳への稜線を歩いている登山者がいた。

三ツ岩をバックに記念撮影

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広い山頂からの展望は、360度山、山、山。

大戸沢岳~会津駒~中門岳

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中門岳から御神楽沢に落ちる広い尾根が魅力的

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会津駒の向こうには燧ヶ岳

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以下はとりあえず写真を撮っておいて、下山後に山座同定。

丸山岳

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未丈ヶ岳

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ひときわ目を惹く越後三山
右から越後駒ヶ岳、荒沢岳、中ノ岳

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平ヶ岳

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しばらく山頂でゆっくりした後、いよいよ滑降へ。
ミチギノ沢源頭部にはメロウな斜面が広がる。
雪質も、好天高温が続いたおかげでよい感じのザラメ。
絶好のBCクロカンバーン。

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もったいなくてウロコでもう一度山頂に戻り、再スタート。
いや、いいわ~。

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このままミチギノ沢を下っていこうかとも思ったが、初めてのルートなので登り返しも含め時間配分が読めない。
次のお楽しみということで、トラバースして稜線下へ。
再びシールを付けて窓明山に向かう。

窓明山への稜線には巨大な雪庇が張り出し、稜線上の雪には大きなうねりがあって登りにくい。
通過の支障になるほどではないが、クラックもかなり入っている。

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雪のうねりは、部分的にはかなり急な壁となっていて、スキーでは登れないところも2~3か所あった。
樹林帯の中を巻いたりしながら、シール登高のテクニックを駆使して登っていき、窓明山に到着。

バックは滑った三岩岳の斜面

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肉眼ではシュプールが確認できたが…

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窓明山では山スキーの方とお話し。
下の方の雪解けは2週間くらい速い感じだが、山の上は例年と同じくらいではないか、とのこと。
私がこれから向かう家向山~巽沢山経由のルートは、巽沢山の下、登山道が急斜面になる手前の緩斜面1050mあたりまでスキーが使えるとの情報を仕入れる。
もっと上で雪がなくなるのではと思っていたので、ちょっとうれしい。

窓明山の下も広くていい感じの尾根なのだが、時間のせいか標高のせいか、雪が緩んで潜るようになっている。
でもまだスキーをずらすことができる雪質なのでなんとかなる。
どりゃあ~という感じで、重い雪をかき分けるようにターンしていく。

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尾根北側のブナ林の中は若干雪質がよかった

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家向山への登り返しでは夏道が半分くらい露出していたが、右側の斜面にはまだ雪が付いていた。
やや急だが、シールを出すのも面倒なのでウロコのまま登る。
家向山から振り返ると、窓明山に刻んだシュプールが見えた。

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家向山から下はさらに雪が重くなり、尾根もやや細く急になってくる。
尾根上をターンしていくのは厳しい。
ワンステップ小回り、尾根側面の横滑り、ど開脚ボーゲンなどで高度を落とす。

巽沢山への登り返しはほんのわずか。
やはり夏道上は雪が消えているが、周りはまだ雪があってスキーが使える。

巽沢山山頂

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そして、窓明山山頂で聞いた話の通り、登山道が急斜面となる手前1050m付近で雪が切れて、滑降終了。

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ストック(BDコンパクター)はたたんでザックに装着、スキーは手に持って夏道を下る。
BCクロカンならではの技。

この夏道が本当に急で、しかもマツとブナの落ち葉が敷き詰められた斜面になっている。
ソフトな歩き心地なのだが、滑りやすいため、随所にトラロープが固定されている。
もし雪があって悪雪だったら、それはそれで滑るのは難儀かもしれない。

でも急な分、高度が落ちるのも速く、のんびり歩いてもそれほど時間がかからずに、国道脇の窓明山登山口に下山。

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そこから車を止めた三岩岳登山口は歩いてすぐだった。

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今回の三岩岳~窓明山周回ルートは、ボリューム的にも、滑りの面でも、とても満足のいくものだった。
三岩岳北面はBCクロカンに好適なスロープだし、窓明山以降のアップダウンはBCクロカン向きでもある。
もっと雪の多いシーズンだったらさらに良かっただろう。

『山スキー百山』には、ミチギノ沢を滑り降りてテント泊でさらに奥の山々に行くプランが紹介されているが、ぜひ行ってみたいと思った。


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