2022.01.02 BCXC/湯ノ丸山
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
今シーズンのツアー報告第1弾です。
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2022年1月2日 湯ノ丸山
天候:晴
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
8:17 地蔵峠
9:10~9:22 つつじ平
10:13 湯ノ丸山南峰
10:27~10:54 湯ノ丸山北峰
11:30~11:45 角間峠の上部1870m
14:13~14:21 北峰下1980m
14:55 つつじ平
15:20 地蔵峠
今年の正月は2日から4日まで2泊3日でスキーに行けることになった。
例年まだ山の雪が十分でない正月はゲレンデ練習中心になるのだが、今年はクリスマス以降の2回の寒波襲来でもう山も結構滑れるようになってきているようなので、基本ゲレンデは滑らず山を滑ろうと考えた。
2泊の宿泊はまほろば倶楽部でお願いするが、2日はあまり早発ちできないので、近場の山を滑ってから白馬へ向かうことにする。
多くのエリアで雪は31日までで元日日中には晴れになっている中、上越は元日まで雪が続いていたので、当初は東谷山を計画した。
しかし、越後湯沢から白馬だと東京からと大差ないくらい時間がかかると分かり、白馬へ向かう途中の寄り道で行ける湯ノ丸山に変更。
1月上旬の湯ノ丸山では、雪が十分ではなくたびたび「落とし穴」に落ちて苦労したこともあったが、もう何とか滑れるくらいになっていることはネットで確認済み。
地蔵峠の駐車場に着くと、アイゼンやスノーシューの準備をしている登山者がたくさんいる。
いままでここに来た中で一番多い。
スキーは私だけ。
最近の登山ブームで雪山初心者向けの雑誌をよく見かけるが、そうした流れだろうか。
湯ノ丸山はずいぶん久しぶりだ。
地蔵峠から、まずはシールを貼らずに登り始めるが、記憶していたより斜度がある。
ウロコで登れないわけではないが、この雪質だったら初めからシールを貼ってもよかったかもしれない。
心配していた積雪量は思ったよりあって、スノーシューのトレースは深い。
キャンプ場に着くと、烏帽子岳方面との分岐に向けて伸びているトレースを外れて斜めに登っていく。
つつじ平まではノーシールで登った記憶があったが、乾いたさらさらの雪はウロコの効きが悪く、すぐにシールを貼る。



ここからもトレースは深い。
というか、夏道通しにトレースがついているのか、しばらくは深い溝のようになったところを登っていく。
スノーシューのトレースは基本的に直登なので斜度がきついが、気持ちよくシールを効かせて登っていく。
しかし、山頂が近づいて斜面がオープン気味になり、斜度も増してくると、スノーシューのトレースを外れてジグザグに登るスキーのトレースが出てくる。
私もそちらに乗っかる。
そこからはそれほどかからずに、南峰山頂に到着。
南峰はいつも強風だが、今日は特に強い風が吹いており、写真を撮ったらそのまま北峰に向かう。

南峰で強風が吹いていても北峰は不思議なくらい風が弱かったりすることもあるのだが、今日は北峰もすごい風。
北峰山頂も止まらず通過し、北側へわずかに下って風を避けられる場所を見つけ、休憩を取る。
今日は快晴で霞みもない素晴らしい眺望。
お隣の四阿山・根子岳、山座同定が苦手な私でもすぐに分かる特徴的な妙高連峰から戸隠連峰、遠くにはこれも見慣れた白馬連峰まで、見通せる。






ゆっくり休憩を取った後、シールを外して滑降に入る。
今日は、昨日降雪がなかったことを考慮し、雪質と積雪量が期待できる北面を滑ろうと考えていた。
休憩地点からさらに少し歩き、斜面の上に出る。
シーズン初のオフピステ滑降に緊張しつつ、えいやと斜面に入っていくと、予想以上の深雪。
というか、そんなに積雪が多いわけではないのだが、下地ができていないために底がなく、スキーが深く潜る。
テレマークターンをしようとすると、リードスキーがどんどん潜って止まってしまい、最後は前転。
あぁこれじゃあ全然滑れないじゃん、今日は苦行か、このまま下まで滑る意味あるのか、と一瞬暗くなるが、気を取り直し、テレマークにこだわらずとにかく沈まずに浮くようにすることだけを考えて滑ると、結構滑れる。
両足を揃えて、浮いてさえいれば、後はなんとなく行きたい方向に行くことができる。


そうと分かれば、途端に楽しい練習の時間となる。
湯ノ丸山の北面には長いオープンバーンはないが、いったん密林に行く手を阻まれても、明るい方を求めて木をかき分けて下っていくと、またオープン部分が現れる、ということを繰り返す。
太板でかっ飛びたいという人には物足りないだろうが、BCクロカンでゆるゆる下るには悪くない。


いよいよ樹林が濃くなり、斜度も落ちてきたところで、登り返しの時間も考えて滑降終了とする。
シールを貼り、トラバースで稜線に出たら、後はひたすら尾根を登り返すのみ。
ところが、この登り返しが本日の核心部となる。
前回ここを登ったときの記憶から、山頂まで1時間ちょっとくらいかと思っていたのだが、予想以上のラッセルに苦戦する。
風に叩かれて締まっている部分もあるが、底のない新雪部分ではズブズブと深く沈む。
不意のバックスリップを繰り返すことになるので、シール剥がれも発生。
片方のスキーは予備として持ってきたショートシールでしのぐ。
やがてもう片方もシールが剥がれるが、先に剥がれたロングシールを懐で温めておいたので、それと貼り替え、両方ショートシールになるのは避けられた。
ラッセルが深い一方で、積雪量自体はまだ少ないので藪は濃く、ルート取りも厄介。
結局、2時間半登っても山頂には届かない。
下山後白馬に向かうことを考えると、早く下山したい。
もう少しのところまで来ていたが、北峰下1980mまでで登りを打ち切り、下ることにする。
シールを外して斜滑降でつつじ平方面に向かうが、スキーが沈む上に表面がクラスト気味で抵抗が大きく、スキーはあまり滑ってくれない。
下りラッセルに近い感じでスピードは上がらず、滑った、というより移動した、という感じ。
ようやくつつじ平の上部の緩斜面まで来ると、スキーのシュプールがありそれに乗っかって滑る。
つつじ平からのカラマツ林は直滑降で下り、キャンプ場からはトレースのボブスレー滑りで地蔵峠に戻った。
正直なところ快適な滑りは楽しめなかったが、北峰からの深雪滑りは良い練習になった。
この早い時期に湯ノ丸山でこれだけ滑れたのだから良しとしよう。
それにしても疲れた。

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今シーズンのツアー報告第1弾です。
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2022年1月2日 湯ノ丸山
天候:晴
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
8:17 地蔵峠
9:10~9:22 つつじ平
10:13 湯ノ丸山南峰
10:27~10:54 湯ノ丸山北峰
11:30~11:45 角間峠の上部1870m
14:13~14:21 北峰下1980m
14:55 つつじ平
15:20 地蔵峠
今年の正月は2日から4日まで2泊3日でスキーに行けることになった。
例年まだ山の雪が十分でない正月はゲレンデ練習中心になるのだが、今年はクリスマス以降の2回の寒波襲来でもう山も結構滑れるようになってきているようなので、基本ゲレンデは滑らず山を滑ろうと考えた。
2泊の宿泊はまほろば倶楽部でお願いするが、2日はあまり早発ちできないので、近場の山を滑ってから白馬へ向かうことにする。
多くのエリアで雪は31日までで元日日中には晴れになっている中、上越は元日まで雪が続いていたので、当初は東谷山を計画した。
しかし、越後湯沢から白馬だと東京からと大差ないくらい時間がかかると分かり、白馬へ向かう途中の寄り道で行ける湯ノ丸山に変更。
1月上旬の湯ノ丸山では、雪が十分ではなくたびたび「落とし穴」に落ちて苦労したこともあったが、もう何とか滑れるくらいになっていることはネットで確認済み。
地蔵峠の駐車場に着くと、アイゼンやスノーシューの準備をしている登山者がたくさんいる。
いままでここに来た中で一番多い。
スキーは私だけ。
最近の登山ブームで雪山初心者向けの雑誌をよく見かけるが、そうした流れだろうか。
湯ノ丸山はずいぶん久しぶりだ。
地蔵峠から、まずはシールを貼らずに登り始めるが、記憶していたより斜度がある。
ウロコで登れないわけではないが、この雪質だったら初めからシールを貼ってもよかったかもしれない。
心配していた積雪量は思ったよりあって、スノーシューのトレースは深い。
キャンプ場に着くと、烏帽子岳方面との分岐に向けて伸びているトレースを外れて斜めに登っていく。
つつじ平まではノーシールで登った記憶があったが、乾いたさらさらの雪はウロコの効きが悪く、すぐにシールを貼る。



ここからもトレースは深い。
というか、夏道通しにトレースがついているのか、しばらくは深い溝のようになったところを登っていく。
スノーシューのトレースは基本的に直登なので斜度がきついが、気持ちよくシールを効かせて登っていく。
しかし、山頂が近づいて斜面がオープン気味になり、斜度も増してくると、スノーシューのトレースを外れてジグザグに登るスキーのトレースが出てくる。
私もそちらに乗っかる。
そこからはそれほどかからずに、南峰山頂に到着。
南峰はいつも強風だが、今日は特に強い風が吹いており、写真を撮ったらそのまま北峰に向かう。

南峰で強風が吹いていても北峰は不思議なくらい風が弱かったりすることもあるのだが、今日は北峰もすごい風。
北峰山頂も止まらず通過し、北側へわずかに下って風を避けられる場所を見つけ、休憩を取る。
今日は快晴で霞みもない素晴らしい眺望。
お隣の四阿山・根子岳、山座同定が苦手な私でもすぐに分かる特徴的な妙高連峰から戸隠連峰、遠くにはこれも見慣れた白馬連峰まで、見通せる。
四阿山(手前)、根子岳(奥)

妙高戸隠連山

妙高山、火打山

高妻山、乙妻山

白馬連峰

唐松岳、五龍岳、鹿島槍ヶ岳

ゆっくり休憩を取った後、シールを外して滑降に入る。
今日は、昨日降雪がなかったことを考慮し、雪質と積雪量が期待できる北面を滑ろうと考えていた。
休憩地点からさらに少し歩き、斜面の上に出る。
シーズン初のオフピステ滑降に緊張しつつ、えいやと斜面に入っていくと、予想以上の深雪。
というか、そんなに積雪が多いわけではないのだが、下地ができていないために底がなく、スキーが深く潜る。
テレマークターンをしようとすると、リードスキーがどんどん潜って止まってしまい、最後は前転。
あぁこれじゃあ全然滑れないじゃん、今日は苦行か、このまま下まで滑る意味あるのか、と一瞬暗くなるが、気を取り直し、テレマークにこだわらずとにかく沈まずに浮くようにすることだけを考えて滑ると、結構滑れる。
両足を揃えて、浮いてさえいれば、後はなんとなく行きたい方向に行くことができる。


そうと分かれば、途端に楽しい練習の時間となる。
湯ノ丸山の北面には長いオープンバーンはないが、いったん密林に行く手を阻まれても、明るい方を求めて木をかき分けて下っていくと、またオープン部分が現れる、ということを繰り返す。
太板でかっ飛びたいという人には物足りないだろうが、BCクロカンでゆるゆる下るには悪くない。


いよいよ樹林が濃くなり、斜度も落ちてきたところで、登り返しの時間も考えて滑降終了とする。
シールを貼り、トラバースで稜線に出たら、後はひたすら尾根を登り返すのみ。
ところが、この登り返しが本日の核心部となる。
前回ここを登ったときの記憶から、山頂まで1時間ちょっとくらいかと思っていたのだが、予想以上のラッセルに苦戦する。
風に叩かれて締まっている部分もあるが、底のない新雪部分ではズブズブと深く沈む。
不意のバックスリップを繰り返すことになるので、シール剥がれも発生。
片方のスキーは予備として持ってきたショートシールでしのぐ。
やがてもう片方もシールが剥がれるが、先に剥がれたロングシールを懐で温めておいたので、それと貼り替え、両方ショートシールになるのは避けられた。
ラッセルが深い一方で、積雪量自体はまだ少ないので藪は濃く、ルート取りも厄介。
結局、2時間半登っても山頂には届かない。
下山後白馬に向かうことを考えると、早く下山したい。
もう少しのところまで来ていたが、北峰下1980mまでで登りを打ち切り、下ることにする。
シールを外して斜滑降でつつじ平方面に向かうが、スキーが沈む上に表面がクラスト気味で抵抗が大きく、スキーはあまり滑ってくれない。
下りラッセルに近い感じでスピードは上がらず、滑った、というより移動した、という感じ。
ようやくつつじ平の上部の緩斜面まで来ると、スキーのシュプールがありそれに乗っかって滑る。
つつじ平からのカラマツ林は直滑降で下り、キャンプ場からはトレースのボブスレー滑りで地蔵峠に戻った。
正直なところ快適な滑りは楽しめなかったが、北峰からの深雪滑りは良い練習になった。
この早い時期に湯ノ丸山でこれだけ滑れたのだから良しとしよう。
それにしても疲れた。

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