★2022.02.05 BCXC/高デッキ山
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
戸隠に行ってきました。
初めてです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2022年2月5日 高デッキ山
天候:雪
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
8:55 戸隠イースタンキャンプ場
10:35 徒渉点
12:45~13:05 高デッキ山
13:50 徒渉点
14:28 戸隠イースタンキャンプ場
今シーズンは正月から3連チャンでツアーに出るという良い出足だったが、そのあと間が空いてしまった。
そこで、この週末はこの時期にはやったことのないテント泊ツアーを計画したのだが、大雪の予報、特に土曜の夜からは警報級の降雪になるということで断念。
土曜の日帰りツアーに変更。
場所も、比較的降雪量が少なく、樹林帯で風が避けられると思われる戸隠の高デッキ山に行ってみることにした。
戸隠は橋谷晃さんの本でイチ押しのネイチャースキーエリアとして紹介されていたりしたので、前から行ってみたいと思っていたが、意外と記録が少ないので滑降を楽しむにはどうなのか不安があり、その割に微妙に遠いということもあって、つい勝手が分かっている上越や玉原などに足が向いてしまっていた。
しかし、去年山スキーMLで紹介されていた、北面の浅いパウダーを滑った記録を見て、行きたいという思いが強くなっていた。
土曜早朝に出発。
高速は長野ICから先がチェーン規制で、長野までは積雪もなく普通に走れた。
戸隠に上がっていく途中で雪が本格的に振り出し、スキー場入り口を過ぎて道が森林帯に入ると、木の枝から風で振り落とされた雪でときどき前が見えなくなったりする状態。
それでも、降っている雪そのものはそれほど強くはない。
戸隠イースタンキャンプ場に着くと、ロータリー状に除雪されているスペースがあり、そこに駐車する。
意外にも駐車車両は私の車だけで、他にここからの入山者はいないようだ。
トレースを期待していたのだが…。
駐車場から少し戸隠大橋方面に進んだところに、雪の壁を切り崩した跡がある。
そこが夏道の入り口のようだ。
そこを登って雪の上に上がると、雪に埋もれたスノーシューのトレースが残っていた。
この木曜金曜は冬型も小康状態で雪が降っていないところが多かったが、戸隠スキー場は金曜から雪マークが続いていた。
なのでトレースの上にも結構な積雪があり、トレースの中でもスネ下くらいのラッセルになる。
それでもトレースがないよりは良かった。
始めはほぼ平坦なキャンプ場の中を歩いて行く。
少し歩くと、小広い雪原状のところに出て、吹きさらしのためトレースが不明瞭になる。
正面の林の入り口に案内板らしきものが見えるので見に行きたくなるが、地図とGPSで確認するとこれが最初の分岐で、高デッキ山への道は右に向かっている。
右手を見ると少し先からまたトレースが続いており、そちらに進む。
雪山入門としてポピュラーと思われるルートだが、標識や赤テープは全く見当たらない。
森全体がどこでも歩けるような樹間で、明瞭な切り開きがあるわけでもない。
それでも、GPSを確認するとトレースはほぼ忠実に夏道をたどっている。
歩いていると、カラマツ林からブナ・カンバなどの広葉樹林、そしてまたカラマツ林と樹相が変わる。
やがて雪が小降りになり、薄日も差してきた。
私は暑がりなので行動中は比較的薄着で、ソフトシェルを着ることが多いのだが、今日は一日雪と思い上下ともハードシェルを着てきたので、暑くなってきた。
そこであまり使ったことのない脇下と腿のベンチレーターを開けてみると、蒸れが解消された。
これってこんなに効くんだ。
40分くらい歩いたところで、初めて赤テープが出現する。
地図上1370mの分岐だ。
高デッキ山への夏道は十字路を左に行って沢を渡るようになっている。
トレースも、赤テープの上を少し回り込んで左に向かっていた。
夏道より少し上で沢に出る。
水流はかなり埋まっており、徒渉点探しにそれほど苦労はしない(探したのはトレースを付けた先行者だが)ものの、積雪が少ないときなどはどうか分からない感じ。
徒渉してから先は、次第にトレース上の雪も増えてくる。
そして、1420m付近でついにトレースが見えなくなった。
斜面はこのあたりから斜度が増し、その先には結構な急斜面が伸びている。
ここでシールを装着。
いよいよ本格的な単独ラッセルになる。
トレースがなくなって、ラッセルは膝下くらいまで深くなる。
「浅い新雪をサラサラと」というイメージとは全然違うディープパウダーだ。
雪が軽いのはありがたいが、キックターンのときスキーを雪面から上げて回すのに苦労する。
高度を上げるにつれて斜度がきつくなってくる。
左手の尾根状のところの方が斜度がゆるめで樹間も広いように見えたので行ってみるが、そちらの斜面は巨大な風紋で大きな段差ができていてそれを避けなければ登れず、ルートファインディングが厄介。
風紋を避けているうちに、元のやや西寄りの斜面に戻る。
山頂までもう一息というところでラストスパートをかけようとすると、太ももの前面がつりそうになる。
以前はこんなことなかったのになあと情けなくなる。
急ぐのはやめてそろそろと急斜面を登り切ると、あとは緩やかな斜面を少し登れば高デッキ山山頂。
予想していたよりかなり時間がかかった。
山頂にはスキー場側から登ってきた人たちの痕跡が残っていたが、その人たちは既に下りたようだ。
山頂は開けているが、思ったほど風は強くない。
今日は下部の樹林帯はほぼ無風、標高を上げるにつれて風が強くなってきたものの、それほどの強風にはならなかった。
栄養補給後、シールを外して滑降に移る。
計画では北面を滑ったあと登り返す算段だったが、時間とコンディションから断念。
往路を戻る。
最初は尾根上を滑るが、登りでみてきたとおり段差がすごい。
まほろば倶楽部で段差練は経験しているが、この深雪で連続する段差は、とても私の技術ではBCクロカンでの連続ターンは困難。
転倒を繰り返す(前のめりに頭から突っ込むのではなく、尻餅をつくパターン)。
それでも、段差を避けながら少し下ると、尾根上に、そこそこの幅のオープンな中斜面が続く場所が出てくる。
上から見るとそれほど段差もないように見える。
これはおいしそうだと滑り込んでみると、やはり大きな段差の連続で、全然滑れず。
あ~あヘタだなあと落ち込む
尾根上に見切りをつけて、登りルートの方に向かう。
結構急なので緊張したが、これがとても良い感じのパウダー滑降。
まあ、それほどうまく滑れたわけではないけど、ちょっと自信回復。
ラッセルの甲斐があったというもの。
下部の中斜面も気持ちよい。
シールでの登りトレースを、ウロコのまま階段斜登高を交えて強引に登り返し、もう一本楽しむ。
今日みたいなコンディションだったら、はじめからピークは目指さずにこのあたりで遊ぶのがよいかもしれない。
そこから下は、BCクロカン板ではあまり滑らない(ファットスキーなら滑るのかも知れないけど)。
トレースの中を漕ぎながら滑る。
キャンプ場手前のほぼ平坦なところからは歩きで、出発点に戻り終了。
今回来てみて、戸隠のイメージが断然良くなった。
もっと密な林の部分が多くて滑る場所が限定されるのかと思っていたが、だいたいどこでも滑れるような明るい林が広がっていた。
雪質は期待通りで、今日のような深雪でも楽しめるし、浅めのパウダーでも気持ちいいだろう。
さらにザラメになれば、下部の緩斜面も滑れるようになって、縦横無尽に動き回れそう。
ちょっと通ってみてもいいかも、と思った。
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戸隠に行ってきました。
初めてです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2022年2月5日 高デッキ山
天候:雪
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
8:55 戸隠イースタンキャンプ場
10:35 徒渉点
12:45~13:05 高デッキ山
13:50 徒渉点
14:28 戸隠イースタンキャンプ場
今シーズンは正月から3連チャンでツアーに出るという良い出足だったが、そのあと間が空いてしまった。
そこで、この週末はこの時期にはやったことのないテント泊ツアーを計画したのだが、大雪の予報、特に土曜の夜からは警報級の降雪になるということで断念。
土曜の日帰りツアーに変更。
場所も、比較的降雪量が少なく、樹林帯で風が避けられると思われる戸隠の高デッキ山に行ってみることにした。
戸隠は橋谷晃さんの本でイチ押しのネイチャースキーエリアとして紹介されていたりしたので、前から行ってみたいと思っていたが、意外と記録が少ないので滑降を楽しむにはどうなのか不安があり、その割に微妙に遠いということもあって、つい勝手が分かっている上越や玉原などに足が向いてしまっていた。
しかし、去年山スキーMLで紹介されていた、北面の浅いパウダーを滑った記録を見て、行きたいという思いが強くなっていた。
土曜早朝に出発。
高速は長野ICから先がチェーン規制で、長野までは積雪もなく普通に走れた。
戸隠に上がっていく途中で雪が本格的に振り出し、スキー場入り口を過ぎて道が森林帯に入ると、木の枝から風で振り落とされた雪でときどき前が見えなくなったりする状態。
それでも、降っている雪そのものはそれほど強くはない。
戸隠イースタンキャンプ場に着くと、ロータリー状に除雪されているスペースがあり、そこに駐車する。
意外にも駐車車両は私の車だけで、他にここからの入山者はいないようだ。
トレースを期待していたのだが…。
駐車場から少し戸隠大橋方面に進んだところに、雪の壁を切り崩した跡がある。
そこが夏道の入り口のようだ。
そこを登って雪の上に上がると、雪に埋もれたスノーシューのトレースが残っていた。
この木曜金曜は冬型も小康状態で雪が降っていないところが多かったが、戸隠スキー場は金曜から雪マークが続いていた。
なのでトレースの上にも結構な積雪があり、トレースの中でもスネ下くらいのラッセルになる。
それでもトレースがないよりは良かった。
始めはほぼ平坦なキャンプ場の中を歩いて行く。
少し歩くと、小広い雪原状のところに出て、吹きさらしのためトレースが不明瞭になる。
正面の林の入り口に案内板らしきものが見えるので見に行きたくなるが、地図とGPSで確認するとこれが最初の分岐で、高デッキ山への道は右に向かっている。
右手を見ると少し先からまたトレースが続いており、そちらに進む。
雪山入門としてポピュラーと思われるルートだが、標識や赤テープは全く見当たらない。
森全体がどこでも歩けるような樹間で、明瞭な切り開きがあるわけでもない。
それでも、GPSを確認するとトレースはほぼ忠実に夏道をたどっている。
歩いていると、カラマツ林からブナ・カンバなどの広葉樹林、そしてまたカラマツ林と樹相が変わる。
やがて雪が小降りになり、薄日も差してきた。
カラマツ林の中に大きなブナが
私は暑がりなので行動中は比較的薄着で、ソフトシェルを着ることが多いのだが、今日は一日雪と思い上下ともハードシェルを着てきたので、暑くなってきた。
そこであまり使ったことのない脇下と腿のベンチレーターを開けてみると、蒸れが解消された。
これってこんなに効くんだ。
40分くらい歩いたところで、初めて赤テープが出現する。
地図上1370mの分岐だ。
高デッキ山への夏道は十字路を左に行って沢を渡るようになっている。
トレースも、赤テープの上を少し回り込んで左に向かっていた。
夏道より少し上で沢に出る。
水流はかなり埋まっており、徒渉点探しにそれほど苦労はしない(探したのはトレースを付けた先行者だが)ものの、積雪が少ないときなどはどうか分からない感じ。
徒渉してから先は、次第にトレース上の雪も増えてくる。
そして、1420m付近でついにトレースが見えなくなった。
斜面はこのあたりから斜度が増し、その先には結構な急斜面が伸びている。
ここでシールを装着。
いよいよ本格的な単独ラッセルになる。
トレースがなくなって、ラッセルは膝下くらいまで深くなる。
「浅い新雪をサラサラと」というイメージとは全然違うディープパウダーだ。
雪が軽いのはありがたいが、キックターンのときスキーを雪面から上げて回すのに苦労する。
高度を上げるにつれて斜度がきつくなってくる。
左手の尾根状のところの方が斜度がゆるめで樹間も広いように見えたので行ってみるが、そちらの斜面は巨大な風紋で大きな段差ができていてそれを避けなければ登れず、ルートファインディングが厄介。
風紋を避けているうちに、元のやや西寄りの斜面に戻る。
山頂までもう一息というところでラストスパートをかけようとすると、太ももの前面がつりそうになる。
以前はこんなことなかったのになあと情けなくなる。
急ぐのはやめてそろそろと急斜面を登り切ると、あとは緩やかな斜面を少し登れば高デッキ山山頂。
予想していたよりかなり時間がかかった。
山頂にはスキー場側から登ってきた人たちの痕跡が残っていたが、その人たちは既に下りたようだ。
山頂は開けているが、思ったほど風は強くない。
今日は下部の樹林帯はほぼ無風、標高を上げるにつれて風が強くなってきたものの、それほどの強風にはならなかった。
栄養補給後、シールを外して滑降に移る。
計画では北面を滑ったあと登り返す算段だったが、時間とコンディションから断念。
往路を戻る。
最初は尾根上を滑るが、登りでみてきたとおり段差がすごい。
まほろば倶楽部で段差練は経験しているが、この深雪で連続する段差は、とても私の技術ではBCクロカンでの連続ターンは困難。
転倒を繰り返す(前のめりに頭から突っ込むのではなく、尻餅をつくパターン)。
それでも、段差を避けながら少し下ると、尾根上に、そこそこの幅のオープンな中斜面が続く場所が出てくる。
上から見るとそれほど段差もないように見える。
これはおいしそうだと滑り込んでみると、やはり大きな段差の連続で、全然滑れず。
あ~あヘタだなあと落ち込む
尾根上に見切りをつけて、登りルートの方に向かう。
結構急なので緊張したが、これがとても良い感じのパウダー滑降。
まあ、それほどうまく滑れたわけではないけど、ちょっと自信回復。
ラッセルの甲斐があったというもの。
下部の中斜面も気持ちよい。
シールでの登りトレースを、ウロコのまま階段斜登高を交えて強引に登り返し、もう一本楽しむ。
今日みたいなコンディションだったら、はじめからピークは目指さずにこのあたりで遊ぶのがよいかもしれない。
そこから下は、BCクロカン板ではあまり滑らない(ファットスキーなら滑るのかも知れないけど)。
トレースの中を漕ぎながら滑る。
キャンプ場手前のほぼ平坦なところからは歩きで、出発点に戻り終了。
今回来てみて、戸隠のイメージが断然良くなった。
もっと密な林の部分が多くて滑る場所が限定されるのかと思っていたが、だいたいどこでも滑れるような明るい林が広がっていた。
雪質は期待通りで、今日のような深雪でも楽しめるし、浅めのパウダーでも気持ちいいだろう。
さらにザラメになれば、下部の緩斜面も滑れるようになって、縦横無尽に動き回れそう。
ちょっと通ってみてもいいかも、と思った。
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