★★2025.01.02 BCXC/西山
BCクロカンを愛するみなさん、こんにちは。
新年一発目は初めての西山へ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2025年1月2日 西山
天候 雪→くもり
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
9:00 尾瀬岩鞍スキー場ゴンドラ降り場
10:35~10:58 西山
11:23 右の俣沢1645m
(周辺滑降)
13:20 右の俣沢1663m
14:11~14:21 尾根分岐点
15:05 尾瀬岩鞍スキー場西山ゲレンデ
15:50 尾瀬岩鞍スキー場ゴンドラ乗り場
年末28日に玉原高原に行った後、新年2日にツアーを予定していたところ、31日~元日にかけてまた大雪の予報。
日本海寄りの降雪量はやばそうなので、今回はこれまでずっと関心がありながら行っていなかった尾瀬の西山に行ってみることにする。
8時前に尾瀬岩鞍スキー場駐車場着。
以前は早朝営業もやっていた尾瀬岩鞍なので、てっきり8時オープンかと思っていたら、8時30分営業開始だった。
なーんだと思ってのんびり準備してゲレンデに向かったら、すでにゴンドラ開始待ちの列がかなり伸びていた。
ゴンドラ片道券とリフト1回券を買い、行列に並ぶ。
リフト1回券は、西山ゲレンデを脱出しメインゲレンデ側に戻るために最低限必要。
ベース部分を横断するくらいの行列だったが、ゴンドラのさすがの機動力と、同時に動き出したリフト利用に切り替えて行列を離れる人が結構いたりで、列は順調に進み、さらにゲート通過後は1人客用のレーンも作ってあったので、思ったより早くゴンドラに乗れた。
ゴンドラ降り場で準備を整え、まずはスキー場トップのぶなの木コースの方へ緩いゲレンデ斜面を登っていく。ここはウロコで余裕で登れる。
やがてゲレンデから右手の尾根に取り付く。
警告板が立っており、目印になる(なくてもわかるような地形だけど)。

やめればいいのにと思いつつもいつもの性癖で、いけるところまでウロコで行こうと登り出す。
しかし、雪がさらさらで、ウロコの利きが著しく悪い。
あまりにも体力のロスが激しいので、やっぱりシールを貼る。
シールを貼ってもあまり登りやすい雪質ではなく、地形図から予想していたより時間がかかる。
今日は西面を滑ってみるつもりだったので、南西に落ちる尾根との分岐点までたどり着いたところでこれ以上登る意味はないかなとも思ったが、初めての山なのでやはりピークを見ておこうと、登り続ける。
西山山頂まで、1時間半かかった。

山頂でシールを外し滑降に入るが、西面は思った以上に藪っぽい。
記録があまりないのもそのせいかと思う。

しかし、太板でかっ飛ばすには向かないとしても、それほどスピードが出ず小回りも利くBCクロカンならいける感じ。
雪質も良く、深さも頃合いで、楽しい深雪滑降だ。


それでも、藪っぽいのと私の技術不足でやはり滑降ラインは結構制限される。
地形図を見て、右の俣沢に入らないよう左の方にトラバース気味に滑っていくことを考えていたが、滑りやすいように滑っていくうちに沢の方に向かってしまう。
ここで、ウロコを利して大トラバースを敢行。
高度を落とさないようにしつつ、スキーヤーズレフトの方向に移動する。
幸いラッセルもそんなに深くはなく、それほどの苦労なく散策気分で移動できた。
そのうち、何やら下の方から大きな音が聞こえてくる。
獣の叫び声かと身構えたが、スノーモービルのエンジン音のようだ。
田代湿原の周辺の平地で走り回っているのだろうか。
移動していくうちに、トラバースしている上側の斜面が、斜度、樹間ともにBCクロカンには良さそうな感じになってくる。
よし、ここを滑ろうと、ウロコのまま登りにかかる。
ジグを切りながらしばらく登り、1本滑ってみると、思った通り、いい。
これより下まで滑っていっても面白い保証はないし、登り返しも長くなる。
今日はここで遊ぶことにしようと決めて、ザックを下ろし、ジグのトレースを少しずつ伸ばしながら、繰り返し滑って遊ぶ。


トレースを一番伸ばしたところから上の斜面が、さらにいい感じ。
高度計を確認すると1700m、その上の斜面だ。
今日はもう時間がないので、次はここを狙おう。

結局2時間近くもこの斜面で遊んだ後、再びシールを貼って稜線への登り返しに入る。
意外と登りやすく、50分ほどで西山の稜線に復帰。
これはいい。
次からは西山のピークまで行かず稜線の適当なところから滑るのがいいだろう。
さて、ここからは江戸沢を滑ってスキー場の西山ゲレンデに戻るのが常道だが、今日はもう十分楽しんだので往路を戻り、楽をしようかとも考える。
南面なので雪質も期待できないのでは、ということもあった。
ところが、試しにちょっと滑り込んでみると、やや湿り気が加わった深雪はクリーミーな質感で、実によい。
ポピュラールートだけあって、西面のような藪っぽさも少なく、この江戸沢上部が今日一番の快適斜面だった。


この江戸沢ルートも早めに左の方に行った方がいいとわかっていたのだが、先行者のシュプールもあり、これを追っていけば大丈夫だろうと、油断して気持ちよさに任せて滑っていた。
すると、両側に沢が迫るところで行き詰まってしまう。
振り返ると、追っていたつもりだったシュプールは上の方の沢地形が強まる前のところでスキー場側に逃げていた。
私はといえば、このまま下りて沢を渡り、スキー場側へ登り返すこともできないことはないかと思ったが、深く切れ込んだ沢の側面の登り返しは厄介そうだ。
より堅実に、先行者のシュプールのところまで登り返すことにする。
シールを出すのは面倒なのでウロコで登ってみると、湿り始めた雪にはよく利いてそれほど苦ではなく登り返すことができた。
しかし、そこから先は雪が重くなり、滑りがしんどくなる。
スキー場手前の2本目の沢も思ったより深い。
沢に下り、そのままパイプ状の沢を滑っていくシュプールもあったが、重い沢底の深雪をBCクロカンで滑るのは私の技術では厳しいので、沢から上がってゲレンデ方面に向かうスノーシューのトレースに乗っかることにする。
これを追っていくと、やがて尾瀬岩鞍スキー場西山ゲレンデ「とちの木コース」の途中に出た。

ところが、このとちの木コース下部が本日の核心部だった。
ゲレンデの雪面は踏み固められ、ツルツルになっている。
私がこの日履いていたアウタバウンズクラウンは深雪用として使っているセンター幅68cmの板で、堅い雪にはめっぽう弱い。
まずは斜滑降(斜め横滑り)で滑ってみるが、エッジが効かずスピードが出すぎて怖くてダメ。
端から見ればゆっくりオタオタ滑っているようにしか見えないだろうが、自分には簡単に止まれないスピードだということがわかるので、すごく怖いのである。
そこでフォールラインへの横滑りに切り替えるが、気合いを入れてエッジを立てないとスピードコントロールできないので、すごく疲れて休み休みになる。
時間もかかるので、しびれを切らし、斜度が緩んだところでプルークを試したら、全然減速できず慌てて転倒し左膝をひねる。やばいと思ったが、立ち上がるとなんとか滑れそう。
悪戦苦闘しながら西山ゲレンデベースの広い平地まで滑りついたところで、ゴンドラ下り線で下山しようかと悩む。
滑って下りるためにはメインゲレンデ側の国体女子沢コースを下りなければならないが、斜度が強く長い中級コースをこの板で滑るのは無理ではないか。
しかし、リフト1本乗ってメインゲレンデ側に戻り、試しに国体女子沢コース上部を滑ってみると、とちの木コースよりは雪面が若干柔らかく、エッジも多少効いてくれる。
そのまま下りることにし、横滑り→くるんと方向転換→横滑り→休み、を繰り返しながら高度を落とす。
途中で左に枝分かれするコースに入ると斜度が緩む。
だからといって、雪面が堅い限り楽になる訳ではないが、コース端に踏み固められていない部分が残っていると、そこはプルークも使えて多少楽になる。
そんなこんなで恐ろしく時間がかかったが、ヘロヘロになりながらスキー場ベースにたどり着き、終了した。
コンディションにも恵まれたのかもしれないが、西山西面は私のBCクロカンツアーのスタイルにぴったりで、新規開拓は大成功だった。
ただゲレンデに戻ってからは大変だったので、次はゴンドラ往復券を買ってゴンドラ下山にしようと思う。

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新年一発目は初めての西山へ。
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2025年1月2日 西山
天候 雪→くもり
装備:(板)アウタバウンズクラウン(靴)Xadv8
<コースタイム>
9:00 尾瀬岩鞍スキー場ゴンドラ降り場
10:35~10:58 西山
11:23 右の俣沢1645m
(周辺滑降)
13:20 右の俣沢1663m
14:11~14:21 尾根分岐点
15:05 尾瀬岩鞍スキー場西山ゲレンデ
15:50 尾瀬岩鞍スキー場ゴンドラ乗り場
年末28日に玉原高原に行った後、新年2日にツアーを予定していたところ、31日~元日にかけてまた大雪の予報。
日本海寄りの降雪量はやばそうなので、今回はこれまでずっと関心がありながら行っていなかった尾瀬の西山に行ってみることにする。
8時前に尾瀬岩鞍スキー場駐車場着。
以前は早朝営業もやっていた尾瀬岩鞍なので、てっきり8時オープンかと思っていたら、8時30分営業開始だった。
なーんだと思ってのんびり準備してゲレンデに向かったら、すでにゴンドラ開始待ちの列がかなり伸びていた。
ゴンドラ片道券とリフト1回券を買い、行列に並ぶ。
リフト1回券は、西山ゲレンデを脱出しメインゲレンデ側に戻るために最低限必要。
ベース部分を横断するくらいの行列だったが、ゴンドラのさすがの機動力と、同時に動き出したリフト利用に切り替えて行列を離れる人が結構いたりで、列は順調に進み、さらにゲート通過後は1人客用のレーンも作ってあったので、思ったより早くゴンドラに乗れた。
ゴンドラ降り場で準備を整え、まずはスキー場トップのぶなの木コースの方へ緩いゲレンデ斜面を登っていく。ここはウロコで余裕で登れる。
やがてゲレンデから右手の尾根に取り付く。
警告板が立っており、目印になる(なくてもわかるような地形だけど)。
やめればいいのにと思いつつもいつもの性癖で、いけるところまでウロコで行こうと登り出す。
しかし、雪がさらさらで、ウロコの利きが著しく悪い。
あまりにも体力のロスが激しいので、やっぱりシールを貼る。
シールを貼ってもあまり登りやすい雪質ではなく、地形図から予想していたより時間がかかる。
今日は西面を滑ってみるつもりだったので、南西に落ちる尾根との分岐点までたどり着いたところでこれ以上登る意味はないかなとも思ったが、初めての山なのでやはりピークを見ておこうと、登り続ける。
西山山頂まで、1時間半かかった。
山頂でシールを外し滑降に入るが、西面は思った以上に藪っぽい。
記録があまりないのもそのせいかと思う。
しかし、太板でかっ飛ばすには向かないとしても、それほどスピードが出ず小回りも利くBCクロカンならいける感じ。
雪質も良く、深さも頃合いで、楽しい深雪滑降だ。
それでも、藪っぽいのと私の技術不足でやはり滑降ラインは結構制限される。
地形図を見て、右の俣沢に入らないよう左の方にトラバース気味に滑っていくことを考えていたが、滑りやすいように滑っていくうちに沢の方に向かってしまう。
ここで、ウロコを利して大トラバースを敢行。
高度を落とさないようにしつつ、スキーヤーズレフトの方向に移動する。
幸いラッセルもそんなに深くはなく、それほどの苦労なく散策気分で移動できた。
そのうち、何やら下の方から大きな音が聞こえてくる。
獣の叫び声かと身構えたが、スノーモービルのエンジン音のようだ。
田代湿原の周辺の平地で走り回っているのだろうか。
移動していくうちに、トラバースしている上側の斜面が、斜度、樹間ともにBCクロカンには良さそうな感じになってくる。
よし、ここを滑ろうと、ウロコのまま登りにかかる。
ジグを切りながらしばらく登り、1本滑ってみると、思った通り、いい。
これより下まで滑っていっても面白い保証はないし、登り返しも長くなる。
今日はここで遊ぶことにしようと決めて、ザックを下ろし、ジグのトレースを少しずつ伸ばしながら、繰り返し滑って遊ぶ。
トレースを一番伸ばしたところから上の斜面が、さらにいい感じ。
高度計を確認すると1700m、その上の斜面だ。
今日はもう時間がないので、次はここを狙おう。
あれ?写真だと手前の小枝が目立ってあまり良さそうに見えない(笑)
結局2時間近くもこの斜面で遊んだ後、再びシールを貼って稜線への登り返しに入る。
意外と登りやすく、50分ほどで西山の稜線に復帰。
これはいい。
次からは西山のピークまで行かず稜線の適当なところから滑るのがいいだろう。
さて、ここからは江戸沢を滑ってスキー場の西山ゲレンデに戻るのが常道だが、今日はもう十分楽しんだので往路を戻り、楽をしようかとも考える。
南面なので雪質も期待できないのでは、ということもあった。
ところが、試しにちょっと滑り込んでみると、やや湿り気が加わった深雪はクリーミーな質感で、実によい。
ポピュラールートだけあって、西面のような藪っぽさも少なく、この江戸沢上部が今日一番の快適斜面だった。
この江戸沢ルートも早めに左の方に行った方がいいとわかっていたのだが、先行者のシュプールもあり、これを追っていけば大丈夫だろうと、油断して気持ちよさに任せて滑っていた。
すると、両側に沢が迫るところで行き詰まってしまう。
振り返ると、追っていたつもりだったシュプールは上の方の沢地形が強まる前のところでスキー場側に逃げていた。
私はといえば、このまま下りて沢を渡り、スキー場側へ登り返すこともできないことはないかと思ったが、深く切れ込んだ沢の側面の登り返しは厄介そうだ。
より堅実に、先行者のシュプールのところまで登り返すことにする。
シールを出すのは面倒なのでウロコで登ってみると、湿り始めた雪にはよく利いてそれほど苦ではなく登り返すことができた。
しかし、そこから先は雪が重くなり、滑りがしんどくなる。
スキー場手前の2本目の沢も思ったより深い。
沢に下り、そのままパイプ状の沢を滑っていくシュプールもあったが、重い沢底の深雪をBCクロカンで滑るのは私の技術では厳しいので、沢から上がってゲレンデ方面に向かうスノーシューのトレースに乗っかることにする。
これを追っていくと、やがて尾瀬岩鞍スキー場西山ゲレンデ「とちの木コース」の途中に出た。
ところが、このとちの木コース下部が本日の核心部だった。
ゲレンデの雪面は踏み固められ、ツルツルになっている。
私がこの日履いていたアウタバウンズクラウンは深雪用として使っているセンター幅68cmの板で、堅い雪にはめっぽう弱い。
まずは斜滑降(斜め横滑り)で滑ってみるが、エッジが効かずスピードが出すぎて怖くてダメ。
端から見ればゆっくりオタオタ滑っているようにしか見えないだろうが、自分には簡単に止まれないスピードだということがわかるので、すごく怖いのである。
そこでフォールラインへの横滑りに切り替えるが、気合いを入れてエッジを立てないとスピードコントロールできないので、すごく疲れて休み休みになる。
時間もかかるので、しびれを切らし、斜度が緩んだところでプルークを試したら、全然減速できず慌てて転倒し左膝をひねる。やばいと思ったが、立ち上がるとなんとか滑れそう。
悪戦苦闘しながら西山ゲレンデベースの広い平地まで滑りついたところで、ゴンドラ下り線で下山しようかと悩む。
滑って下りるためにはメインゲレンデ側の国体女子沢コースを下りなければならないが、斜度が強く長い中級コースをこの板で滑るのは無理ではないか。
しかし、リフト1本乗ってメインゲレンデ側に戻り、試しに国体女子沢コース上部を滑ってみると、とちの木コースよりは雪面が若干柔らかく、エッジも多少効いてくれる。
そのまま下りることにし、横滑り→くるんと方向転換→横滑り→休み、を繰り返しながら高度を落とす。
途中で左に枝分かれするコースに入ると斜度が緩む。
だからといって、雪面が堅い限り楽になる訳ではないが、コース端に踏み固められていない部分が残っていると、そこはプルークも使えて多少楽になる。
そんなこんなで恐ろしく時間がかかったが、ヘロヘロになりながらスキー場ベースにたどり着き、終了した。
コンディションにも恵まれたのかもしれないが、西山西面は私のBCクロカンツアーのスタイルにぴったりで、新規開拓は大成功だった。
ただゲレンデに戻ってからは大変だったので、次はゴンドラ往復券を買ってゴンドラ下山にしようと思う。

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